ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2011年 1月 8日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:広瀬 稔(修士課程2回生)、佐藤 信夫(修士課程 2回生)、竹内 光(修士課程 2回生)

実施場所:理学部3号館 109講義室

(r×n)ラテン長方形は必ず(n×n)ラテン方陣に拡張できることを示してもらった。

   
 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今回はラテン方陣について学びました。次回も楽しみにしています。
  • あまり進まなかったが難しかった。
  • 内容が難しかったが、何となくわかったのでよかった。
  • 表面的に理解できたと思うので、家でもう一度考え直してみたい。
  • 説明がしんどかった。でもやってて理解は進んだ。
  • 今回はラテン方陣についての話をした。ホールの定理を利用した、あるラテン方陣に関する性質についての問題(補題)を証明する話である。少々苦労したが、なんとか証明するまでに至った。

物理   

南野 彰宏(高エネルギー物理学研究室 助教授)、常見 俊直(研究員)

チューター:平木 貴宏(修士課程1回生)、山内 隆寛(修士課程1回生)、渡邉 大樹(学部4回生)

実施場所:理学部5号館511号室

クオークとレプトンについての基礎的な講義を聞いたあと、ニュートリノ実験についての講義を聞いた。

 
山本教授の講義 測定
解析

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • Here's an interesting explanation of a neutorino experiment, but it isn't enough, so I'm expecting to learn more about that next week! The one point that concerned us is about an experiment of muon's lifetime and that we have no time to do that.
  • オプションコースでは、二項分布やポアソン分布の標準偏差を求めた。少し疲れた。今回オープンコアコースは最終回だった。有機化学については詳しくないので難しかったがその分野のホットさが伝わってきて面白そうだなと思った。体験コースは今日から高エネルギー研究室だった、次回からにむけて、素粒子やニュートリノについての講義だった。長くて専門的だったが興味があるので楽しんで聞くことができた。
  • 興味のあった素粒子の話だったので講義の時間があっという間でした。ただ、まだまだ知識が少ないなぁと痛感しました。講義の内容に追いつくのがやっと・・・って感じで。でも正月ボケを解消するにはうってつけだったかも?ニュートリノ振動の発見が偶発的なモノだったとは驚きでした。次週は実験♪理論を頭にしっかり叩き込んで臨みたいです。
  • ・今日は素粒子についての講義を受けた。ELCASで前からミューオンやグルーオンの話を聞いていたのでよくわかりやすかった。・基板をもらえた!基板を組み上げるのがかなり大好きなので早速家にかえって作りたい。
  • 今日の体験学習コースの内容は、素粒子論の基礎から始まり、カミオカンデでのニュートリノ実験の解説など、以前から興味があり、知識も割とある内容だったので、よく理解でき、面白かった。次回は実験もできるということでとても楽しみにしている。
  • すごく調べがいのある単元だと思った。家でももっとくわしくしらべたいと思った。
  • 今日の話は難しかった。でも実験は予想外なことがおきてそれが意外な発見につながることがカミオカンデなどからわかりました。あと超対称性粒子が見つかれば面白いなと思います。
  • オプションコースで手がかりが見いだせず(;_;)だった。オープンコアコースのクロスカップリングの話が面白かった。先生が熱意たっぷりで良かった。学校の化学はあんまり好きじゃないけど化学もイケる!と思った。今日の体験学習コースは話・話・話だったけど来週から実験が始まるみたいなので楽しみです。

天文

重尚 一 (気象学 准教授)

チューター:竹下 愛実(修士課程1回生)、桜井 佳世(修士課程1回生)

実施場所:理学部1号館462号室

気象現象の観測手法と、全球規模の気候変動について学んだ。
前半は、スライドを用いて様々な観測手法について説明を受けた。衛星の簡単な運動力学から始まり、その種類・近年発達している技術など、また搭載している観測機器としくみについて幅広く学んだ。衛星が観測に用いる電磁波の作用を実感するため、電子レンジを使った実験を行った。
後半は、各自エクセルを用いて、データ解析を行った。今回は、人為的気候変動である地球温暖化ではなく、自然変動であるエルニーニョについて解析した。東太平洋におけるTRMM衛星による13年分の海面水温および降水量のを利用し、エルニーニョ時とラニーニャ時の比較や、海面水温と降水量の相関関係を調べたりした

スライドを用いて、衛星による観測手法などについて学んだ 現地観測の例として、実物の雨量計を見た
電子レンジを用いた実験で、マイクロ波の作用を実感した

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は人工衛星からの気象観測について学びました。気象庁のホームページで、アメダスのデータや衛星からの雲の動きを動画で見たことがありますが、それも日本のひまわり等の衛星のおかげであることがよくわかりました。また、衛星にはひまわりのような静止衛星だけでなく、楕円軌道をとっている衛星もあり、それぞれの特性に応じて、様々な使われ方をしていることも知りました。その他、雲の観測をするときには雲が観測対象だけど、海面水温を観測するには逆にそれが障害になったりするので、観測対象に応じて方法も変える必要があって大変だと思いました。
  • 衛星の観測はただ地球の周りを回っているだけだと思っていたけれど、準天頂衛星「みちびき」のように周回軌跡が楕円になっているなど、奥が深いんだなと思いました。静止衛星とリモートセンシングについてもう少し調べてみたいと思います。
  • 気象衛星でも移動の仕方に円軌道・赤道軌道・楕円軌道があって、それぞれで移動の仕方が違うということが分かりました(同じ8の字移動でも対称・非対称の違い)。そして、その移動にもニュートンの万有引力の法則やケプラーの第二法則など様々な物理法則が関係しているという事が分かりました。また、エクセル操作はやはり慣れませんが、エルニーニョ現象やラニーニャ現象がよく起こっていた事がよく分かりました。エクセル操作には早く慣れたいものだと考えました。また、全球観測計画の話はとても興味深かったです。
  • 同じデータを用いても、どの範囲の値を取るかによって見えてくるものが違っていて面白いと思いました。移動平均という考え方を取り入れるとなめらかな曲線のグラフができて、変化がよく分かりやすかったです。
  • 今日は地球温暖化についての学習の続きでした。今回の内容は主に衛星観測についてで、人工衛星や観測のタイプについて学びました。一言に人工衛星といっても様々な種類や観測の仕方があるんだなという発見がありました。その後は、実際に自分達で観測結果をもとにエルニーニョ・ラニーニャ現象の解析をしました。今回は、今までのものを更に精度を上げて行ったので、よりやりがいがありました。現代における国際的な問題について学ぶことができて楽しいです。
  • 宇宙・天文というと宇宙のことだけだと思っていたら、地球の気象についても勉強できるんだなぁと改めて感動しました。今まで、いろんな惑星のこと・宇宙人のことを特に学びたいと思っていたけれど地球の気象についても学んでみたいと感じました。今回の実習で初めて、”5ヶ月移動平均”という値の出し方を知りました。宇宙・天文のことだけでなく、これからの生活にも役立つようなことも学ぶことができて、すごく得をした気分でした。
  • マイクロ波の仕組みを理解するための電子レンジの実験は、本当に驚きました。また、ニュースでエルニーニョ現象などと聞いても何のことかさっぱりわからずにいましたが、今回やっとわかりました。とてもわかりやすい説明でした。エルニーニョに関するデータ解析では、海面水温と降水量のグラフに規則性が見られたのが不思議でした。
  • 小さい頃、気象予報士になりたいと思ったことがあるぐらい、気象に関することには興味があったので、また地球温暖化については大変興味があるので、今回この講義を聞くことができて良かったです。気象観測衛星など、最近の科学技術のすごさには驚きました。エクセルを使っての作業は、私はエクセルを使いこなしたことがないので難しかったですが、楽しかったです

 

生物

阿形 清和(分子発生学 教授)、井上 武(同 助授)

チューター:鹿島 誠(4回生) 、藤井淳介(4回生)、星野 創(4回生)

実施場所:

①科学研究,発生・再生,プラナリアについての説明。

②プラナリアを観察し、実体顕微鏡などの機器の使用法を学ぶと同時に実際のプラナリアを知る。

③プラナリアを切断し、プラナリアの実体を学ぶ。

④プラナリアが再生する過程(再生0,1,3,5,7日目)の観察し、プラナリアの再生の様子を実際に見てみる

⑤組織染色像(神経、幹細胞、咽頭、尾にそれぞれ色をつけたプラナリア)を観察し、プラナリアの再生の様式を分子生物学的に学ぶ

阿形教授によるプラナリアの説明 プラナリアの観察

プラナリアの切断実験

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 以前生物のテキストでプラナリアの再生の話を知って以来、この実験にはかなり興味があった。
    今日はその実験ができると聞き、とても楽しみだった。そしてその期待は裏切られず、プラナリアが再生する過程を順を追って見たり、さらに染色をすることでテキスト以上に深い実験をすることができ、本当に楽しかった。また、プラナリアを実際に切るのも体験させて頂き、良い経験(?)になった。非常に面白い実習、有難うございました。
  • プラナリアはいくら切っても死なないらしい。私が昔切った時には再生せず死んでしまったのだが、やはり切り方が悪かったのだろうか。それにしても、プラナリアという奴は実に愛嬌のある顔をしている。こんなかわいい奴をぶっつり切断してしまうなんて心が痛む‥。とか言いながらかなり切りましたけどね。それはもう容赦なく。しかし、切り終えたものを元のシャーレに戻して放っておくと、いつの間にか残ってた奴らにほとんど喰われてしまいました。なるほど、だからプラナリアがそう増えないのか。再生するといっても再生中無防備すぎるのですぐ食べられてしまうのでしょう。でも、こいつらはおもしろい。じき、人にも応用できるようになればな‥。プラナリアに出来るのだから、人間にだって出来ると信じてます。
  • 今回はプラナリアを使って実習をしました。プラナリアは切っても切った断片が一個体に再生するということは知っていましたが、そのことを再生日数順に断片を見て実感することができたので良い経験になったと思います。また、その驚異的な再生能力を持っているのにもかかわらずガンにはかからないということも驚きでした。iPS細胞を使っての人間の再生医療ではガンから逃れられないのに、プラナリアではガンにはかからないので、人類の未来には大きな期待がかかっているということを知ることができて嬉しく思いました。
  • 以前からの実験のほとんどが、いかにも分子生物学なモノだったので、プラナリアを使った今回の実験は面白かった。また、それだけでなく、最新のプラナリアの再生に関する話を聞けたのも良かった。別の話だが、今回は事前に講義の内容や先生の名前を知れたので、受講しやすかった。
  • ・プラナリアに関しては、学校の授業でふれたことがあったので身近なものでしたが、従来の考えに異議を唱え、実験によってくつがえしたことにはすごく感心しました。
    ・なぜ、プラナリアは体中に全能性幹細胞があるのかということが疑問でした。プラナリアはどのような進化の過程を経て、このような再生可能な体になったのでしょうか?
    ・寒い地域のプラナリアはオスとメスが一体内に混在しているとのことですが、なぜでしょうか?温度に関するものなのでしょうか?
    ・理学部と医療の関係が見えてすごく良かったです。研究する意義が感じられました。
  • プラナリアは生物の授業で、再生するという話は聞いていたけどあまり実感はなくて、本当かな?という思いが強かった。だから今日初めてプラナリアを切る時はすごくどきどきした。その切ったプラナリアがもう動き出したのを見るとなんか、驚いたのと感動したのとで、何も言うことができなかった。ふつうの学校の授業では絶対にできないような貴重な体験をさせてもらいました。また、プラナリアの体の不思議を解明する実験を説明してもらえて、勉強になりました。
  • プラナリアは教科書などで見たことはあって、興味はあったので、実際に見て、切断などもできて、とても感動した。思ったよりも動きがはやくて観察するのになれるまで大変だった。
    再生はまだ学校で習っていないので、わからない部分もあったが、わかりやすく説明してくださったので、なんとなく理解できたと思う。
  • プラナリアというのは今まで名前しかきいたことがなかったです。メールで今日の実習はプラナリアを使うときいていたので、少しプラナリアのことを調べてきました。実物を見ると、縮んだり、伸びたり、体をくねらさせたりして、とても色々な動きをしていたので、とても興味深かったです。切断した後も、頭だけなのに動いたりしていました。胴や尾だけになっても、変な動きではありますが動いているのがとても驚きました。頭とは切断されているので脳から動くように命令が来ないのにどうしてかと疑問に思います。あと、再生するのに速度がちがうのは、なんとなく感覚で分かりました。頭部を残した再生が一番速かったです。長時間の観察でしたが、とても楽しんですることができました。プラナリアは顕微鏡で見ると、とてもかわいかったです。

化学

松本 吉泰 (分子分光研究室 教授)

チューター:南部 範行(修士課程1回生)

実施場所:理学部6号館2階セミナー室

表面・界面における光科学に関して講義を行った。光がどのように物質に吸収されるか、吸収した結果電子状態がどのように変化するか、そしてそれらの現象をどのように利用するかなど、原子・分子の成り立ちなど基本的な事柄から、太陽電池や光触媒といった実際の応用例を紹介するなど幅広く扱った。内容は高校生には難しい部分もあったため、質疑応答による形式を主とした。

 
講義を熱心に聞く高校生① 講義を熱心に聞く高校生②
講義を熱心に聞く高校生③

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今回の説明は結構難しかった。はじめの方はまだ知っていることもあって、よくわかったが、途中から知らないことが出てきた。もう一度家で調べたりして、しっかりと理解しておきたいと思う。エネルギー問題は重要なことなので、少しでも良い案が思いつけたらいいと思う。次は実験なのでまた新しい発見があると思う。
  • 化学反応のおこし方として熱でない光の使い方をききました。熱とはちがってピンポイントで反応を起こすことが可能だそうです。パルスレーザーがまた有効な観察手段として出てきたのでおどろいています。めずらしく化学らしい化学なので来週もたのしみだと思います。
  • 今日の体験学習コースでは光エネルギーを用いた化学反応について講義を受けました。光をエネルギーに転換するという所が今日の主となる内容で、方法としては光を物質に吸収させ、物質の電子状態が励起される。その次に電子-正孔対の分離・・・となど難しいものでしたが、非常に興味深い内容で、これからのエネルギー問題の解決策として期待されているものだと分かった。
  • 化学反応と、光の関係について、普段あまり意識したり、説明を聞いたりしなかったので、くわしい内容についてほとんど知らなかったけど、今回初めてくわしい説明を聞き、新しい知識になった。しかし、とても難しく、奥が深いということも分かり、また自分で調べてみたい。
  • 光は学校でもあまりやらなかったから、光が大きく関わる光化学の話は難しかった。でも話す人がわかりやすく話してくれる人だったのでなんとなく分かった。
  • 光または光化学のことについては全然知らなくて、学校でも物理はやっていなかったので初めて聞くことばかりだったけれど、それを利用していろいろなことに応用できるのに驚きました。
  • 太陽電池の仕組が詳しく知れて面白かったです。フェムト秒の世界は想像しにくかったですがなんとなく理解できたような気がしたのでよかったです。チタニアによる水の光分解の話を聞けて、現代のエネルギー問題へのアプローチの仕方は本当にいろいろあるんだ、とあらためて思いました。今回の話も難しかったですが何となくわかった気がしたので次回はもっと理解を深めれるように頑張ります。
  • 今回は、今までで一番分かりやすくて、なるほど!と思うことばかりでした。あと、(私事ですが、)英語が好きなので所々英語が書いてあると、読んでみようと意欲が出て、集中して講義を聞くことができました。いつも2時間休憩なしなので、疲れて最後の方まで集中力が保てないことが多かったのですが、途中で休憩があり、又疑問に思ったことを詳しく教えていただけたので、どちらも良かったです。地球環境について興味があり、その分野では必ず太陽電池が出てくるので、そのメカニズムを詳しく、又実験もすることができて嬉しいです。