ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2009年2月7日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

森脇淳 教授
チューター:木村嘉之(博士課程 2回生),長尾有晃(博士課程 2回生)

実施場所:理学研究科 3号館 109号室

今後頻用することになるため、線型代数の初歩についてチューターが説明した。 具体的には、ベクトル空間の定義から初めて、一次独立・基底・次元、線型写像とその行列表示について解説し、行列の掛け算が写像の合成と対応していることを説明した。 また、2*2行列の行列式と逆行列の具体的な表示について述べた。

ELCASメンバー用WIKI・数学もご参照ください。より詳しい解説の記載があります。

受講したELCASメンバーの感想文

  • オイラーの証明の応用で使うということで、ベクトルと行列について説明してもらいました。抽象的で難しかったですが、自分で証明出来るよう頑張って理解したいです。
  • とても楽しかったです。新しい言葉の定義など多く大変ですが、これからも頑張ろうと思いました。
  • 今まで行列のかけ算は"ものすごく変なこと"だと思っていた。 でも今日、かけ算は合成を表していると聞いてやっと納得できた。 そう考えるとあんな作業で合成が表せるのがすごいと思う。
  • 行列やベクトルはまだ習っていないところだったので、分からないところがたくさんあったので、きちんと分かるようになりたいです。
  • 行列がなんとなくだけど、つかめた。
  • 行列が何を意味してなんのためにあるのか理解するのに戸惑いました。 具体的な問題を解けばもっとよくわかるかもしれないので少し見てみようと思います。
  • 高校とか塾とかと違った方向からベクトルを勉強できて良かった。そういうのもあるから抽象的な説明も嬉しいけど初めて知るものを教えてもらったときは、もうちょっと具体的な説明もあった方が分かりやすいからそういう説明も欲しい。

物理

今井 憲一 教授
チューター:佐田優太(修士課程1回生),酒向正己(修士課程1回生)

実施場所:理学研究科 5号館 511号室

前半は今井教授による特殊相対性理論の説明。相対論的効果により、モノの長さや時間の進み方が変わって見えるということを、数式を使い丁寧に説明しました。

後半は、シンチレーション検出器を使った、宇宙線の測定を行いました。原理説明を行った後、実際にオシロスコープを使って信号を確認しました。 次回以降、シンチレーション検出器を使った実験を進めていくため、セットアップを再現するには、実験メモを取ることが重要となることを教えました。

実際に実験をする際にはどの程度のメモを取ればいいのかを認識してもらうため、質問形式にて今回の講義について答えてもらいました。

今井教授による特殊相対性理論の説明

シンチレーション検出器

オシロスコープで宇宙線の信号を表示

受講したELCASメンバーの感想文

  • 相対性理論について完全にはまだ分かりませんでしたが、光速は変わらないので時間が遅く感じられたり、長さが短く見えるということは理解できました。
  • 大学ならではの実験用具を使う実験というのはなかなかできないので、そういったとこを最大限活用できるとういのは本当に自分にとって大切なことだと思う。また、相対性理論が自分とは縁の遠いものだと思っていたのに一日の説明でここまで明確に理解できるとは思っていませんでした。それだけに、とてもうれしく、貴重な体験だったと思います。
  • シンチレーション検出器で測定するのはとても面白かった。でかい板が絶対必要だと思ってたけど、入射窓があれば板がなくても測定できるんだということが分かった。相対性理論は、とても難しく、私だったら理解するのに何年かかるのかなぁと思った。アインシュタインは本当に天才なんだと実感した。
  • 今日は、半分、相対論の講義と、宇宙線の観測を行いました。相対論は本で読んだことがあるのですが、式の説明があって難しかったです。宇宙線の観測は、実習できて楽しかったですが、高電圧や壊れやすい機械ばかりなので、次、実習をやる時も気をつけたいです。
  • 相対性理論という、今まで全く知らなかったことを分かりやすく説明してもらったので、とても興味深かったです。これから胸を張って友達に説明できるくらい、自分でも勉強していきたいです。
  • 高度な検出器を用いて実験をさせてもらった。大学で実際に使用する器具で実験ができたのは、とても高いレベルのことを教えてもらっていると思う。相対性理論についての講義もしていただいだが、うわべだけの理論でなく、数式も交えた本質的な理解を深めることができた。

天文

柴田一成 教授

加藤精一 非常勤講師

野上大作 助教
チューター:西田圭佑(博士課程3回生),松本琢磨(博士課程2回生)

実施場所:花山天文台本館図書館

最初に、柴田教授により現代天文学における計算機シミュレーションの重要性と、微積分の概念、ニュートンの運動方程式についての講義が行われた。

次に加藤講師により微分方程式の数値解法についての講義と実習が行われた。実習ではシミュレーションに必要なソフトウェアの配布・インストールを行い、例題としてdx/dt=cos(t) をEuler法で解くプログラムを各自でコンパイル・実行した。

本日のプラン説明 サンプルプログラムの説明
 
プログラミングの実習  

受講したELCASメンバーの感想文

  • 授業では基本事項の確認から始まり、プログラミングで微分方程式を解くという内容だった。プログラミングで積分を計算する作業はしたことはなかったので新鮮な感じがした。相変わらずパソコン操作は少し苦手なので練習をしておきたい。
  • すごく難しかったです。家に帰って今日習ったことを復習しないときついなあとしみじみ思いました。シミュレーションは前からすごく興味があったので、今日出た宿題も頑張って完成させたいと思います。
  • 今日は微分などもならい、訳のわからないことばかりでしたが、丁寧な説明のおかげで、なんとなく(というのも失礼ですが)ですが理解できました。その後のプログラムのも面白く、実際にグラフで見ると凄さを実感できました。この回の実習はとても難しかったですが、充実していて面白かったです。
  • 今日は数学の知識も増えてよかった。柴田先生と加藤先生に教えてもらって、高度過ぎて焦ったけど家で頑張って挑戦したい。柴田先生が隣にいて緊張した。
  • 今日は微積分をやるということで、難しいのだろうかという不安があったが、基本的な所は既に高校で習っていたところだったので、まだ分かったが、Plato3 でプログラミングをするのはかなり難しい。慣れるように頑張ろうと思う。
  • シミュレーションに入って、いきなりレベルが上がったなーと感じた。なんとか、理解できそうな気がするけど、新しいソフトに慣れるのに、時間がかかるからなー。

生物

川口真也 助教
チューター:田中進介(修士課程1回生), 田村泰基(修士課程1回生)
実施場所:理学研究科1号館302号室

カルシウムイメージングを用いて海馬神経培養細胞の活動の観察を行った。

カルシウムイメージング  

受講したELCASメンバーの感想文

  • 神経は授業でやった時もよくわからなかったし、今日もよくわからなかった。
    いろいろと複雑で、でも今回の実習では、目で見てできたので、楽しかった。
    ふぐの毒はすぐに変化がでて、だから死ぬんだなーと思った。
    テトロドトキシンとか、あまり、日常的に使わない言葉だけど、早口言葉的でおもしろかった。 KClで人が死ぬとかの話はとてもおもしろかったと思う。
  • 神経細胞の動きを、パソコンを通してみると、思っていたよりも活発に動いていて驚きました。カリウム、テトロドトキシンなどを加え、動きを活性化させたり、抑制させたりすると、画面の色が変化して、おもしろかったです。自分たちの脳でも今日やった物質を入れると、このような活動をするということや、日常的なことを考えると、神経の動きというのは重要なことだというのがわかりました。まだまだわかっていないことがいろいろあるそうなので、これからどのような発見があるのか楽しみです。
    研究室の見学もさせていただいて、運動能力の鈍ったネズミを見せてもらったことや器具を紹介してもらったのも面白かったです。
  • ネズミのしっぽがパタパタゆれるのがかわいかった。
    頭がい骨ってくっつくものなんですね…。
  • 今日は神経細胞に、カリウムやグルタミン酸やテトロドトキシンなどを入れて、その蛍光を観察しました。
    カリウムを入れて赤くなったり、テトロドトキシンを入れて青くなったり、変化を 見るのが楽しかったです。
    運動おんちのネズミと、普通のネズミを比べてみるのも、新しかったです。
  • 今日はTTXとかを使いました。 細胞が爆発しておもしろかったです。
    あとはGABAとか使っておさえたり、カドミウムでさいぼうを殺したりして、見れないものをみれてよかったです。
    あとは、運動おんちのねずみをみました。想像とは全く違うくてとてもかわいかったです。でもあれが殺されちゃうんやとおもうとかわいそうになりました。 神経細胞ってもろいんやとおもいました。
    細胞に水をかけると壊れることが初めてわかりました。
  • Ca2+の濃度が神経の働きに深く関わっているみたいなのが理解できた気がします。
    シナプス可塑性とかでCa2+イオンの量の増大が起きるしくみとかももっと詳しく知りたいと思いました。
    カルシウムイメージングで、グルタミン酸とかテトロドトキシンを加えたときに神経がどう反応しているかを実際に視ることができて、とてもわかりやすかったです。
    GABAは食べてもあまり意味はなさそうですね。
  • 神経細胞の活動を見ました。
    カリウム(←KCl)を入れると、動きが活発になり、パソコンで見ていた細胞の様子が急に変わって、脳の指令がどのように伝わっていくのか、動きが見れて、自分たちの脳の中でもあんなことが起こっているということがわかりました。テトロドトキシンを入れると、一瞬で細胞の動きが止まり、脳の動きが止まるのって、こんな一瞬で起こることを知りました。ネズミを見れたのうれしかったです!