ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2009年9月19日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

森脇淳教授

チューター:丸橋広和(修士課程 1回生),竹内光(修士課程 1回生),広瀬稔(修士課程 1回生)

実施場所:理学研究科3号館109号と6号館609号

素数が無限にあることの証明を高校生に発表してもらった。特に対数関数を使う方法と、フェルマー数を使う方法について説明してもらった。

受講したELCASメンバーの感想文

  • 他校と比較して、自校の進度の速さに気がついた。 知らないことが沢山あるだろうからまだまだ勉強していきたい。
  • 今日はいきなり最初に証明を当てられて緊張してしまいました。 担当の証明をしっかりと準備しておいたつもりだったのに、いざ説明を見てもらうと、いろいろと問題点があることが分かりました。 けれども最後の方は少しは説明するのも慣れて、すんなり進めることができてよかったです。 今後も吸収できることを吸収しながら成長していきたいです。
  • 新しく出てきた定理などをもっと自分で説明できるくらい理解しておかなければならないな、と思った。 証明の仕方なども、もっと勉強すべきだと思った。

物理   

今井憲一教授

ボランティア:常見俊直(研究員)

実施場所:理学部5号館511号室

加速器の概要を講義したあと、加速器タンデムを見学した。また、磁力で加速するガウス加速器のキットでの加速、隙間テープを机の上においてのガウス加速器用のレールの制作を行った。また、ガウス加速器のレールの終わりには、速度測定器を配置し、加速された球の速度測定を行った。

   
タンデム加速器のコントロールパネル隙間テープで大きなレールづくり
ガウス加速器の長いレール

 

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • タンデムの見学に行きました。初めて本物をみて感動しました。そのあとガウス加速器で鉄球の個数を変えて実験しました。それを式にしたものも教えてもらい、磁石と鉄球の位置、エネルギーの関係が分かって面白かったです。
  • 今回は、「加速」がテーマで加速器のタンデムでガウス加速器についてでした。これらのような様々な加速の原理は、磁場も電場も同じ原理の基にあり、特にガウス加速器については、ネオジウム磁石と鉄球の衝突実験によって、どのようなものか知ることができました。
  • ガウス加速器楽しかったです。すきまテープの実験はもっと正確に計測したかったです。
  • ガウス加速器の実験をした。速度を測った後、理論的に数値を求めようとしたけど、時間が足りなかった。でも、とても楽しかった。

天文

野上大作助教

チューター:前原裕之(研究員)、西田圭佑(研究員)、西塚直人(博士課程 3回生)、田中淳平(修士課程 1回生)

ボランティア:石井 貴子(研究員)

実施場所:花山天文台

昼はシーロスタット望遠鏡を用いて太陽の分光観測を行った。また小型望遠鏡でHα線による太陽の眼視観測、4次元デジタルシアターの鑑賞、天文台施設の見学等を行った。夜は花山天文台に宿泊し、25cm 反射望遠鏡と分光器を使って、様々なタイプの星の分光観測を行った。

シーロスタット望遠鏡で、太陽光を室内に
導くために反射鏡の向きを調整している
シーロスタット望遠鏡で太陽の分光観測を行った

25cm望遠鏡を用いて恒星の分光観測を行った

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 盛り沢山の体験ができて楽しかった。天文台のことが前よりわかった気がする。太陽の分光がきれいだった。Hの色は赤や、Feは緑になるなどの話は炎色反応と何か関係があるのかなと思った。片付けで小屋が動いたのはびっくりした。鏡を動かすのが少し難しかった。赤い太陽を見るのが面白かった。最初は縁がゆらいでいるとしか思わなかったが、後に毛くらいのプロミネンスが見えた時は感動した。4Dが面白かった。宇宙の構造があんな風になっているとは思わなかった。解析がもっと進んで、宇宙の最初が分かったらいいなと感じる。また見たい。木星の輪と衛星が見られてうれしかった。縞模様はあまり見えなかったが、色がよかった。台がくらくらしたが、よく見えた。輪の細さが特に気に入った。夜の観測もよかった。カシオペヤ座を初めて認知した気がする。オリオン大星雲やスバルなど、すごくよかった。ただ北斗七星が見えないのが残念だった。貴重な体験がたくさんできて本当によかったと思う。今後も楽しみだ。
  • 昼間の太陽観測のときに、ふたを閉めたり位置を合わせたり、初めてのことがとても多くて、楽しく学ぶことができました。小屋が動いたのにもびっくりしました。夜の星の観測は、周りが暗いこともあり、星がきれいに輝いていて最高でした!!「すばる」も見られたし。みんなとの距離もすごく縮まったと思います。またやりたいと思います。屈折望遠鏡で木星を見られたのも良かったです。次も楽しみにしています。
  • 今日はー…。宿泊で夜まで観測しました。仲良くなれてよかったです♥ 星は木星とかWの真ん中のやつとかで見られて、ほんとにきれいでした。
  • 星空がとてもきれいだった。2週目とは思えないほどみんな仲良くなったと思う。
  • 宿泊しての観測実習ということで、楽しく体験することができました。夜中は眠くてなかなか観測の説明が聞き取りづらくて大変でした。今回はどちらかというと研修というより、同じ分野の人たちと話ができて親睦を深める交流会のように感じました。次回はもう少し研究の方に本腰をいれて、きっちりやろうと思いました。
  • 初めて参加した日なので、みんなと仲良くできるか不安でしたが、とても仲良くなれてよかったです。また、実習の方もとても楽しくて、星もとてもきれいに見えました。とても楽しかったです。今回は星の名前も位置もあまり分からなかったけど、次からも頑張って覚えて、来年の夏になるまでには星の位置をちゃんと説明できるようになるまでレベルアップしたいです。次回の実習も楽しみにしています。
  • 泊りがけで天文の実習ができるなんて滅多にないことなので、すごく充実した時間をすごすことができた。天体観測なんてこれからもそうできることではないので、今日のことは一生の思い出にしたいと思う。

生物

西村いくこ教授

嶋田知生講師

チューター:島田貴士(博士課程2回生)、後藤千恵子(修士課程1回生)

ボランティア:上田晴子(研究員)、河本恭子(研究員)

  

実施場所:理学部2号館223,224,225,232号室

西村いくこ教授の授業

シロイヌナズナ種子の無菌播種

パーティクルガンによるタマネギ表皮細胞への遺伝子導入

共焦点顕微鏡による植物細胞の観察

電子顕微鏡によるシロイヌナズナ種子の細胞微細構造観察

樹脂ブロックサンプルからの準超薄切片の作製および観察

研究室内見学

シロイヌナズナ種子の無菌播種 共焦点顕微鏡による植物細胞の観察
実習のまとめ

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 高校にはない器具を使わせてもらったので,貴重な体験をしたと思う.核やサイトゾルの染色したものを見るというのははじめてで,見栄えもよく,楽しかった.遺伝子銃を引く力のタイミングが難しく,手間取った.切片をつくって,スライドガラスにのせるという作業は難しかったが,個人的には上手くいったと思う.
  • 今日は,主にシロイヌナズナを使って細胞のことについて,色々な事を教えてもらって本当に勉強になりました.ぼくは,細胞の事については,生物をまだしていなかったので,分からない事が沢山あると思っていましたが,実際,説明などを聞いていると,どの方も,とても分かり易くていねいに説明をしてくれたので,特に悩むことも無く1つ1つの作業を行うことができました.また,ふつうの生活では体験できない様な,遺伝子銃や電子顕微鏡などを使わせてもらったので,とても新鮮な気分も,興味深いことも多々あって楽しく学習することができました.次は,また別のところということで,寂しい気持ちもありますが,準備を含め,今日,多くの事を体験させてくれてありがとうございました.
  • 初めて電子顕微鏡を見て,最初に思ったことは大きいということでした.操作もさせてもらってすごく貴重な体験でした.シロイヌナズナの種をまくことは種がものすごく小さいのでつまようじの先についているかどうかを見ることさえ大変でした.いくつかまいていると慣れてきて楽しくなってたくさんまいてしまいました.大きくなったらプランターに移して育てたいと思います.でも少しでもカビの菌が入ったりするとかんてんの中には栄養分がたっぷりと入っているので増殖して大変なことになるみたいなので,そのときは救出したいと思います.自分で試料(プレパラート)を作ったりしてみて思いがけないことが難しかったりしていろいろ勉強になりました.今日指導して下さった方々,本当にありがとうございました.
  • 私の好きな細胞などを見るものだったので,とても楽しかったです.電子顕微鏡を初めて使ったのですが,あんなにきれいに見えるとは思ってもいませんでした.クリーンベンチのシロイヌナズナの種を植える作業は,種子がとても小さくて難しかったです.顕微鏡は学校にあるとても小さなものしか使った事がなかったので,ライトの光を何種類も変えられるのに,小学生のようにウキウキしながら見てしまいました.分子生物学は,生物学の中でも今,研究が盛んな分野だと聞いたことがあります.私は,最初にも書きましたが,この分野にとても興味があるので,もっと多くの事を勉強したいと改めて強く思いました.
  • 今,学校の生物の授業で細胞の勉強をしているので,分かる!ことも多く理解が深まりました.今まで光学顕微鏡しか使用したことがなかったので,今日電子顕微鏡というまさに”最先端”に触れることができ感激でした.電子顕微鏡で観察するものは死んでいるということが驚きです.昨年,下村さんがノーベル賞を獲得されましたが,GFPの意味など難しいことも多く,よく理解できていませんでしたが,今までばらばらだった知識が今日の観察で1つにまとまったように思います.私自身特に興味ある分野でもあり,すごく充実した4時間はあっという間でした.今日はありがとうございました.

化学

吉村洋介講師

チューター:辰巳怜(修士課程2回生)

実施場所:理学部6号館369号室

気体の熱伝導と分子運動をテーマに講座を開催した。まずは,熱伝導現象を分子運動論の立場から説明した。特に,分子運動の状態を決定する因子としての温度の重要性を再び指摘した。その後,比較的簡易な実験装置を高校生自身で作成してもらい,それを用いて気体の熱伝導度を調べてもらった。実験の主な目的は,気体の熱伝導度の圧力(密度)依存性や,気体の種類による差異を調べることであった。なお,実験装置に用いたサーミスタは温度計としても用いられるため,その関連として熱電対を用いた温度測定も体験してもらった。

ガスバーナーの炎の温度を熱電対で測定。(1200℃) 気体の熱伝導度調査用の実験装置を作成中。
実験装置の電気回路の構成に関して白熱した議論を展開する高校生と吉村先生。

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日の「熱伝導について」は,とても分かりやすくておもしろかったです。今までの熱伝導に関する知識が間違っていたと知り,びっくりしました。実験は成功し,見事にできたグラフを見たら,より一層理解できました。休憩時間には,先生方にいただいたシュークリームを食べながら,メンバーの方々とより仲良くなれました。次回も楽しみです。
  • 今日も実験は失敗してしまった。やはり,教科書に載っているような簡単そうな実験でも,やってみたらかなり難しいということがわかった。失敗して残念だが,次回までにその原因を考えてみたい。
  • まだ高1なので,分からないことや習っていないことがたくさん出てきて,とても難しかったけれど,勉強になりました。シュークリームおいしかったです。
  • 前回休んで心細かったのですが,みんなと話せて良かったです。曖昧にしか分かりませんでしたが,実験の回路を作るのは楽しかったです。家に帰ってから,もう一度理解しようと思います。シュークリームごちそうさまでした。
  • 電気回路の作成がとても難しかったが,何とかうまくできた。しかし,データ処理の点で失敗してしまった。時間があったら,回路の点から見直したい。
  • 今日は初参加でしたが,本当に貴重な体験ができて良かったです。最初の理論から発展していくと,どんどん分からないことが増えてきて大変でしたが,理解できるように帰ってからも色々と調べてみたいと思います。実験装置の回路から手作りしたり,実際にサーミスターや熱電対の性質を体験したり,普段学校ではなかなか体験できないことができたので良かったです。
  • 本日の実験は,私があまり深く掘り下げていない内容だったので,理解できていない所,先生とチューターさんが,丁寧に教えてくれたので,最終的には何とか理解にこぎつけました。でも,すごく実験自体は面白く,好奇心のくすぐられるものばかりで有意義かつ充実した時間を過ごせたと思います。