ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2009年4月18日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

森脇淳 教授
チューター:木村嘉之(博士課程 3回生),長尾有晃(博士課程 3回生)

実施場所:理学研究科 3号館 109号室

パソコンを持参した高校生に対して、PowerPoint とLaTeX 関連ソフトウェアのインストールを行った。

また、「すべてが同一直線上にはない平面上の三つ以上の点について、ちょうど二つの点だけを通る直線が存在する」というシルヴェスター・ガライの定理について、

平面グラフに関するオイラーの定理を用いた証明を高校生に発表させた。

さらに、関連する話題として、(実)射影空間と射影幾何における双対の概念についてTAが入門的な説明を行った。

受講したELCASメンバーの感想文

  • 難しかった。記号が多くて大変分かりづらかった。
  • 2次元なのに人間の目に見えない集合とかいうわけの分からないものが出てきた。あらためて数学の広さとか難しさというか、、、そんなものを感じた。
  • 今日は発表だったので、いつもより話を聞いていても分かっておもしろかったです。次も残っているところがあるので、もう一度考え直してきます。
  • 対蹠点に関する説明が難しかった。
  • 難しすぎて頭が痛くなりました。でも少し分かって良かったです。
  • とりあえず、パワーポイントとかが入ってよかった。

物理

チューター:佐田優太(修士課程2回生),酒向正己(修士課程2回生)

実施場所:理学研究科 5号館 511号室

前回欠席した人の中間発表と、

シンチレーション検出器の検出効率の測定

ディスクリミネーターのthresholdを変えての検出効率と

印加電圧ごとの検出効率の測定を行った。

NIM回路での実習の様子
中間発表の様子
シンチレーターでの実習の様子

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 高校で習う力学を微分積分で教えてもらっていて少し高校の授業とは違う見方で考えられていておもしろいです。
  • 最先端の科学を学ぶということでとても高度な内容をおしえてもらっています。難しい話も多いですが現在研究が進んでいる最先端の内容の一端に触れられているということで毎回の講座を楽しみに受けています。
  • 中間発表は思ったより緊張した。説明が中途半端なことも、指摘していただいたので、より理解を深めることができてよかったと思います。
  • 今日は久しぶりの実験で感覚が思い出せなくて大変でした。特に”再現する”ということが大切であり、大変であることがわかりました。もう一度装置を使うときはスラスラ実験ができるように頑張りたいです。
  • シンチレーション検出器を一から設定したので、実験器具の使い方や回路の接続などを実践しながら学ぶことができた。この経験はこれから大学に入ってからも実験や研究で役に立つと思う。
  • シンチレーターを3つ使って実験した。一度やったことを8割くらいわかってたつもりだったのに、人に説明しようとすると全然わからなくなっていて、とても焦った。次はすぐ思い出せるように、また思い出して覚えようと思う。
  • 一回遅れの中間発表だったんですが、とても緊張してしまいました。話しているだけで、汗が噴出すという現象が起こっていたのでやせたかもしれません。

天文

長田哲也教授


チューター:禅野孝広,義川達人(修士課程1回生)

実施場所:理学部4号館5階会議室

オペアンプを使用した簡単な回路をブレッドボード上で製作し、その動作を確認することが本実習の目的である。まず、高校生一人一人に回路を組み立ててもらった。回路が組みあがった者から、WG(注)を利用してノートパソコンのヘッドホン端子より得た信号によりその動作を確認した。具体的には入力信号と自作した回路を通った出力信号をオシロスコープで比較し、オペアンプの効果である反転増幅が起きていることを確認した。         (注)今回使用したWG(Wave Generator)はefu氏が製作したフリーソフトである。

WGの起動及び作動確認 オペアンプを用いた回路の製作

オシロスコープによる製作した回路の動作確認

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は専用のソフトから出された音を電気信号に変え、オペアンプで電圧を増す回路を作りました。専用のソフトをパソコンにインストールしたので家でも色々実験でき良かったです。オペアンプという装置は初めて聞き、勉強になったと思います。
  • 仕組みが複雑で他の人達のように早くすることができず、少し残念だった。けれど、最終的にはうまくできてよかった。
  • 回路を組み立てるのはややこしかったけれど、楽しかったです。電気の勉強は中学以来、習っていなかったので、直列とか並列のような単純な回路しか知らなかったのですが、OPアンプは、一見単純なつなぎ方で電圧の増幅という役割を果たしていて、初めて誕生した時代、「魔法の道具」と呼ばれた理由が、よく分かりました。色んなHz、dBの音を出すソフトをいただいたので、家で合成したり音を出したりして遊んで見たいです。
  • 今日は、オペアンプを使う実習をやりました。回路をつくるのは、むずかしかったですが実際に組みたてて、その結果がちゃんとオシロスコープに表示されたので良かったです。このオペアンプは、いろいろな事に利用ができるらしく、次回この続きをやるので次の実習が楽しみです。
  • ブレッドボードに回路を作っていくと、だんだん混乱していった。波形が増幅する説明を受けても、難しくて今イチ分からなかった。オシロスコープも使い方が分からなくて手間取ってしまった。でも波形をイジったり、周波数を変えると面白いデータが出たりして楽しかった。
  • ブレッドボードに回路を作っていくと、だんだん混乱していった。波形が増幅する説明を受けても、難しくて今イチ分からなかった。オシロスコープも使い方が分からなくて手間取ってしまった。でも波形をイジったり、周波数を変えると面白いデータが出たりして楽しかった。
  • 今回は説明を聞いたときよくわからなかったけどかんがえていたらわかったのでうれしかった。オシロスコープがちょっとくるったけどTAの人々に助けてもらった。その時やっぱりすごいと思った。電力を増やせるシステムがとても不思議だ。
  • オシロスコープとWave Geneのソフトを初めて使わせてもらった。音の合成をPCですることにはとても感動した。家でも楽しめそうだと思った。

生物

中務真人 准教授
ボランティア:酒井朋子(修士課程3回生)
実施場所:理学研究科2号館 218号室

ヒトの進化において、脳がどのように形態学的変化を遂げてきたか、標本を示しながら解説し、その進化過程を明らかにするため、どのような研究がなされているかを説明した。チンパンジー、テナガザル、マカクの標本から、脳溝の数と長さ、脳の大きさ、灰白質と白質の割合など肉眼観察させた後、ヒト、チンパンジー、マカクのMRI画像をもとに、大脳の縦横の長さや運動性言語野に相当する側頭平面の長さを計測させた。

類人猿や化石人類の頭蓋骨を比べる
チンパンジー新生児の脳にふれてみる
  MRIの画像からチンパンジーの脳の大きさを計測する

受講したELCASメンバーの感想文

  • チンパンジーのアイちゃんの映像はテレビで見たことがあったので、かなり実感がわいた。いろいろなことができるのに脳の大きさはヒトよりもずっと小さくて驚いた。ヒトの進化と脳の関係はとても興味を引かれた。

  • チンパンジーが人間に近い動物であることは知っていたが、進化の過程や類似点を見て理解が益々深まった。脳の発達については不思議なことがいっぱいあり、学びがいがあった。特に、チンパンジーの脳にさわれて良かった。テナガザルやマカクの脳と見比べてチンパンジーの脳のしわの多さを実感した。

  • 類人猿やヒトの本物の頭蓋骨を見て、骨にもいろいろあると思った。この中に脳が入っていると思うと不思議な気分がした。

  • サルとヒトの頭蓋骨を見て、脳との関連性を勉強した。実際にさわるのが初めてだったのでおもしろかった。生の脳にもさわった。柔らかく、握りつぶしそうだった。
  • 霊長類の頭蓋骨などを見て、はじめは怖かったが、慣れてきた。サルの脳にさわれたのも良かった。MRIの画像を見て、色を変えたりしておもしろかった。脳はすごいと思った。
  • 生き物は進化を通して効率の良い作りになることが分かった。ヒトは大きな脳をもつが、子供からオトナになるにつれ細胞の数が減っていることに驚いた。それが指令の効率を良くするために刈り込んでいることが分かって、生き物はエコだとおもった。チンパンジーとヒトの子供が似ているのにオトナになると全然違った姿になってしまうことなど不思議な感じがした。