ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2010年12月18日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:佐藤信夫(修士課程 2回生)、竹内 光(修士課程 2回生)、広瀬 稔(修士課程2回生)

実施場所:理学部3号館 109講義室

「pを4で割って1余る素数とするとき、pは二つの平方数の和で表すことができる。」ことの証明を説明してもらった。写像や固定点など、高校生に普段馴染みがなさそうな概念は補足説明をした。今回は人数が少なかったので、範囲が終わってしまった後には問題を出題して皆で考えた。

   

受講したELCASメンバーの感想文

  • ELCASが始まり、3ヶ月もたちました。月日が、たつのは早いものですね。
  • 今回はフェルマーの定理を示しました。単純だけど奇抜な発想が美しかったです。
  • 4n+1素数についての話ととある数オリの問題に取り組んだ。・・・難しい。

物理   

常見 俊直(研究員)

チューター:渡邉 大樹(学部4回生)

実施場所:理学部 セミナーハウス

相対性理論について講義を聞いた後、小惑星探査機「はやぶさ」を支えた姿勢制御やジャイロについて、簡単な実験を通しながら学びました。

 
特殊相対性理論についての講義

はやぶさについての講義

ジャイロを利用した工作中
 

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日はジャイロは楽しかったですが手が痛かったです。ローレンツ変換は1年ぶりでしたが、去年発表でやったこともあり、とてもわかりやすかったです。相変わらずローレンツ変換の導出は計算は面倒です!
  • 最小自乗法がやっと分かってよかった。体験コースは、相対性理論や「はやぶさ」についてだった。ロケットの実験は不発で残念だった。様々なコマやジャイロボール、紙飛行機で遊ぶことによってジャイロの力を感じることができた。ジャイロボールがとても楽しかった。
  • 僕が超尊敬するアインシュタイン博士が提唱した相対性理論について学びました。本等で読んで現象の大まかな部分はつかめていましたが、数式を駆使した方向はほとんど知らなかったので新鮮な気持ちでした。偉人の理論をたどるだけでもこんなに大変なのですから、理論を作り上げた偉人の功績は本当に感嘆に値します、ああ~僕もそのlevelに達したいです。
  • ・偏微分のイメージがやっとつかめた。・ジャイロボールは楽しかった。・午前のオプションコースはレベルが高すぎた。・ロケットの実験は少し残念だった。
  • 今日はいろいろなおもちゃを物理的に考えることができた。みそすり運動がどういう意味かやっと分かった。ジャイロボールのよく回る原理もある意味みそすり運動に似ていて感覚的にもわかった。ローレンツ変換やガリレイ変換を何とか解くことができそうだ。ガリレイ変換を使った式は理解できたがいまだにローレンツ変換は難しいと感じる。もっと勉強したい。
  • 相対性理論について学ぶということで、非常に楽しみにしていた。ガリレイ変換で、電場の波動方程式が破綻するなど、今まで聞いて知っていただけのことを式を扱い、自分の手で導くことができたので、とても面白かった。しかし、あまり時間がなく、こみいった話まで至らなかったので、少し残念であった。また、小惑星探査機「はやぶさ」に関した話では、ジャイロの力を実際に手で感じることができ、楽しかった。
  • 地球ゴマや光るコマなどを回すのがかなり楽しかった。外でロケットを飛ばそうとしたけど、ぜんぜん飛ばなかった。「ロケットを飛ばすのは難しい」と思いました。体験学習の最初のほうでやった式が難しかった。
  • 最小二乗法で樹海に迷いこんで死ぬかと思いました・・・・。今までの計算で三番目ぐらいにキツかったです。ロケットは寒い中待ったけど飛ばせなくて残念でした。実験の厳しさを知りました。家でジャイロヒコーキを頑張って飛ばせるように練習します。今日はカリカリイロイロ解いたので、おなかすきました・・・。

天文

野上 大作(理学研究科附属天文台、助教)

石井 貴子(研究員)

実施場所:花山天文台

花山天文台太陽館シーロスタット望遠鏡で太陽自転速度測定用データを取得し、その解析の概要の説明および実際の解析の導入部分を行った。初めに、シーロスタット望遠鏡と分光器の説明を行った。実習開始時には曇っていたが、途中晴れ間もあり、太陽像やスペクトルをみることができた。分光した光が色によって明るさが違うことを実際に目で確認して、9-11月の恒星観測実習(星の各色による明るさの違いから温度が分かる)との関連についても説明した。太陽の東の縁と西の縁の分光スペクトルデータを取得し、自転速度の測定方法の概略を説明した。時間の都合上、測定については十分にできなかったため、次回、より詳しい説明と実際の測定を行う予定である。

シーロスタット望遠鏡の説明

光路の確認(一面鏡から焦点面がみえるようすを観察)

太陽自転速度を測定

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は太陽観測の実習でした。あいにくの曇りで、観測できるか不安でしたが、晴れ間があって何とか観測することができました。まず、太陽のスペクトルを見ました。教科書でも何度か見たことはありましたが、実際に見たことはあまりなかったので、良い機会になりました。それから、カメラで太陽の東側と西側を撮影し、計算によって自転速度を求めようとしましたが、ドップラー効果など、あまり詳しく知らない内容もあって、難しく、中途半端に終わってしまいました。「吸収線」という言葉も出てきましたが、これもよく分からなかったので、家で調べたいと思います。次回もまたがんばりたいと思います。ありがとうございました。
  • 天候が不安定で、太陽の観測が大変でした。それでも、太陽光と分光した色を観察したときは、想像以上の鮮やかさに驚かされました。今回は時間が足りなくて波長の割り出しまでしかできませんでしたが、それなりに上手く計算できたと思います。次回の観測日は晴れてほしいです。
  • 太陽の黒点はなかったですが、太陽の観測ができたのでとてもよかったと考えています。分光された光は緑や黄がとても明るく、紫が暗いという事が分かりました。しかし、太陽の波長はあまり理解できなくて少し悲しかったです。7色に変わる光はとても美しくて神秘的だと感じました。次回は太陽の波長を理解したいと考えました。
  • 太陽の観測は天候に左右されてとても難しかった。でも、太陽の光を待っている時間も色々なことを教えてもらって、すごく有意義で楽しい時間だった。太陽の自転の速度を求めるのは、時間が足りず、最後までできなかったが、次回が楽しみになった。
  • 今日は花山天文台で太陽観測の実習をしました。ですが、あいにくの悪天候で観測中も頻繁に太陽がかげってしまい、中々できず大変でした。ですが、太陽がきちんと出ている時には太陽光を使って光の分光を見たり、色をピックアップして色をのものを観察することができて良かったです。光の色は想像以上の鮮やかさで感動しました。その後は、波長の計算をしたりしました。次回丁寧にするのが楽しみです。今回もありがとうございました。
  • 太陽を観測するのは人生で初めての経験だったので、すごく新鮮だった。太陽の光を細かく傷をつけたガラスで分けると、あんなにも”想像以上の鮮やかさ”で色が分かれていてすごくきれいだった。個人的には青色が一番好きだなと思う。メガネをして紫色を見ると、まったく見えなかった。やはり、紫外線を含んでいて、メガネはUVカットをしているんだなとわかった。太陽が端から端まで2分くらいで移動することも初めて知って感動した。でも、太陽の吸収線の波長のしかたがいまいちよくわからなかった。>_<。次回で理解したい!!
  • 太陽の分光観測で見た虹色の光の帯がとてもきれいでした。想像以上の鮮やかさでした。望遠鏡のしくみもわかり、光が分けられるしくみもわかりました。雲がかかっていて残念でしたが、実験値がとれてよかったです。数値を出す計算がまだよくわからないので、次回にしっかり理解したいです。
  • 太陽が出てなくて不安だったが、途中結構強い光を発してくれたおかげで助かった。暗室や暗室をのぞいて見た虹色の光は想像以上の鮮やかさで感動的だった。最後に計算したのは、今までのELCASの中ではまだ分かった方だったので良かった。観測している時に黒点が見えなかったのは、残念だった。

生物

岡田 徹也 ゲノム情報分野 助教)

チューター:石川 時郎(博士過程2回生)

実施場所:理学部1号館318

タンパク質の細胞内でのダイナミクスを体感するために,小胞体,ゴルジ体,核に局在するタンパク質に対する抗体を用いた細胞染色を行ってもらった。また,タンパク質の組織特異的発現を観察することができるトランスジェニックメダカを紹介した。トランスジェニック作成の際の手技である,マイクロインジェクションを体験してもらった。

細胞の洗浄 トランスジェニックメダカの紹介
共焦点顕微鏡を用いた細胞の観察

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は細胞内のタンパク質がどこにあるのかを抗体を利用して探るという実習だったが,結果的に失敗してしまい,とても残念だった。しかし,成功したものを見ると,どこに何があるかはっきりと分かり構造を把握できた。また,メダカに蛍光タンパク質を導入したものは,とてもきれいだった。
  • 今日も4時間があっという間に過ぎてしまいました。細胞の一部を意図的に光らせることができるなんて・・・。やばりGFPはすごいですね。ノーベル賞もうなずけます。今日はいつにもましていろいろな部屋を見せてもらいました。見たキカイのなかでの最低金額が100万円とは・・・。本当に金がかかるものだ。今日までは抗体って細菌とかにのみ働くものだと思ってましたが,結構応用が効くもので,おどろきました。また1つかしこくなれました。
  • 今日は学校の授業が6時間目まであったので途中からの参加となりました。作業がなく,見学という形になってしまいましたが,先生と生物学の話をすることができたので参加してよかったなと思います。学校で最近習った範囲とリンクしていたので結構分かりやすく,またたくさん質問することができたと思います。生物の面白さを実感できる機会があるということは自分にとってプラスなことだと思います。,
  • 今回は,細胞小器官を染色し,その様子を最終的に観察した。私は,小胞体を染色し,見事赤く染色されたことを観察できた。以前の講義で,小胞体の様々を見られた実験と,似たものができ,非常に面白かった。
  • 今日は大幅に遅刻してしまい,あまり詳しくできなかったので残念でした。オープンキャンパスの時に一度見学させていただいたことがあるので,ある程度の内容は知っていましたが,はじめから来て深めたかったです。
  • 今日の実験は難しかって,結局失敗した感じだったけど,いい経験になったと思う。戦場の大切さを知った。メダカを見れたのはすごいうれしかった。体が透明で内蔵が見えるメダカに感動した。
  • 今日は遅れてしまったので,前半の作業はできなくて残念でした。前回のDNAの実験でもずっと洗浄していて,今回も洗浄して,きっちり観察するためには,そういう作業がたいせつなんだな〜と思いました。なのに,結局観察できなくて,残念でした。
  • 今日は,液を抜いたり入れたりして,たくさんピペットマンを使ったので,ピペットマンの使い方がうまくなったと思います。洗浄する事が多くて,前回の実験も洗浄したので,洗浄は実験に欠かせないのだと実感しました。抗体を使ってタンパク質が存在するのが確認できるとはとても驚いたし,抗体も実験に有用なのだとわかって良かったです。パソコンで様子が表示されるのはみんなで同時に見れて良いなと思います。

化学

足立 俊輔(物理化学研究室 准教授)

チューター:倉橋 直也(博士課程2回生)

実施場所:理学部6号館355,380号室

超短パルスレーザーとオシロスコープを用いて空気中と水中の光速度を求める実験を行い、実際の光速度と比較した。その後、超短パルスレーザーを用いた光電子・イオン分析実験の様子を見学した。

 
実験開始です。 ミラーを動かして2本のレーザーを
検出器に合わせます。
うまく合わせられたようです。
測定結果から光速度を計算します。
手計算では少し大変です。

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日の内容はとてもわかりやすかった。 内容としてはレーザー光や光の反射や透過であり、その応用のようなものであったので今までよりもずっと理解しやすかった。 一番大変だったのが光の速さの計算であり、測定された値に10-8などがでてきて、誤差が結構大きそうであった。 けれど、計算によって求めた値と定義されている光の速さがだいたい同じでよかった。
  • レーザーを利用した実験をしました。 化学の反応の過程を知るための方法としてレーザーを使うと初めて知りました。 光を上手に使うとものを壊したり簡単にできるらしいので興味深いです。 今では光速をはかる方法が机ひとつでできるのは驚きました。
  • 今回は物理化学の実験を行いました。今回の実験は複雑なものではなく理解しやすいものでよかったです。 ここの実験室で行っている強力なレーザー光を分子に当てて、分子が壊れたり、不安定になったり、 電子が放出されたりするところを調べている点がとても興味深かったです。
  • 今まで、物理化学についてはほとんど触れたことがなく、知らなかったけど、今回少しイメージがふくらんだと思う。レーザーで分子を壊したりできることを知り、とても印象に残った。光速の測定は結構単純で、とてもわかりやすかった。
  • 今日の実験を行う部屋は絶えず周期的な機械音が聞こえ頭が痛くなった。実験中は立っているのが精一杯で他の人が作業をするのを見ているだけだったが、元の部屋に戻って実験で得た数字をもとに音速が水中でどう変わるかを計算した。
  • 今回の体験コースは、化学と言うよりも物理という感じで、レーザー光を使うというのが初めてだったので、興味深かったです。光速がとても速いということも実測で体験でき、レーザー光を使いわざと分子を壊してそれを調べるということはとてもおもしろいと思いました。レーザーを使うのはとても単純な構造だけどレーザーがとても大きな機械から出ていたので、少し驚きました。
  • 光の速さを測定しました。どう測定をするのか知らなかったのですが、チューターの人がわかりやすく原理や仕組みを教えてくださってとてもすっきりしました。とても計算が大変でなかなか皆と合わなかったりしてあせりましたが、やりがいがあって楽しかったです。
  • "光の速度はとてつもなく速い"と思っていただけだったので、測定する方法を考えたこともありませんでした。実験内容の説明もわかりやすくて、実験しながら光速度をはかる方法を理解することができました。計算が大変でしたが・・・自分で値が出せてうれしかったです