ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2011年 2月 19日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:広瀬 稔(修士課程2回生)、佐藤 信夫(修士課程 2回生)、竹内 光(修士課程 2回生)

実施場所:

前半は『カードをシャッフルする』の章を発表してもらった。後半は前回に引き続き『ラテン方陣を完成する』の章を発表してもらった。どちらも高校生には馴染みの薄い概念が出てくるので、できるだけ簡単な場合や具体例に戻って理解しやすくなるように手助けをした。

   

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • シャッフル問題が素敵でした。
  • 今回は未解決の問題、『n^2と(n+1)^2の間に素数はあるか?』というものに挑戦してみましたが、歯が立ちませんでした。また時間を見つけて取り組んでみたいと思います。
  • すべての体験コースが終わり、後は旅行のみ!!最後まで楽しみたいです!!
  • シャッフルの説明をするのが難しく、力尽きた。
  • 今回の内容はとても難しかった。今回で最後になったのが信じられないです。
  • つかれた。説明するのは難しい。
  • やっとシャッフルについての説明が終わった。役目は果たしたぜ。

物理   

常見 俊直(研究員)

チューター:渡邉 大樹(学部4回生)

実施場所:理学部5号館511号室

π中間子が崩壊するときの光子の出る方向を相対論的に計算したあと、粒子の崩壊をモンテカルロ法でシミュレートした。

 
ソフトのインストール 計算
シミュレーション結果

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • オプションコースではrootやvisual studioのダウンロードとインストールに時間がかかった。お昼は学食が開いてなくてショックだった。π中間子が光速近くで動いているときにγ線に崩壊するときのθを求めようとしていたが、なかなか求まらなくて疲れた。それで全然予定程に話が進まずに終わってしまった。残念だったが楽しかった。今回がELCAS最終回かと思うと寂しい。この約半年間のELCASを通して、色々なことを学べたし、本当にいい経験になった。現代物理への興味や理解が深まり、科学が大好きなメンバー同士の交流は大いに励みになった。ありがとうございました!
  • これが最後なんて信じられないです!!ELCASでは本当にいろんな事を学ばせてもらいました。感謝してもしきれないです。まだまだ知らないことがたくさんありいっぱい大学で学びたいと思いました。正直今の僕には理解し難いような内容もありましたが、ELCASのみんなと互いに教えあいながら深めることができましたし、ちょっとですが物理の真髄に触れることができた気がします。物理の知識という意味でもまたそれ以外の同じ志を持った同世代の子仲良くなれたという意味でもELCASには本当にお世話になりました。ありがとうございました。あ、最後に、ノーベル賞をとって僕は新世界の神になる。
  • ・今年のELCASは楽しかったです。・合宿では他分野の人との交流ができ楽しかったです。・来年もよろしくお願いします。・来年もELCASを開催して下さい。
  • ・今日は粒子の運動について勉強できた。・今までのELCASを振り返ってみると、あまりにも早い気がした。みんなで初めてあつまったのがまるで昨日のようだ。・ELCASではいろいろ経験をさせてくれた。・毎回毎回新しいことを気づかせてくれた。・俺にとってELCASはかけがえのないものだと今は思える。・本当によかった、ありがとうございました。・なんども言うがELCASは楽しくて早すぎた。もっとみんなと楽しくしていたかった。・来期もELCASはあってほしい。
  • 今回は、実際に大学や研究機関で使っているシミュレーションソフトに触れ、物理を学ぶためのツールを扱うことの難しさを知ると同時に興味を持った。半年間にわたる体験学習コースへの参加によって物理の先端を身をもって知ることができ、物理を学ぶモチベーションは大いに高まったと思う。
  • ローレンツ変換の問題が難しかった。ローレンツ変換についてはなんとなくわかったからよかった。
  • ローレンツ変換は全く自力で解けませんでした。英語の資料の中から必要な情報を読み取るのも「無理ッ」でした。オプションでは頑張ってガイガーカウンターについての、これまたin Englishの資料を読みました。終了発表までに理解できると良いです。

天文

野上 大作 (恒星物理研究室 助教授)

チューター:石井 貴子(研究員)、阿南 徹(博士課程1回生)

実施場所:

太陽赤道、緯度±30°、±60°の東西の太陽縁のスペクトルを花山天文台太陽館で観測し、太陽光球起源の鉄吸収線(6302.499Å)のドップラー効果による波長のずれを測定し太陽の緯度ごとに自転速度を調べた。

太陽像をスリットに合わせる みんなで太陽像を覗く
黒点に印をつける

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 早いもので、今回でもう最後のELCASの体験講座でした。ELCASは毎回とても楽しかったので、これで終わってしまうのが本当に残念です。今日は花山天文台にて、太陽の自転速度を緯度を30°ずつ変えて計算しました。この結果から太陽が剛体か移転をしていることは分かりました。実際は太陽は差動回転をしていますが、なぜ差動回転が起こるのかと疑問を持ちました。また家で調べてみたいと思います。これまでありがとうございました。
  • 今回は天候が非常に良く、様々な角度で測定することができてよかった。次回の発表は頑張りたい。
  • 今回で体験学習コースも最後でもう終わってしまうのだと考えると、時は恐い物であると考えてしまう程でした。しかし、太陽の自転計算の仕方等は分かったので良かったと考えています。しかし、半年で終わってしまうのはとてもショックに感じました。また、太陽観測は今回は成功し、黒点も見る事ができると考えています。そしてたくさんデータもとることができて、計算もできたので良かったと考えています。
  • 今回実験で出した太陽の速度についての考察が面白かった。
  • 今日は、早いものでELCASの実習最終日でした。今日は、太陽観測のまとめでした。いろいろなポイントの値をとってそれぞれのポイントの自転速度を求めました。太陽は位置によって速さが違うので、求めるのは面白かったです。今日は今までやってきたことが、いろいろわかって面白かったです。ELCASは本当に楽しくて、今日で終わるのが本当に残念です。半年間ありがとうございました。
  • 前回の実習のときは参加できていなかったし、前々回の太陽の実習のときはちゃんと理解できていなかったので、今日はみんなよりも時間がかかってしまいました。でも、今日の実習で太陽の各地点の速度を求めるやり方をほとんど完璧に理解できたと思います。太陽を観測するときに太陽の位置を調節したり、撮影するために太陽を導いたりできてうれしかったです。でも、太陽のある特定の場所を撮影するために導くのが難しかったです。今日でelcasの実習が終わってしまい、とても悲しい気持ちでいっぱいです。すごく楽しかったです。ありがとうございました。
  • 今日はいつもに比べると晴れていたので、太陽観測ができてよかったです。黒点がしっかり黒くかげみたいになっていて、黒点も観測できました。太陽の緯度によって、自転速度が変るのはとても驚きました。今日はじめて自転速度をだす計算ができました。今日でELCASの分野別体験コースが終わりましたが、最後に楽しい実習ができて、ほんとによかったと思います。終了発表に向けて、今までの実習をまとめようと思います。
  • 黒点が見えて良かった。前の時には微妙にしか分からなかった計算がだいぶ分かった。全員の結果を合わせると、結構きれいに対称になって感動だった。少しの誤差で結果が大きく変わるということを今までで一番強く実感した。

生物

戸部 博(植物系統分類 教授)

チューター:小森 晴香(修士)、山本 武能(修士)

実施場所:理学部植物園分館

 修了発表会へ向けて発表スライドを作成した。まず全員での話し合いによって発表の内容を決定した後、2~3人の班に分かれてスライドを作成した。OAは生徒からの質問に答えたり、Power Point の使い方や発表の流れに関してアドバイスを行ったりした。

修了発表会についての説明 スライド作成中①

スライド作成中②

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は実習最終回ということで、修了発表に向けての準備だった。前回のプレゼンは個人での発表だったが、今回はグループでの発表ということで、皆で話し合いながら進めた。やはり足並みがそろうまでは大変だったが、要領を得てからはかなりうまくできていった。皆で協力し合い、素晴らしいプレゼンをつくり上げたい。半年間、非常に楽しい講義と実習、本当に有難うございました。
  • 今日は最後の発表に向けてのプレゼン製作をしました。今までの成果を発表すべく今必死で作っています。妥協は許されません。協力していいものを作り上げたいと思います。次の旅行で最後だと思うと寂しいです。楽しんできたいと思います。
  • 今日の実習では修了発表での準備を行いました。修了発表の流れはすぐに決定したのですが、パワーポイントに書く言葉で意見が分かれ、作製にはかなりの時間を要しました。また、実習の時間は四時間だったので、この実習中に修了発表の準備が終了すると思っていたのですが、結局、さきほどの理由で、準備が終了しなかったので、発表の準備にはかなり時間がかかるなぁと思いました。
  • Power Point をこれだけ使ったのは、久しぶりだった。簡単に終わるだろうと思ったが、Power Point での作図は、大変だった。ほとんど手伝ってもらっただけあって、中々素晴らしい出来になった。いつか再利用したいと思う。【ELCAS永久不滅也】
  • 今日は、全体発表会に向けて、これまでのELCASでの活動をパワーポイントでまとめました。簡単にまとめられると思ったのですが、思った以上に難しく、なかなか完成しませんでした。今回でELCASが最後というのがすごく残念です。もっと、最先端の研究に触れていたかったです。今年でELCASが終了ということを聞いたのですが、本当でしょうか?もし本当なら、すごく残念です。これからの高校生にも、このような素晴らしい体験のチャンスを与えてあげるべきだと思います。是非、ELCASを復活させてほしいと思います!!【ELCASは永遠に不滅なり】
  • 今日はい今までのまとめをして、若干疲れてしまった。でも、今まで学んできたことを思い出すことができて良かったし、何かなつかしかった。約半年間だったけど、いろいろな知識を吸収できたし、違う学校の人たちと交流できて本当に良い経験になりました。ありがとうございました。
  • 実習の時は分かったと思っていても、まとめ直そうと思うと分らない事も多くあって、思いのほか苦労しました。ELCASも終わりと思うと寂しいです。
  • パワーポイントの作り方を学びました。パワーポイントはあまり使ったことがなかったので、たくさん困ったことがありました。それを親切に教えていただきました。パワーポイントで以前にやっとことのある実験や観察を振り返って作ることにより、より実験を理解することができました。今回でELCASは最後ですが、たくさんの良い経験をさせていただいて、とても感謝しています。合宿で良い発表がしたいです

化学

依光 英樹 (集合有機分子機能研究室 准教授)

チューター:林 慎也(修士課程2回生)、東野 智洋(修士課程2回生)

実施場所:理学部6号館863号室

前回行ったポルフィリン合成の後処理を行い、純粋なテトラフェニルポルフィリンを得た。このうち一部を酢酸亜鉛と反応させ、亜鉛錯体を合成した。合成したこれらのポルフィリンを用い、NMRスペクトル、紫外可視吸収スペクトル、マススペクトルの測定を行った。また、これらの測定からテトラフェニルポルフィリンのフリーベース体と亜鉛錯体の比較も行った。

 

反応溶液をアルミナカラムに通し、ポルフィリンを
わける。
ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し、
ポルフィリンを得る。
合成したポルフィリンと酢酸亜鉛を混ぜ、加熱還流
して亜鉛錯体を合成する。

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は4時間ずっと実験だった。はじめの方はそれなりに理解できたが、途中から難しくなってきて、あまり理解できなかった。試料を記念に持って帰ることができてよかった。最後の准教授の言葉がかなり印象に残った。
  • 多くのもののわけかたを多く知ることができてよかったです。アルミナを使ったポルフィリンの分離はとてもきれいな色をわけることができて楽しかったです。前に習ったNMRをはじめて実用しているところを見ることができました。芳香族性までわかると知って驚きました。
  • 分子量がすぐに測定できる機械を使って、実際に測定すると、ほとんど一致し、驚いた。ポルフィリンも、亜鉛などの金属錯体にすると少し色が変わり、おもしろいなと思った。また、芳香族性についても、高校で習わないこともたくさん教わり、とても勉強になった。
  • 今日は、なんか申し訳ないけど、超しんどかった。前にもあったけど、ずっと機械音が聞こえるところだと頭が痛くなる。周りのみんなは大丈夫だったのに。将来実験室にいられない体だと科学者は不可能だ。ELCASは科学者になるための講座なのにすいません。でも今まで楽しかったです。まだ、合宿はあるわけで、今までありがとうございました。
  • ポルフィリンはポルフィリンでも、亜鉛が入るだけで色が変わったり、性質が変わるというようなことを実際に見ることができてとても面白かったです。有機化学の実験では有機溶媒をたくさん使って溶質をとかしたりエバポレータで蒸発させたりして、操作がとても複雑だったけれど、変化が起こるのを見るのはとても興味深かったです。
  • 先週作ったポルフィリンにさらなる手を加えて様々な測定をしました。1つの物質でも様々な角度から観ることができるんだなと思いました。自分たちが作ったポルフィリンをろ過して結晶を取り出した時すごくキレイに光っていてとても感動しました。
  • 今日の体験型講座では、純粋なポルフィリンを取り出すためにロータリーエバポレーターを用いたり、ろ過したりと様々な段階を経てやっと純粋な物質が取り出せると知って、その手順を以下に省けるかを考えると化学の研究をする面白さを改めて見い出せました。記念に頂いたポルフィリン大切に保管し、周りの人にポルフィリンの説明をしたいです。