ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2010年11月6日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:佐藤信夫(修士課程 2回生)、竹内 光(修士課程 2回生)

実施場所:理学部3号館 109講義室

4で割って1余る素数が二つの平方数の和で表せる、という定理の証明を分担してやってもらった。次回は写像を使った別証明をやってもらう予定です。

   

受講したELCASメンバーの感想文

  • 定時刻通りに終わって良かった。
  • 今日のELCASは素数についてでした。初回や二回目に続いての素数ですが、やるたびにおもしろいです!!この先も少し素数をやりたいです。
  • 内容が難しかったが理解できたのでよかった。面白かった。
  • 楽しかったです。理解できると、もやもやが晴れて面白かった。

物理   

山本潤(ソフトマター研究室 教授)、高西陽一(同 准教授)、常見 俊直(研究員)

チューター:吉岡 潤(博士課程1回生)、渡邉 大樹(学部4回生)

実施場所:理学部5号館115号室、223号室

物質の規則性とX線回折の原理についての講義をうけたあと、赤色レーザーを用いて回折格子の格子間隔を測定し、X線をもちいて液晶の規則性を観察した。

 
レーザーの明点間隔を測定 X線回折の結果
結果を解析中

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 学校でやっていた回折格子の理論の式を実際にレーザーとX線を用いて確認することができました。とても感動しました。ディスプレイに電圧をかける回路を組みたいのですがはんだごてがお亡くなり(passed away)になってしまってできません(泣)ところで最近作っている弾幕ゲーですが、エライことになっているのでクリアできるゲーマー募集中です!!矩形波がフーリエ級数展開したときに偶数次の項がないからレーザーの回折で2次、4次の光がほとんどないことにとっても感動しました!!フーリエ変換やっててよかったと思いました!
  • 今日はソフトマター分野の3回目ですが、最初ソフトマターがよく分かっていなかったのですが、ソフトマターの1つの液晶状態の分子の観察を色々やっていくうちに、ソフトマターという物質の性質も面白いなぁと思えました。今日やったのは、スメクティック相という状態(各分子が層を作っている)の結晶の分子をX線をあててその層の幅を計算するという観察をしました。オプションコースで何ができるのかなあ~、線形代数がやりたいです。常見さんが新しいジャケット及び3Dカメラでいい感じでした。
  • ブラッグ散乱の回折の式を使って、回折格子のスリット幅や液晶の層同期を求めることができた。よい結果が出てよかった。その式も間隔が小さくなるほど、使う光の波長も短くなければいけないことを示しているとわかって面白かった。次回の構造色については特に興味があるので楽しみだ。
  • ソフトマターの体験コースも早いことに3回目、ELCAS自体は合宿を含めて6回目となりました、まずオープンコア講座がとてもたのしかったです。物理の内容なのでテンションが上がりましたし、合宿で知り合った他の分野の友人とも話を楽しめました。ソフトマターは本当に摩訶不思議、相転移の瞬間は何回でもいけます(笑)どんどん研究をしたいという気持ちが強くなってきています。次回も超楽しみです。
  • ・なかなか難しかった。・液晶をX線を使って観測するという高度(?)な実験をした。それと同時にブラッグ散乱やらフーリエ変換といった高度な式がでてきた。・先生の子供は全く先生と似ていなかった。
  • ・X線を出す装置はとても荘厳な感じで近づくと少し恐れ入るような感じだった。・格子に光をあてる実験も説明だけでは難しかったが、実験をしてとてもわかることができた。・駆動回路はとてもつくるのが楽しみだ。早く作りたくてしょうがない。・スメクティック相AとCでは微妙に角度が変わるのは頭ではわかっていたが実際に実験して実感がもてた。
  • 学校でいずれやるであろう回折や干渉を用いて、液晶等の構造を見ることができると知り、高校の物理も、大学の物理にちゃんとつながっていると感じました。午前のオプションコースでやった、フーリエ変換やマクローリン展開が体験学習コースでいきなり使えそうだったので実用的な数学をやっていたんだと感じました。
  • ネマティック相とスメクティック相でX線の見え方が違うのに感動しました。計算は難しかったけど実験は楽しかったです。
  • スメクティックC相からA相への変化が衝撃的だった・・・、ザ・相転移という感じだった。今日は説明が全体的に難しかった。2dsinθ=nλの説明がなんとなく分かった。

天文

野上 大作(附属天文台 助教)

チューター:前原 裕之(教務補佐員)、志達 めぐみ(修士課程1回生)

実施場所:花山天文台

前回の実習で作成した色等級図と二色図を用いて、星間吸収による減光の量を見積もった後、見かけの等級と絶対等級の差から散開星団M52までの距離を求めた。

星間吸収の見積もり方についての解説 減光補正した色等級図(左)と二色図(右)
色等級図を使って距離を計算する方法の解説

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は恒星観測実習の3回目で、星の距離を求めました。明るさや色から距離を導き出せるというのはすごいなと感じました。また求める過程では、経験的に距離が何倍になると光が吸収されて何倍になるというように判明している事実を使いましたが、そのように、これまでの先人の人たちの蓄積で今の天文学が支えられているんだと思いました。
  • 今回の体験から、今回撮った星団はできてからあまり時間がたっていなかった事を知ってとても驚きました。また星は青くて重い星ほど早く死んでしまうという事も初めて知りました。
    また、星団までの距離は他の銀河の星団でも対数を使って求める事ができることは初めて知ったので、ほかの星団までの距離はどれくらいなのか、それとも違いがあるのだろうかという事もとても気になりました。また、グラフの見方もわかって赤色巨星がどれか分かるので楽しかったです。また他の星団の距離を測る機会があったらしてみたいとも考えました。
  • 日は今までやってきたことの集大成として、前々回に観測した星団までの距離を計算しました。今まで何となく観測して、何となくデータを打ちこんで、という感じだったのが全部スッキリつながりました。
    私たちが観測した星団は比較的若いもので、色々計算したあとにその星団の写真を改めて見てみると、青い星が多くてなるほどなと思いました。また、星までの距離を実際に自分で計算してその数字を感じることで、宇宙のスケールの大きさを身をもって感じることができました。
    今回の実習で星についてまたいろいろ改めて理解を深めることができて良かったです。
    今回も楽しく学ぶことができました。ありがとうございました。
  • 今までのデータ解析をもとに、やっと、念願の星との距離を求めることができて、本当にうれしいです。
    天文分野は、本当に広くて遠い話だと改めて思いました。光の速さで8000年・・・なんて遠いんだろう!!でも、いつかだれかがそんな所に行ってくれる日がくればいいなと思います。この実習は、宇宙の基本的なことでとてもおもしろかったです。
  • 今日はとうとう星団までの距離を計算しました。星を観測してからわけもわからず進んでいった部分もあったけど、少しずつ何をしていたのかわかってきたから、良かったです。結局、その星団は驚くほど遠くで、以外にも若くてびっくりしました。慣れない作業でなかなか大変だったけど、みんなに助けてもらって何とか最後まで出来て嬉しかったです

生物

篠原 渉 (gCOE 助教)

チューター:掛澤 明弘(修士過程2回生)、小森 晴香(修士課程2回生)

実施場所:理学部附属植物園、実験室

目的:野外の身近な植物からDNAを抽出して、塩基配列を決定し、植物の同定を行う
第1回目の本日は、実際に植物園内を歩いて各自2種類の植物を選んで葉を採取し、それらからDNAを抽出して、葉緑体の遺伝子をPCR で増やした。

植物採集中 ピペッターを使って試薬をいれています
先生の説明を聞く

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 本日は次回以降の観察に向けての準備だったが、ピペットマンにヒートブロック、遠心分離機など、様々な実験器具を使うことができよい経験になりました。次回以降のDNA観察が本当に楽しみです。
    【合宿したいです。非常に…】
  • 今回の体験学習では、DNAを抽出する実験をしました。その準備のためにまずは植物の葉を2枚とりに行きました。最近は少し疲れていたので、外で散歩することはリフレッシュに最適でした。研究室の中ではピペットマンを使って、アルコールのまざった液体を注入したり、上澄みの水層を抽出したりして面白かったです。次回も楽しみです。【合宿したいです。】
  • DNA抽出実験を学校でやったことがあるが、全体的な手順としては、似ていたが、入れる薬品や、使う機械が違い、より精密に抽出できると思う。結果がでる次が楽しみだ。
    【合宿したいです。切望す・・・。】
  • 今日はDNAを抽出しました。抽出だけしかしていないので、理論的なことや、実質的な実験はしませんでしたので、普段のELCASの雰囲気ではありませんでした。次の実習が楽しみです。【合宿したいです!!切実に・・・】
  • DNAが見えるなんて初めて知ってびっくりした。いろいろな道具と薬品がつかえてよかった。来週楽しみです。【生物で合宿したいです。】
  • 今日は遅刻してしまったので、前半でることができなくて残念でした。DNAは、名前はよく聞くけれど、実際に抽出してみて、来週のELCASが楽しみです。細かい作業が多くて緊張しました。学校で習ったことを実験で実際にできるのでおもしろいです。次回は最初から出たいと思います!
    【合宿したいです】
  • 楽しみにしていたDNA抽出に入ることができてうれしいです。パンフレットに載っていて一番やりたいと思っていたものです。遠心分離機はおもしろかったです。VORTEX-GENIE2で、押すとぶるぶるなって、混ぜることができました。ピペットマンは前使い方を見たけれど、つかったことがなくて、今日使うことができてとてもよかったです。目盛にあわせて、吸い取ると、ちゃんと吸えるのはとてもハイテクですばらしいと思いました。【合宿したいです】

化学

三木 邦夫 (生物構造化学研究室 教授)、竹田 一旗(生物構造化学研究室 助教)

チューター:相川 佳紀(博士課程1回生)、花園 裕矢(修士課程2回生)

実施場所:生物構造化学研究室

 始めに、タンパク質の機能と構造、構造決定の手法について概観的な講義を行った。次に、タンパク質の精製と結晶化の実験を見学した。最後にタンパク質結晶の観察と、コンピュータによる分子モデルの操作を行った。

 
タンパク質の構造と機能、構造解析法についての講義 タンパク質精製装置の見学
タンパク質の立体構造モデリング

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • まだ習っていないことが多くて、難しいこともあったが、酵素やアミノ酸の話は習っていたのでよくわかった。タンパク質がアミノ酸がたくさん結合していることは知っていたが、100〜1000コも結合しているのは知らなかった。また結合しているアミノ酸次第で関与する酵素が多くなるということには驚いた。糖もアミノ酸と同じような結合の仕方をしていたので、脂質についても調べたいと思う。
  • タンパク質の立体構造の見方が分かってよかったです。立体構造を知ることで、あらゆる生体の仕組みを理解することができるのだと知りました。X線やNMRがまた出てきたので、学問は幅広く学ぶことが重要だと思いました。
  • 今回体験させていただく構造生物学は化学というよりも生物よりでしたが、とても興味深いものでした。構造生物学ではタンパク質の形状と働きについて研究をされていて、僕も早く実際に研究をしてみたいです。この構造化学は今までに体験してきたものとは全く違うものなので、本当におもしろかったです。
  • 学校ではほとんど学べないタンパク質について少し分かったような気がし、よかったと思う。分かりにくかったところがたくさんあったが、タンパク質について自分の新しい知識が増えたと思う。タンパク質も、結晶が作れるという話がとても印象的で、実際に顕微鏡をのぞいて観察した結晶がとてもきれいな色でとてもおどろいた。今まで全く知らなかった酵素や医薬品のメカニズムの表面的なことが少し分かり、とても興味深かった。
  • ここは化学の講座だけど今日の話は生物の話で、さらにタンパク質の構造を調べるための方法は物理の技術を使っているので、どの分野もつながっているんだと感じた。
  • 酵素はタンパク質である、という事や遺伝情報の書き換えなどもタンパク質の働きである、とは知っていましたが、ただぼんやりとしたイメージしか持っていなかったので、今日の三木先生の講演がきけたおかげでだいたいわかるようになりました。ですがすごく難しかったです。イメージができるようになっただけでも嬉しかったです。タンパク質は奥が深いなあと思いました。
  • タンパク質という言葉はよく耳にしていたのですが、種類によって様々なはたらきがあること、形の違いなど分かりやすかったです。所々、正直言うと難しくてよく分からないところがあったのですが、結晶を作り、X線を照射し、密度を計算する・・・という手順は講義を聴き、そして実際に見せて頂いたので分かりました。次回、実験を通してもっと理解を深めたいです。