ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

 

体験アーカイブ第5期

2013年 2月 2  数 学  物 理  宇宙地球  生 物  化 学

数学

実習1

問題の幾何的状況を解釈し、積分を用いて確率を求める。

実習2

針の長さが平行線の幅より長い場合の確率も計算出来た。

実習3

合宿での発表内容は何にしようか?投票→答弁→投票。

チューター

 佐々木 健太郎(数学教室 修士課程 2回生)
 岡田  健(数理解析研究所 修士課程 2回生)

ボランティア

 横田 真秀(数学教室 修士課程 2回生)

実施場所

 理学研究科3号館109号室

実習内容

 前回に引き続きBuffonの針の問題『幅dの間隔で平行線が引かれた平面に、長さlの針を落とすとき、針が平行線と交わる確率は?』を考えた。今回は積分を用いて確率を具体的に計算する方法で解いた。

 また、針の長さlが平行線の幅dより長い場合にも確率を求め、考察を加えた。

 その後、合宿で発表する内容を決定し、大まかな役割分担をした。

受講生の感想

  • 再来週の発表に向けて、家で頑張ってきます。Buffonの針は駄目だったけれど、ゼータ関数も面白そうなので待ち遠しいです。
  • 次回の発表内容がζ(2)に決まりました!!まだよく分からないところもありますが、発表に向けて精一杯準備してきます!!
  • 再来週のプレゼンに向け得ての準備頑張ります。
  • 次回の発表もマトモに出来るか心配ですが頑張ります。
  • 実は今回、ζ(2k)の準備をして来ていたので、合宿の発表では、今回発表せずに溜め込んだ分、頑張ります。
  • 針の確率を計算しましたが意外に分かりやすかったです!次の合宿の発表はゼータ関数に決まったので頑張りたいと思います。
  • 数式

物理

実習1

本日は原子核ハドロン物理の講義

実習2

J-PARCについて説明する永江教授

実習指導

 永江 知文(原子核・ハドロン物理学研究室 教授)
 藤岡 宏之(原子核・ハドロン物理学研究室 助教)

チューター

 時安 敦史(博士課程 5回生)
 森津 学(博士課程 4回生)

実施場所

 理学部5号館 205号室 

実習内容

 スライド、板書による永江知文教授による講義を行った。

 原子核・ハドロン物理学の基本的内容に関して、及び次回2/16に実施される実習"NaIシンチレータを用いたγ線検出"に必要な知識の説明である。

 また、KEKで提供されているハドロン物理学の入門パンフレットを複読書として配布した。

受講生の感想

  • 今日は理論のみで、結構難しい話も多かったが、何とかあらかた理解することが出来た。次回の実習までに今回のノートをよく読みなおして復習しておきたい。量子力学や素粒子物理学なども深くかかわり、物質がどんなものであるか、光がどんなものかといった話までとんで、とても頭を使った。ただその分、基礎を詳しく知ることが出来たのは良かったと思う。次回の実習ではガンマ線の観測をするということだが、早くやってみたい。理論としては複雑でエネルギーを電子に移し、波長の長い波として再放出させて観測させるとのことでした。今日話を聞いていて、光や原子について非常に興味深い点や疑問もあったので、またいろいろ調べてみたいと思う。

 

  • ダブルハイパー核に関するその周辺の話を始めて聞いた。今までに少しずつ聞いた話がまとめてたくさん出てきて、復習のようなかんじで非常によく理解が深まった。(あくまで今までと比べて)特に説明がゆっくりだったことがとてもよかった。説明がよく考えられていたようで、わかりやすかった。調べても断片的にしかわからないことが多かったけれども体系的に知ることで地面に足が触れているようでいつもとはまたちがった楽しさがあった。でもわからない所へ足を踏み入れる部分がなかったわけではなく、例えば量子色力学等、満足感があった。部屋は比較的すっきりしていた。
  • 物質の最小単位はなんなのかという謎に関して、本当にたくさんの人々がかかわったんだなと思った。多くの誤解を乗り越えて、現在"クォーク"というところまで来ているのは感動的でもあると感じた。ELCASに来てから何回も量子力学の話があって、今回も出てきた。
     量子力学がどれほど現代物理の基礎になっているかということを痛切に感じる。量子力学を知りたいと思って文献を見ても理解できず、早く大学生になって学びたいということを強く思います。今回もすごく楽しかったです。ありがとうございました。
  • 今回は原子核やクォークなどの発見までの歴史や仕組みを教えていただいた。難しくてわからなかったところも少しあったけれど、とても面白かった。特に私たちが知っている原子核のクォークは2つから3つのもので構成されている話や、さらにそれ以上のものを実験しているという話は面白かったし、興味深かった。それだけでなく、J-PARC等、初めて知るような話ばかりだったが、面白かった。次回の実験ではガンマ線について学ぶ。ガンマ線を光に変える時、電荷のある電子に変換し、遠視がエネルギーを失うそのエネルギーを蛍光として出すという話がとても面白いなと思ったし、早くガンマ線を用いた実験をして今日の学びを深めていきたいなと思った。
  • 今回は原子核の研究をされている方々のお話を聞かせて頂きました。最近の体験学習コースは加速器を使って研究されているという方の研究室を訪れることが多いので、前回の内容とリンクしている内容もあり、大変興味深くお話を聞かせて頂きました。私は今回、開始時間から遅れて来てしまったのですが、丁寧に説明していただいたおかげで、自分なりに理解することができました。来週はガンマ線の測定ということで、非常に楽しみです。今週はありがとうございました。
  • 今回は原子核のさらに内部やクォークなどについてまで学んだ。また、ほかにも電磁波、放射線について学習した。冒頭に古代の哲学者たちから物質の構造について考えられていて、そのもととなるのが、火、水、空気、土だという考え方をとてもおもしろく思った。現代のように科学が発達していなければ、とても論理的な仮説だと感じたからだ。何の知識もない状態から、そのような構成が考えられるのはすばらしいと思った。さらに今まで、クォークが2個、3個以外で構成されているハドロンは見つかっていないということを知り、不思議に思った。いつか、その理由まで解明されるのかもしれないと思うと楽しみだ。

宇宙地球

実習1

実験装置の説明。砂の粒度を沈降管を用いて分離させる。

実習2

陸前高田の津波堆積物試料と水槽。砂の供給量を変化させることによる地形変化の観察を行った。

実習3

電子顕微鏡を操作し、砂試料の観察をしている 。

実習指導

 成瀬 元(堆積学研究室 准教授)

チューター

 石丸 卓哉(修士課程 1回生)

実施場所

 理学部1号館 043号室、044号室

実習内容

 最初に堆積学という学問の紹介をし、その後実際に堆積物がどう運搬され、堆積していくかを水槽(長さ2 m,幅15 cm,高さ40 cm)を使って実験を行った。用いた砂は実験用の珪砂で、土砂の供給量を変化させることでどのような地形が形成されるかを観察をし、その解説を行った。また、川に関して短めのレクチャーも行った。他に、陸前高田の津波堆積物の剥ぎ取り試料の紹介も行った。水槽実験を終えた後、別室にある大型水槽(長さ5.5 m,幅4 m,高さ2 m)を見学し、その水槽の概要と観測機器の説明をした。最後に、予め作成されていた水槽実験で採取された試料を電子顕微鏡で観察を行った。簡単に操作説明を行った後、生徒に操作をしてもらった。

受講生の感想

  • 今日は堆積物の実験をしました。地学は学校で勉強する機会が無いので、川や堆積物といっても正直、初めは実感がわかなかったですが、実際に川のミニチュアを作っていただいて、土砂の動きがよく分かりました。少し土砂をいじっただけで流域の地形が大きく変わってしまうということで、自然の力の複雑さを感じられました。
  • 今日は、たいせきの実験、そして地球でむかしおきたようなこととかを再現しました。地球でおこっていることを教室の中でできたし、おもしろかったです。今度の最後の授業も楽しみです。
  • 堆積学という言葉を初めて聞きました。川の傾きなんてなかなかかわらないだろうと思っていたのですが、10年程で橋の土台がむき出しになってしまうほど土砂の量によって地形の姿がかわってしまうことにおどろきました。
  • 地学を習ったことがなく、やること全てが新鮮だった。とくに川の流れ、たいせきを調べる実験は印象的だった。砂の上に砂がたまり、予想外のつもり方をした。たいせき学に興味がわいた。
  • 川の傾きに堆積物が関係していることが、スケールを変えた実験でよくわかった。深海の再現できる水そうもまた見てみたいなあと思った。日本が他の国に比べて傾きが大きい川が多いことに歴史とかも関係していることにとても興味をもった。
  • 日本の川の成り立ちや傾度の変化を知ることができてよかったと思いました。たのしかったです。あと1回がんばろうと思う。

生物

実習1

動物の音声を用いたコミュニケーションについてのレクチャー

実習2

動物行動2: 植物園にて野鳥の鳴き声サンプルを採取

実習3

動物行動3: 採取したサンプルをソノグラムで図示し比較

実習指導

 沼田 英治(動物行動学研究室 教授)
 森  哲(動物行動学研究室 准教授)

チューター

 塩崎 達也(理学部 4回生)

ボランティア

 横山 拓也(修士課程 1回生)
 村井 幸輝郎(修士課程 1回生)

実施場所

 理学部2号館 315号室、理学部植物園

実習内容

 動物によるコミュニケーションを研究する例として、音声によるコミュニケーションの解析の仕方を学ぶ。京都大学理学部植物園内を実際に歩き、鳥類の鳴き声をICレコーダーにより録音する。録音した鳴き声をパソコンに取り込み、音声解析ソフトを使用して、ソノグラムとオシログラムを作成する。鳥の種ごとの鳴き声の違いがソノグラムやオシログラムでどのように表現され、図示化されるかを学び、音声分析による比較手法を体験する。

受講生の感想

  • 今回、動物行動学の「行動のデータ」を調べるという体験を行いました。近くの植物園まで出かけて行って、自分の目で耳で足でデータを集めることができ、より結果(鳥の種類、鳴き声のパターン分類)が面白いものとなりました。しかし、僕はデータを集める段階より自分でなぜこの行動が行われるのか考える方が好きなのだと思いました。それでも、鳴き声をオシロスコープによって目で見て分かる形にし、それの意味や鳴き交わしなどについて思いをはせるのは楽しく貴重な経験になりました。
  • 本日は動物行動学の実習を行いました。今回は動物の様々なコミュニケーション方法の中で音に着目し、なぜ鳴くのか、お互いに何の情報を伝えようとしているのかを客観的に調べました。2人1組でボイスレコーダーを持ち、植物園の中を歩き回って色々な鳥の声を録音しました。パソコンでオシログラム(声の強弱)とソノグラム(音の高低)を表示させて調べた結果、私たちが録音していたのはヒヨドリとコガラの鳴き声でした。同じ種類の鳥でも鳴き方や求愛や威嚇をしているときの鳴き声を教えていただきました。私たちは言葉で意思疎通をしますが、他の動物は声の強弱や高低でコミュニケーションをとっているのだと思うと本当に興味深いです。今回も楽しい実習になりました。
  • 外に出るというタイプの実習は初だったので良かったです。異なる鳥であるという事はわかっても名前の方がよくわからないので辞典をみたりTAの方に丁寧に教えてもらえて助かりました。後、ノイズキャンセルの仕方を詳しく知りたかったと思う。ありがとうございました。
  • 今日は、動物行動学の研究室で動物の行動の一つとしてコミュニケーションについての実験をしました。植物園に野鳥の鳴き声を録音しに行ってその録音した鳴き声をパソコンのソフトで図式化し、オシログラムとソノグラムにして客観的に観察するという事をやりました。オシログラムでは音の強弱をグラフにしたもので、今回は風の音や足音、風鈴の音などの雑音が入ったのであまりいい結果ではなかったけど、ソノグラムはきれいに鳥の種類によって鳴き声の違いや同じ鳥の鳴き声の違いがわかりました。今回私が聞けたのはヒヨドリとカラ類(コガラ?)の鳴き声でした。この研究が進めば、鳥がどういう気持ちなのか分かるようになるかもしれないなと思いました。とってもおもしろかったです。
  • 今日は、まず植物園に行って鳥の鳴き声をとりました。京大の植物園には初めて行きました。池があって感動しました。あと道がくねくねしているから一人で行ったら迷うだろうなって思いました。部屋に戻ってとってきた音をパソコンで見ました。耳で聞くよりも客観的に見た方がだいぶわかりやすかったです。ヒヨドリとシジュウカラと雑音の音の違いがわかってくるようになりました。
  • 私は植物園には行ったことがなかったのですが植物園の雰囲気がとても好きになりました。良く耳を澄ましてみるといろんな鳥がないていてなんか聞いたことある声もいくつかありました。普段意識していないと聞きのがしている音がたくさんあるのではないかなと思いました。大学院生の方々も鳥の鳴き声で鳥の名前が分かったり、倍音の説明がとてもわかりやすかったりとにかくすごかったです。また、パソコンで音を視覚的にみると特徴がはっきり分かりました。とてもおもしろかったです。

化学

実習1

鉄(II)錯体とニッケル(II)錯体を混合した溶液にクエン酸を加え、さらに1,3-ジアミノプロパンを徐々に加える。

実習2

1,3-ジアミノプロパンを加えると沈殿が溶解し緑色溶液になる。

実習3

さらにピリジンを加えることで薄黄色沈殿Fe(pyridine)2Ni(CN)4を得る。

実習指導

 前里 光彦(固体物性化学研究室 助教)

チューター

 橋口 良太(修士課程 1回生)

実施場所

 理学部6号館 559号室

実習内容

 物性測定用に2次元高分子化合物Fe(pyridine)2Ni(CN)4を合成した。鉄(II)錯体Fe(SO4)2(NH4)2とニッケル(II)錯体K2[Ni(CN)4]の水溶液を混合し、クエン酸と1,3-ジアミノプロパンで析出した沈殿を溶かしpHを調整した。この溶液にピリジンを加えて薄黄色粉末、Fe(pyridine)2Ni(CN)4を得た。

受講生の感想

  • 今日は無機物性化学について学びました。今回は遷移金属の錯体(Fe(py)2Ni(CN)4)を合成する実験を行いました。初めはうすい黄色の溶液だったものが、試薬を加えると沈殿ができてにごる様子がはっきりと見えて驚きました。また、道路標識の青色は、銅フタロシアニンという遷移金属錯体の顔料が使われていることを知って、とても身近に感じることができました。遷移金属は色・磁性が様々で、たくさんの顔料に遷移金属錯体が使われているそうです。次は実際に作った遷移金属錯体をX線回折して構造を調べるのでとても楽しみです。
  • はじめの説明で遷移金属錯体と聞いた時、なんだか難しそうだなと思うと共に、すごく興味をそそられました。聞いたことがなかったので普段の生活になじみはないのかと思いましたが、色や磁性といったその特徴をいかして身の回りでも、顔料として使われていたりすると聞き、驚きました。遷移金属錯体の合成では、少し危険度の高いものを使うときいて緊張しました。色がどんどん変わっていく様子はきれいでした。まだまだ実験のプロセス全体を理解することはできていません。次回、もっと様々なことを分かりやすく教えていただけるということなのでとても楽しみにしています。今日はありがとうございました。
  • Fe(py)2Ni(CN)4粉末の合成を行った。とても細かい作業が多く、なかなか慣れなかったが、無事合成を成功させることができて嬉しかった。また遷移金属とその電子の特徴を詳しく知ることができて、より深く理解することができて良かった。これからも遷移金属や錯体について勉強していきたい。
  • 今回、前半は授業で後半は実験でした。遷移金属錯体は3d電子軌道をもっており、配位子場による分裂によって色が見えているということをきいて驚きました。様々な波長のエネルギーを出すことで色が見えるということは知っていたのですが、エネルギーの差を生み出すことで色が見えるということは知りませんでした。実験では、ただ試料をはかりとって、混ぜるだけだったのですが、色の変化を楽しめました。
  • 今日は電子軌道に関わるhigh spin、low spin状態の話やそれら両方の状態をつくることができるスピンクロスオーバー錯体についてのプレゼンテーションを受け、実際にその錯体を作りました。電子軌道の話は学校で聞いたことがあったので理解することができましたが、錯体はどうして2つの状態を示すのか、ということはなかなか難しかったです。再来週に、今日作った錯体がどのような性質を示すのかを見て、さらに理解を深めたいなと思いました。今日はありがとうございました。
  • 無機物性化学という名称から、物理系の研究室なのかと思っていたので、体験させていただいて、いわゆる「化学」色が強かったのでおどろきました。電子軌道と、目に見える形での物質の変化の関係を知ることができることにわくわくしています。今まで軌道の話は、普段の生活とは程遠い量子の世界、データや理論でしかわからない想像の世界という印象だったので、電子のスピンの差による物性の違いを色や磁性で確認できるということに感動しました。また学校で使っている吸引ろ過は、水を流しっぱなしにしてそれにより真空に近い状態を作り出すものでしたが、今回は直接真空にひいていて、装置の形も異なったので、新鮮でおもしろかったです。

過去の体験コース
2012年

9月1日

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2013年
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