ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2010年3月20日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:丸橋 広和(修士課程 1回生)、竹内 光(修士課程 1回生)、広瀬 稔(修士課程 1回生)

実施場所:理学部3号館109号室

今日でカードのシャッフルに関する数学の章が終わった。Strong uniform stopping rulesなど少し考えにくい概念や、確率分布など見慣れない言葉が出てきてとっつきにくかったのではと思う。分かっている子と、よく分かっていない子の差が出た章かとも思った。もっと消化しやすくなるようなコメントをしていきたい。



受講したELCASメンバーの感想文

  • 少し理解はできた。けど、知らない事を少しされるだけでついていけなくなった。頑張ります。
  • 今日で確率が終わりました。とても考えにくく、難しかったです。次からは違うChapterに入るので、しっかり頑張っていきたいと思います。
  • 頑張って聞いたのでいつもよりも多く理解できて、勉強になり、また楽しかったです。このような証明の方法を思いつくなんてすごいと感動?しました。
  • 今日は発表する番だったが、学校のテストなどでほとんど手をつけられていなかった。しかし比較的簡単で理解しやすいところだったのでよかった。
  • Strong uniform stopping rulesをやった。のべ15時間くらい家で予習したが、発表はあまりうまくいかなかった。悔しい。次回はがんばる。

物理   

常見 俊直(研究員) 

チューター:野沢 勇樹(学部4回生)、渡邉 大樹(学部3回生)

実施場所:理学部5号館511号室

前半は明るさによって抵抗が変わるCdSと、2電位を比較するコンパレーターを用いて、ある基準電位以上の電位がかかった場合にLEDが光るようなセンサーの回路図を考えて、実際にCdSセンサーを作った。後半は荷電粒子が通過すると光を発するプラスチックシンチレーターを、樹脂と溶剤と触媒を混ぜて作った。

 
CdSセンサーの説明
CdSセンサーの回路図を設計 シンチレーターづくり

 

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • センサーづくり難しかったです。シンチはねばねばで大変でしたが、貴重な体験ができて楽しかったです。シンチの中に入れた光ファイバーが折れてしまって残念です。
  • センサーづくりは自分で回路を組むのが難しく、いろいろと問題が起こって大変でした。プラスチックシンチレーターは14日後にどうなっているかがとても楽しみです。
  • コンパレーターとレギュレーターの使い方を聞いて「暗くなったら光るセンサー」の回路を自分で考えました。初めてだったので難しかったけど、最後にはうまくいきました。すごいうれしかったです。
  • 今回はCdSを用いた、光を感知してLEDを光らせたりする回路を製作しました。今までとは違ってL自力で回路を考えるところから作ったのでなかなか大変でしたが、やっとのことでうまく動作してくれた時はただはんだ付けしたときとは違った達成感がありました。
  • また、シンチレーターのResinを溶媒に溶かして固めて作るという、この上なく大変な作業をしました。手がシンチまみれになってしまったのでえらいことになってしまいましたが、ひとまずうまく型に流し込めたので、後はうまく固まってくれて、そのうえ宇宙線を観測できたらと思うと、次回が大変楽しみです。
  • 今回はシンチレーターを作ってみるということで、非常にベトベトになりました。あまりの不快感ゆえにペンを持ちたくない…でも、楽しかったです。2週間後が楽しみです。
  • 明るさを変えたときにLEDが光る回路を考えました。難しかったです。途中になってしまったので、次回考えたいです。そのあとResinに触媒と溶剤を混ぜ、次回の準備をしました。手や服にResinがつきまくって、紫外線をあてるといたるところが青く光ります(泣)ちゃんと固まってくれてるといいなと思います。
  • 回路を考えるのはすごく難しくて、それぞれのパーツの役割を理解するのが精一杯でした。
    液体シンチレータを作るのは前からすごく楽しみだったので、わくわくしました。シンチレータは透明ですごくきれいで、匂いも強烈でした。 固まってくれるのが楽しみです。

天文

岩室 史英(准教授)

チューター:河手 香織(修士1回生)

実施場所:理学部一号館531号室

前回の実習で扱った光学の基礎原理をもとに、 今回は光学系セットを使用して、各種干渉計の原理となる干渉実験を行う。 さらにそれがどのように天文学に役立つかを解説する。
①干渉計望遠鏡:紙に複数の穴をあけて、干渉させる。
②測定装置としての干渉計:フィゾー干渉計を再現し、空気揺らぎ等も確認する。
③マイケルソン干渉計:干渉計を再現し、物理学的な背景の解説も行う。
④その他の干渉計:フーリエ分光器、ファブリぺロー分光器の解説を行う。

実験開始 干渉望遠鏡の原理に挑戦く
フィゾー干渉計の干渉縞が遂に完成

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 干渉縞を作るのが難しかったが、面白い実験だった。
  • 実際に実験を行うと、とても短く感じます。前回よりも参加者が多くて、寂しくなくて良かったです。
  • 干渉縞の実験はちょっと難しく、チューターさんや先生に何度も助けを求めてしまった。なかなか縞が出なかったが、微妙な変化で瞬間に縞がはっきりと現れすごく感動しました。あの現れた時というのはなんともいえない興奮があります。昔、野辺山天文台に行ったのですが、その時、なぜこんなにアンテナのような建物があるのかと不思議でした。しかし今日たくさんあることの意味が分かりすっきりしました。幼い頃の素朴な疑問がELCASで解けるのが多く嬉しいです。珍しいマイケルソン縞などが見られて楽しかったです。今日はありがとうございました。
  • 久しぶりに高校生でやるような実験でとても楽しかったし、話もとても分かりやすかった。またこのような光の実験をやりたいです。
  • 昔学校の授業でマイケルソン干渉計を習った事があるが、今日、実際に作ってみて、そして光が波の性質を持つ事が確かめられた時は嬉しかった。特に出すのが難しい方の干渉縞が出た時はELCASに来て本当に良かったと思った。これからもよろしくお願いします。

生物

疋田 努(教授)

チューター:片山 亮(博士4回生)、新宅 勇太(博士2回生)

実施場所:京都大学総合博物館 2Fセミナー室

京都大学総合博物館に所蔵されている、主に哺乳類の頭骨標本を用いて、種の同定を行った。また、最新の顕微鏡や3D幾何学的形態学測定学装置を用いて、最新の形態学的研究を紹介した。

 
骨格標本を選ぶ
選んだ標本を同定し、スケッチする。
最新の機器を用いた、形態学的解析のデモンストレーションと解説

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は"ホネ"を見ました。ホネを見るのは初めてでした。筋肉のつき方に意味があるとか、穴の意味とか、先祖がえりとかがしれておもしろかったです
  • 今日は哺乳類の骨を見て、何の動物かを調べました。私のはキツネでした。キツネとタヌキはとても骨格が似ていました。タヌキは以外にやせていました。
  • 私はダチョウの骨とクマの骨を観察しスケッチしました。哺乳類の骨の特徴や豆知識のようなものをたくさん教えていただきとてもおもしろかったです。頭蓋骨にあいている穴の説明や、どうしてこの骨が発達しているのかなど、興味深いことをたくさん学ぶことができました。使わせてもらった図鑑や骨が、個人的に欲しいなぁと思いました。でも、ウミガメの骨はすごい臭いがして、少し苦手でした。3Dで取り込むことができる顕微鏡はすごかったです
  • いろんな骨を見て触って、ガチョウの骨が大きさのわりに軽いことには驚きました。鳥は飛ぶために特化していると聞き納得です。3Dで観察できる顕微鏡や座標で読み取る機械等、骨を様々な方向から見ることができ良かったです。
  • 今日は哺乳類の骨について勉強しました。いろんな骨でもそれぞれの種類によって特徴があっておもしろかったです。
  • 今日は、哺乳類の骨について観察しました。骨の細部まで観察するのは初めてだったので、日々、色々な動物の基礎になっている骨というのは、こんなにも様々なものだと、色々に勉強になりました。どの骨も、それぞれの生活に合わせた形状になっていましたが、なぜ、そこまで進化したのか疑問を持ちました。進化の謎には元々、何らかの規則が我々の体にも、うめ込まれているのでしょうか。
  • 今日は生きているものじゃなくて、肉すらない骨を見て、元の生き物を調べるという作業をした。歯で草食か肉食かというのが分かるのは面白いと思った。
  • 最近少し骨に興味があったので、骨の同定はとても楽しかったです。顕微鏡やパソコンを使ってやる作業があるとは思っていなかったので、とても驚きました。骨のスケッチは大変でしたが、さらに骨に興味がわきました。

化学

板東 俊和(准教授)、篠原 憲一(助教)

チューター:勝田陽介(博士課程1回生)、熊本はな(修士1回生)

実施場所:理学部2号館516

DNAのエタノール沈殿について学習しました。あらかじめ用意されたDNAを溶かし、再び可視化する流れの中で、DNAの吸光度や、DNAと蛍光物質の結合から誘起される蛍光の観察を行いました。  また、大腸菌からDNAを抽出し、フェノールによるタンパク除去、遠心分離作業、エタノー ル沈殿等のDNA精製作業を行いました。

DNAのエタノール沈殿
DNAの濃度を測る
大腸菌からDNAを抽出する

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日はDNAの抽出実験と、DNAの科学的性質を調べる実験をしました。 蛍光を見たときにはシリカが緑色の蛍光を発していて驚きました。DNAは意外に簡単に取り出せ ることが分かりました
  • DNAの量によって吸収される光の量が違うのがTLC板ではっきり確認できた。更にDAPIを加えて波長が360nmの光を当てると周りは光っていないのにそこだけ青く光って吸収と蛍光の違いが分かって嬉しかった。警察がやるDNA鑑定と同じような作業をしてると聞いてかっこよくなれた気がした。
  • 今回は化学的視点からDNAを観察しました。エタノール沈殿やDNAの抽出実験は生物の授業で簡単なものをしたことがあったけれど、化学的な物性を確認したのは初めてだったので新鮮でした。吸光や蛍光の話は、以前のELCASでの話とも少し繋がっている部分があったし、水に溶ける溶けないの話も以前聞いたことがあったの
  • 今日の実習は本当に生物っぽかった。やはり、生物と化学は密接に結びついている部 分があるのだと思いました。以前の実習では、光合成についての実習があって今回みたいに「生物」でした。
  • 大腸菌からDNAを取り出すという作業をした。高校では物理を取ったけど、生物も楽しそうだと思った。
  • 本日の体験はDNAについてのもので、DNAのかたまりというものをはじめてみて、改めて見ると、これはDNAのかたまりと思うとすごいと思いました。基本的には、比較実験や吸光反応やらで面白いながらも、よく内容を理解できて、有意義な時間となったと思います。普段学校では全く実験をしないので、良い体験となったと思います。大腸菌の実験も普段お目にかかれないので、よかったです。
  • 前回は、欠席していて参加できなかったので今回参加できてすごく嬉しかったです。今回 はDNAのことをしました。今までに体験したことのないような実験ができたのですごく楽しかっ たです。DNAはすごく身近なものなのに自分がそれについて全く知らなかったことに驚きました。 また、大腸菌を使った実験が体験できて化学の今まで知らなかった一面を見ることができ、とて も貴重な体験ができました。