ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2010年9月4日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:広瀬稔(修士課程2回生)、竹内 光(修士課程 2回生)、佐藤信夫(修士課程 2回生)

実施場所:理学部5号館

自己紹介およびテキストの配布を行った。来週からは第一章(素数が無限にあることの証明)を勉強していくので、その分担を決めた。素数が無限にあることの証明を知っている高校生がいたので、前で発表してもらった。

   

受講したELCASメンバーの感想文

  • 自分では分かっているつもりでも、まったくその内容を分かってはいない人の前で発表することの難しさを知りました。
  • 素数の無限性の証明は久しぶりに見たのでちゃんと証明できるか不安でしたが、一応覚えていたのでよかったです。できるのかわかりませんがほかの番号の証明にも挑戦してみたいと思っています。
  • ぐだぐだやったけど、楽しかったです。英文やるとは聞いていたけど、和文くれると思ってたからショックです、笑
  • 素数が無限に存在する証明は難しかったがおもしろかった。素数についての興味がわいたので次回からも頑張ろうと思った。
  • 英文を訳しながら進んでいくということで、楽しみな反面不安でもあります。がんばりたいです。
  • 英語なのがびっくりしたが、がんばってみたい。一回目はぐだぐだだった。

物理   

常見 俊直(研究員)、米澤 進吾(助教)

チューター:渡邉 大樹(学部4回生)

実施場所:理学部5号館511号室・タンデム加速器実験棟

全員自己紹介を行った後、タンデム加速器実験棟を見学した。最後に教室に戻り、ガウス加速器の原理を応用して鉄球をどこまで加速できるか競争した。

 
タンデム加速器実験棟の見学 電磁誘導で落下速度が遅くなる現象を観察
ガウス加速器

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 第三期ELCASが始まりました!これからどんなことをするのか、とても楽しみ
  • 遠くから着ている人が多いです。
  • 加速器について説明も聞けて面白かった。色々な場所からメンバーが来ていて驚いた。皆楽しそうな人なので協力して頑張っていきたい。
  • 初めは緊張していましたが、みんな感じがよくいい雰囲気で初日を終えることができました。楽しみながら知識を得るとともにここでしか味わえないものをどんどん吸収したいっです。半年間、よろしくお願いします。あっ、あと常見さんぐらい自己紹介が上手になりたいです。
  • 磁石を使った実験ではみんなが楽しめて良かったと思う。
  • 加速器を初めて見てとても感動した。映画とかドラマとかでしか見る事がない物を見るのはとても興奮 ・研究室の様子を見たけど僕が想像した通りの感じだった。工具とか機材がいろいろなところに置かれていて、すごそうなパソコンとかびっしりつまった配線は映画のワンシーンみたいだった。 ・ガウス加速器は「ガリレオ」というドラマでやっていたので原理は知っていたが、実物を見てとても興奮した。連段でするとあそこまで速くなるのかとびっくりした。とても楽しかった。
  • 加速器を見られてよかったです。たのしかったです。
  • 磁石や鉄球を使って速度を上げる実験はとても楽しかったです。動やったらもっと速い速度がでるか考えてみたいと思います。
  • 最後にやった実験が一番面白く、実験はやはりいいなと思った。自分の考えたやり方でうまくいったのが嬉しかったが、相手のチームに勝てなかったことが無性に悔しかった・・・・。

天文

野上大作 (附属天文台 助教)

チューター:前原 裕之(教務補佐員)  志達 めぐみ(修士課程1回生)

実施場所:花山天文台

花山天文台に宿泊して、散開星団のM52をB,V,Icの3種類のフィルターを使って撮像した。その後、撮像した画像を一次処理し、次回以降の解析で使用する画像の作成を行った。

このほかに、花山天文台のさまざまな望遠鏡の見学や45cm屈折望遠鏡での木星の観望も行った。

望遠鏡を使って天体(M52)の画像を撮像。 45cm望遠鏡で木星を観望。
撮影した画像をコンピューターを使って一次処理を行い、解析に使用する画像を作成。

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今回の天文分野の体験学習コースで最も印象に残ったのはM52の観測でした。僕がこれまで持っていた天体観測のイメージはレンズを覗きつつ主導で望遠鏡を動かすというものでしたが、今回の観測ではすべてコンピューターによる制御で、しかも解析もコンピューターで行うという点で、いままでの自分のイメージとは違って驚きました。天文学と云ってもコンピューターが中心的役割をはたしているんだなあと思い、コンピューターの重要性がよくわかりました。天文学に限らず、理系でコンピューターは不可欠だと思うので、しっかりコンピューターについても学び、使いこなせるようになる必要があると実感しました。
    また、実際に天文台で木星の観察もさせていただきました。僕にとっては天文台での観測は初の体験であるとともに、木星を見るのも初めてでした。衛星や木製の縞模様まで見られて本当によかったです。
    その他、研究者の方や大学院生の方から聞いた話で印象に残ったものがあります。それは英語が重要であると云うことです。僕はそれほど英語が得意ではありませんが、理系の世界では論文の読み書きはすべて英語だという話を聞いて、研究者を志すなら、英語を母国語のように使いこなせないといけないなと強く思いました。
    僕は京都はよく訪れますが、なかなか天文台に訪れる機会はないので、今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました。
  • 望遠鏡などを実際に見て、自分で覗いて、そしてそのデータ解析、本当に貴重な体験をさせていただきました。
    あの望遠鏡はとても大きく古いのみ、まだ使えるなんてすごいなとびっくりしました。階段をのぼるのが怖く、体ががちがちでしたが、きれいな木星と衛星が見えた瞬間は感激でした。
    データ解析は私はパソコンが苦手なので、少し苦しかったですが、本当の科学者はこういう作業がほんだと聞き、現実はきびしいなと思いました。でもノイズなどを除いていくときれいな星の写真があらわれ、何度も難しい数式を打ち込んだかいがありました。
    第一回目の体験学習コースは、大変濃く充実した内容でした。みんなとも仲良くなれて、楽しかったです。ありがとうございました。
  • 今回は第一回ということでどんなことをやらしてもらえるのかとわくわくしていました。まさかあんなに夜遅くまで内容の詰まったものだとは予想していませんでした。
    初めてあんなに精密な機械を使った観測ができて楽しかったですし、良い経験になりました。これからもこんな感じの入込んだ内容だと思うとわくわくします。
    今日は夜遅くまでかかって大変でしたけど、やりがいのある楽しいプログラムでした。次回も楽しみにしています。
  • 花山天文台へやってきました。初めに施設見学をして、すべてにおいてことがダイナミックで感動した。昔のものが残っていたから、人間の知恵にも感動した。
    実際に外での観測は割と簡単なものだったが、その画像の処理が今までしたことのない感じでとても苦労したというか難しかった。
    木星を見たことはすごく思い出になった。衛星まで見えてすごくうれしかった。
    夕食のとき、いろいろな話を聞くことができてよかったです。
  • 今回の体験学習から、まず天体観測からフィルターが違うと見え方が違うということと、10秒、20秒、30秒、60秒で測ることで見え方が変わってくるということを知りました。
    また、先生の話からブラックホールが噴射するガスが光速を超えているように見えるが、実は超えていないという話は驚きでした。
    他には様々な体験をたくさんさせていただきました(流れ星が見えたり、野生のフクロウを初めて見たり、木星や3つのガリレオ衛星を見ることができた)。
    また次の観測のときに一生に一度しかできない体験ができたらいいなと考えたりしました。
    その後のパソコンを使った作業はとても目が痛くなりましたが、観測した写真の違い等を見ることができ、素晴らしい体験をできてよかったと思いました。
  • 今日はいきなり合宿でしたが、45cm望遠鏡での木星の観測はよく見えて感動しました。
    星団の観測後の解析は想像を超えるしんどさでしたが、それだけに最後に完成した時は達成感がありました。

生物

長谷 あきら (植物生理学 教授)

チューター:衣幡 春映(修士過程1回生) 

実施場所:理学部2号館113号室

①葉緑素の抽出(材料:ダイコン)

 光を当てて生育させたダイコンの子葉と光を一切当てない子葉から葉緑素(クロロフィル)を抽出し、蛍光スペクトルを測定した。

②葉緑体運動の観察(材料:ガボンバ)

 ガボンバ(水草の一種)に光を当て、葉緑体が光の方向に集まる様子を観察した。

③植物の光屈性の観察(材料:ダイコン)

 暗下で生育させたダイコンの実生に数時間光を当て、光の方向に曲がっていく様子をカメラで撮影し、早送りでその動きを追ってみた。

共焦点レーザー顕微鏡で葉緑体運動を観察 赤色光を当て葉の表面に集まってきた葉緑体の様子(ガボンバ)
実生が光の方向(右側)に曲がっていく様子(ダイコン)

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 普段使わないような精密な機具を使い、非常に高度な実験を体験でき、とても有意義だった。特に、葉緑体の運動に関する実験はとても興味深く面白かった。葉緑体は光に集まる習性があることは何となく知っていたが、あまりにも光が強すぎると逃げると聞き、とても意外に思った。実際に顕微鏡で見ると、葉緑体の数は強い光に当てた方が、そうでない方に比べ明らかに減っていて、少し感動のようなものを覚えた。次回の講座がもう今から楽しみである。これから半年どうぞよろしくお願いいたします
  • 葉緑体をしっかりと顕微鏡で見たのは初めてだったので嬉しかったです。葉緑体が強い光から逃げて移動するなんて夢にも思っていなかったのでその様子を観察できてよかったです。光を当てずに育てると、子葉にクロロフィル(葉緑体)がほとんどつくられないというのにも驚きましたが、1時間の短い間でも光にさらすことで、クロロフィルがつくられるというのにはもっと驚きました。今回の実験はとても楽しかったです。また、もっとたくさんの最先端の機械にふれられたのもとてもよかったです。次回も楽しみにしています。
  •  初めてなのでどんなものだろうかと思いましたが、結構楽しく、興味深いものだったのでかなり満足しています。特に、顕微鏡で葉緑体の運動を観察するところがとても興味深く思えました。葉緑体には青の光センサーと赤の光センサーのどちらも存在するのに、青の光センサーは、葉緑体を動かし、赤の光センサーの方は、核内に入り込むことができて、両者共に、もう片方がやっている役割を行うことができないというのもなかなか不思議なものでした。僕はもともと恐竜などの古生物や動物が好きなのですが、今回で植物の面白さというものも分かってとても良い機会になりました。
  • 藻類の葉緑体の運動に関して、あのうようなモノを見るのは初めてであり、とても良かった。ミトコンドリアの運動や分裂の実験の講義を以前受けた時、葉緑体の場合について、興味を持ったので、この実験はちょうど良かった。又、久しぶりに分光光度計を使った実験を行い、以前とはまったく違うクロロフィルが試料であったので、当然結果のグラフが異なり、良い体験になったと思う。
  • ・ オープンコアで聞いた話に関する実験であったので、講座の内容を深めることができて良かったです。
    ・ 細胞内で起こっていることが、先生との会話によって具体的になっていき、とても分かりやすく、かなり深い部分まで考えることができました。実際に先生と対話ができるこの体験コースに入ることできて本当に良かったです。これからも、積極的に頑張っていきたいと思います。
    ・ 葉緑体は光合成するためのもの、としか知らなかったが、今回の学習で、光センサーや光呼吸、色素とタンパク質の関係などを知ることができ、葉緑体に対する理解が深まった。また、葉緑体のことだけではなく、それに関連した話についても聞くことができ、とても有意義にすごすことができました。ありがとうございました。
  •  初めはクロロフィルが何かということも分からなくて、実験も意味が分からないだろうと思っていました。実際、何で赤と青の光に当てているのかとか、何を調べるつもりなのかを理解するのに必死で、結果を予想することもできなかった。でも、青の光では、葉緑体が逃げるということは顕微鏡で見たら分かったし、色の違いで葉緑体の動きが変わることにおどろいた。でも何で、赤では動かないのに青では動くのかがあまり理解できなかった。また、葉緑体の中のクロロフィル濃度は、暗い所と明るい所では、けっこう大きな差があることが分かった。
  • 青い光と赤い光に藻を当てて、葉緑体の動きを見た実験は、葉緑体を見るだけなら、学校でも見たことがあったが、光の色であんなに移動するとは驚いた。赤い光の方が青よりも影響力がありそうなのに、赤い光の方は影響を与えないのが面白かった。クロロフィルの抽出の実験は、1つだけ葉が大きく、期待していた結果とは少し違っていたが、ほんの1時間ぐらいで、クロロフィルが2倍〜3倍に増えていた。もっと長時間光を当てたら、どのくらいの割合で増えていくのか見てみたいと思う。今日、初めて大学の研究室に入って、見たこともないような機械や、顕微鏡もいくつかあったので、何に使うものなのか、また教えて下さい。
  • 最初は、藻の先をピンセットでつまんで容器に入れて、赤い光と青い光の中にそれぞれ入れました。プレパラートにした後、観察すると、赤い方は葉緑体がつまっていて、青い光の方は葉緑体がスカスカでした。同じ強さの光なのに、どうしてそんなに差が出てしまうのか、説明をよろしくお願いします。パソコンで写真を重ねて見るのも初めてで、とても興味深かったです。
      暗い場所での実験は、光もないのにどうやっているのだろう?と前から思っていましたが、緑の光を当てて実験するらしいです。驚いたのは、植物は緑色なのに、なぜか緑の光を吸収しないということでした。植物自身は緑色だから、緑の光をたくさん吸収している、という単純な考えをくつがえすようで、やはり植物は奥が深いなあと思いました。
      最後のクロロフィルの抽出を見たのは、やはり光を当てている方が反応が大きいのだなあと思わせられました。先生の思ったような結果が出なかったようですが、光を当てることで2倍くらいの差が出るのはやはり凄いことだと思いました。次も楽しみにしています。

化学

道岡 千城 (金相学研究室 助教)

チューター:那波和宏(博士課程1回生)天野晶文(修士課程1回生)

実施場所:理学部6号館化学系学生実験室

 当研究室における実習では超伝導に関する講義と超伝導化合物の合成、超伝導物質特有の性質であるマイスナー効果を体験するための実験を行う。

 今回の実習では超伝導化合物YBa2Cu2O7-d(YBCO)に関する簡単な講義を行った後、その合成を行った。原料物質の秤量及び混合、ペレットの作成、電気炉を用いた固相反応の開始がその内容である。

 次回は超伝導に関する講義と合成した化合物の浮上実験を行う予定である。

 
実験開始前の講義  
 
   

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は、超伝導体を作る工程をしたけれど、高校ではアセトンを使って器具をふくようなことはしないので、少し驚きました。(改行)超伝導の物質を作ったのは初めてなので、試薬が複雑で、少し戸惑いました。初めてのことばかりだったので面白かったです。
  • 始めはわかりづらく難しい説明でした。(改行)超伝導の物質を作ったのは初めてなので、試薬が複雑で、少し戸惑いました。初めてのことばかりだったので面白かったです。しかし、いざ実験が始まると分かりやすく教えてもらっておもしろい実験でした。(改行)理論も大切だけど、やっぱり実験は大切だと思いました。
  • とても本格的ですごく感動しました。重さをはかるのが一番難しいと感じました。その他の作業もとても慎重で将来研究者になった時こういう事に気を付ければいいのかという勉強にもなりました。(改行)この分野についてもっとさらいしゅうまでに予習などをしておこう!!と思いました。
  • 金属系の化学で、超伝導物質を造るために金属化合物をはかりとってまぜてかためました。(改行)5月ごろに科学技術フェスタで超伝導物質の実験をしたのでそのようなことを自分でつくったものでできるのかたのしみです。
  • 超伝導は聞いたことがあり、写真で見たことはあったが、実物を見るのははじめてだ。うまくいっていてほしい。(改行)知らない薬品がたくさん出てきて、とても興味深かった。(改行)実験の過程で、一つひとつアセトンでふくのが面倒だった。
  • 初めての実習と実験でしたが、教授と大学院の方々の丁寧な説明のおかげでちゃんと実験ができました。(改行)研究室という所にも初めて入って新鮮でした。(改行)そして高校では普段見られないようなものも実際に使えて良い経験になりました。