ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

先端科学の講演会・2012年度

先端科学の講演会・2012年度は、下記の内容で行われました。

期間:2012年7月22日(日)10:00 - 16:40

場所:京都大学理学部6号館401号室

対象:高校生(引率教員・保護者)

 

各分野講演の内容

数 学

吉川 謙一 教授 「オイラー数とベクトル場」

吉川教授閉多面体のオイラー数は「頂点の数」と「面の数」の和から「辺の数」を引いて得られる整数です。「穴のない多面体ではこの数はいつも2になっています。この様にして決まるオイラー数ですが、この整数は面上に「流れ」(ベクトル場)を考えた時に、どれだけの渦が存在するかという問題にも関係しています。実は、適当な符号をつけて渦の個数を足し合わせると、オイラー数に等しい事が知られています。講演ではオイラー数とベクトル場の関係についてお話する予定です。


物 理

川上 則雄 教授 「超伝導のふしぎ ~マクロな量子現象~」

川上教授1911年の超伝導の発見から既に100年が経過した。この間、超伝導の基本的性質やメカニズムが解明されるとともに、新しいタイプの超伝導が 次々に発見され基礎科学およびテクノロジーの発展に大きく寄与してきた。超伝導の本質に迫るためには「マクロに生じる量子現象」を理解する必要が ある。ここでは、固体中の電子たちの量子的な性質に注目し、超伝導がなぜ生じるのかをわかり易く解説する。


化 学

三木 邦夫 教授 「タンパク質のかたちとはたらき」

三木教授私たち生物が生きるために必要な化学反応のほとんどをタンパク質が担っている。生命現象におけるタンパク質の役割は極めて多様であり、タンパク質のはたらき(機能)はそのかたち(構造)と密接に関係している。タンパク質の構造がつくられる基本的なしくみと、いくつかのタンパク質の構造とは機能の関係について述べる。


宇宙地球

余田 成男 教授 「地球をめぐる風」

余田教授地球大気は、基本的に太陽からの放射エネルギーによって熱的に駆動され、地表面での摩擦によってブレーキがかかっています。つむじ風、竜巻から、積雲、前線、台風、低気圧、ジェット気流まで、さまざまな空間規模・時間規模での大気現象があり、それらが複雑に絡み合いながら、時間変動を続けています。宇宙からみた大気の映像をもとに、地球をめぐる風の不思議さの一端をお話しします。


生 物

高橋 淑子 教授 「卵から体がつくられるとき:細胞がみせるドラマ」

高橋教授私達の一生の始まりである受精卵は細胞分裂を繰り返し、やがて手足や心臓、そして脳や筋肉など、さまざまな組織が作られてきます。このような発生プロセスの裏には、驚くべき神秘が隠されています。その秘密に、DNAから迫ってみましょう!


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