ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

 

第6期

2013年 11月 2  数 学  物 理  宇宙地球  生 物  化 学

数学

実習1

発表の様子

実習指導

 吉川 謙一(数学教室 教授)
 川口 周(数学教室 准教授)

チューター

 石川 勲(修士課程 2回生)

ボランティア

 横田 真秀(博士課程 1回生)

実施場所

 理学研究科3号館109号室

実習内容

 今日で二項係数がしかるべき条件の時に整数のべき乗にならないことの証明を完了した。Chapter17の集合論をスタートし、今日は有理数と自然数が同じ濃度であることの証明をした。次回からはもう少し深い話になる予定である。

受講生の感想

  • すごく遅刻してしまって申し訳ないです!話もきけなかったし、みんなの証明もちょっとしかきけなかったしもったいないことをしてしまった……。無限とか濃度とか少しだけ知っていたので、みんなの話についていけました!初めて!!嬉しかったです。次からは不可算なものをやっていくとか・・・。楽しみです。
  • 無限の怖さが身に染みました。もっと無限に慎重にならなければならんなと思いました。(`>ω<´)
  • 今日で数論が一旦終わって集合論に入った。新しい分野を学ぶのは楽しみだ。
  • 集合のところで証明の担当に当たっているのに、集合の濃度についてきちんと理解できていなかったことが分かりました。今日の最後のチューターの方々と一部の人が話していた内容はさっぱり分かりませんでした。数学って難しい…。
  • 発表の時においても、よく分からないところはチューターさんや先生方の補足があって非常にうれしい限りです。今日のところは自分が1時間くらい発表してしまいました残りの時間も十分楽しめました。
  • 数学では証明は分かるけどどうすればそう証明するのか理解できないということがたくさんあって不思議だと思った。

物理

実習1

実習2

実験の様子

実習指導

 山本 潤(ソフトマター物理学研究室 教授)
 高西 陽一(ソフトマター物理学研究室 准教授)
 石井 陽子(ソフトマター物理学研究室 助教)

チューター

 佐藤 隆人(修士課程 1回生)
 畑 加奈子(修士課程 1回生)

 

実施場所

 理学部5号館 ソフトマター物理学研究室 

実習内容

 30分程ソフトマターの基礎的な座学講義を行った後、各種液晶の状態を目視、並びに偏光顕微鏡で観察、撮影し、相転移温度の決定や組織の違い、その起源などについて考察、議論した。

受講生の感想

  • 今日は遅れての参加だったので分からないところも多かったのですが、円偏光の偏光板が見られて満足です。液晶は普段から見ているものだと思うのですが、どういった性質のものかあまりよく知らなかったので、この機会に色々知りたいと思います。液晶の実験をしたときに温度を変えて相転移が起こると、まったく何も見えなくなったのには驚きました。また、明暗を分けるのは分子の並びが関係あるというのは言われてみるとうなずけるような気がするのですが、自分では全く分からなかったことなので、次回も考える時の要素としたいなあと思いました。
  • 3つの液晶の性質を見比べるという、普段はすることがない結構マニアックな体験だった。液晶といっても種類は様々あり、人工物だけでなく、自然界にも数多くあふれているということに驚いた。液晶の持つ性質も様々であるので、詳細に知るには様々なアプローチができそうだ、と思った。今やいろんな機器に用いられている液晶なので、より理解を深めたいと感じた。
  • 液晶の仕組みはずっと興味を持っていたので、今日、液晶の実験をたくさんすることができてうれしかったです。特にCLCという液晶がキラルな物質で、液晶の粒子の向きがらせん状にかわっているから、そのねじれが一周するのと波長の長さが合う光が反射してくるというのが、実際に温度を変えたり見る向きを変えたりすると色が変わるというので目で見て確かめることができ、感動しました。またこのCLCがこがねむしの羽に固化していたりなど、身の回りの自然物にも液晶があるということを知り、液晶は人工物だと勝手に思い込んでいたのでびっくりしました。他にも8OCBという液晶をつかった実験で、スメクチック相とネマチック相のちがいや、相転移の様子を見ることができ、同じ種類の液晶にも性質のちがう相があることを実感しました。またあまり使われていないというスメクチック相の液晶が使われたカメラやパソコンを使ってみたいと思いました。次回ももっと詳しく液晶を知ることができると思うと、非常に楽しみです!!
  • 今月はソフトマター物理学研究室というところで学ばせて頂きました。液晶とは、結晶の規則性と液体の流動性両方を有しているということを学んだ。実際に5CB,8OCB,CLCが結晶から液晶、液晶から液体へと変わる様子を偏光顕微鏡で見ることができた。とても有意義な時間を過ごせました。このような貴重な体験をする場を与えて下さったELCASに感謝しています。
  • 今回はまた新しい分野に入り、[ソフトマター物理学」というテーマを習いました。まず今までの[物質の形態が液体・固体・気体の3つだけ」という常識が覆されて驚きでした。少し話を聞いた後、実験をしました。液体と固体の間の“液晶”という形態への変化を観察する実験でしたが、興味深いことばかりで非常に面白かったです。担当の教授や先生方もとても親切で、楽しく実験ができました。2週間後が待ち遠しいです。

宇宙地球

実習1

自転速度の求め方の説明を聞く

実習2

周りと相談しながら太陽の自転速度を計算 

実習3

個人の計算結果を板書

実習指導

 野上 大作(附属天文台 助教)

チューター

 山中 雅之(附属天文台 研究員)
 中田 智香子(宇宙物理学教室 修士課程 1回生) 

実施場所

 理学部4号館3階講義室

実習内容

 前回の実習で得た太陽のスペクトルの観測データを用いた解析。太陽スペクトルの鉄輝線のレッドシフトの値を、個人個人が定規と電卓を用いて求め、そこから太陽の自転速度を見積もった。また、求めた値に関わる誤差について議論した。

受講生の感想

  • 今日は太陽の自転速度を求めたのですが、このことをするにあたって感じたのは、様々な要因によって1つにでるはずの計算の結果ばらばらになってしまうということです。普段、学校でも実験などをするときには何回も値を求めて精度を上げるということを行いますが、そのことの重要性を深く身をもって知ることができたと思います。次に値を計測するような実験があったならば、今日知ることができたことを生かして、慎重に値を求めるようにしたいです。
  • 今日は太陽のeastとwestの計算をしました。かなり、他の人と誤差があったのですが、もともと観測に誤差があったそうです。cosを私だけ習っていなくて、後半、話についていけなかったので、悔しかったので勉強してきます。地球が太陽に遠ざかるっていう説明が理解できたのでよかったです。
  • 太陽の自転速度の計算は、式だけみると簡単そうでしたが、実際に行ってみると、数が細かかったり、様々な要因によって大きな誤差が出たりと、難しかったです。観測地点が地球の自転によって動いているために誤差が出る、というのは、当然のことなのですが、少しショックでした。今日はオープンコアコースも数学で、とても大変でした。
  • 今回は速度の計算を中心に行いました。最初はやり方もあまり分からなかったですが、だんだん話を聞いていると分かり、計算をするのが楽しくなりました。全員の結果を出し合うと人それぞれ違った値が出てきたので、そこは面白いと思いました。誤差が出てくる原因なども分かったので、とてもよかったです。
  • 今回は、前回の続きである光のドップラー効果の勉強をしました。計算が最後の方でぐちゃぐちゃになってしまって少し時間がかかりましたが、最後にはしっかりとした数字が出たのでとてもよかったと思いました。また、みんなの数字がバラバラで原因を考えたところが実験してるなと強く思えたのでよかったです。次回はとても楽しみです。

生物

実習1

メダカの卵に絡まっている糸を取り除いている。

実習2

蛍光タンパクを発現しているメダカを観察している。

実習3

メダカの卵にインジェクションをしている。

実習指導

 石川 時郎(ゲノム情報発現学 助教)

チューター

 中村 有貴(修士課程 2回生)
 玉田 健太郎(修士課程 1回生)

実施場所

 理学部1号館

実習内容

 メダカのオスとメスを同じ水槽に入れて卵を産ませたあと、卵を採取した。

 メダカの卵には繊維状のものが生えているのでそれを取り除き、受精卵と未受精卵を選別した。

 寒天で作った溝に受精卵を並べ、動物極側が上になるように揃え、その後溶液をインジェクションした。

 また、あらかじめ用意されていた蛍光メダカの観察も行った。

受講生の感想

  • 今回一番驚いたことは、メダカの受精卵にDNAを入れる作業です。ガラス管で針を作るところから始めるのはしたことがなかったので、よい体験になりました。メダカの受精は結構速く、また卵をとる作業も普段なかなかできないことなのでとても良かったです。今まで植物を見てきたのでそろそろ動物をしたいと思っていた頃なのでとても良かったです。今日はありがとうございました。
  • 今日の実験ではELCASでの講習で初めての動物を用いた実験だったので、とても楽しく興味深かったです。自分はとても遺伝子が好きで、いつかは遺伝子関連の研究をしてみたいと思っているので、今回の講習はとても良い勉強になったと思います。また、マウスやショウジョウバエはモデル生物として利用されるのは知っていましたが、まさかアフリカツメガエルまで利用されているとは思いもよりませんでした。アフリカツメガエルは私の高校で飼育しているので、親近感が湧くと同時に少し切なくなりました...。何はともあれ、今回の講習も有意義で非常に面白かったです。しかし、フェルマーの最終定理についての講習はとても難しかったです。
  • 今回は遺伝子の注入をした。実験に使われる動物としてマウスがとても有名だが、今回の実験ではメダカを使用した。メダカの卵に遺伝子を注入するのが最終目的だったが、メダカの交配、産卵後の卵に付いている糸をほぐす作業まで、一から実験を行った。とても細かい作業が多く、目が痛くなったが、メダカの稚魚を見てそのかわいさに目が癒えた。遺伝子の注入にはとても細かい針を使って行った。最初のうちは、あまり上手く行かず苦労したが、上手く入ったときには感動した。これぞ大学の研究という感じの体験実習だった。
  • 今回は二時間しかなかったのでとても短く感じました。メダカというとても私たちに身近なものを使って実験をしたけど、そのメダカでいろいろなことができたことに驚きました。メダカの卵は小学校の時などでも見ることができたのですが、見た目はいくらくらいの強度しかないようにみえるのに実験をしてみて実際触ってみたりすると意外としっかりしていて刺す針が折れてしまうほどだったので驚きました。今回は細かい作業がたくさんあったので不器用な私が迷惑をかけないか心配でしたが、今までのエルキャスのおかげかスムーズに作業をすることができたのでよかったです。最後に光るメダカを見ましたが、入れる遺伝子によって光る場所が違って、その実験もやってみたいと思いました。エルキャスにきていつもは質問しにくいのに普通に質問をできている自分に驚きました。
  • 一番興味のある分子生物学の分野ということで、あっという間の2時間だった。メダカの生態は全く知らなかったので、交配から採卵、インジェクションまで見ることができ、大変面白かった。特にインジェクションはコツを掴むととても面白くて何時までもやってしまった。また、YFPを発現させたメダカの綺麗さに驚いた。それぞれが発現する部位がちがうということで、メダカの体の構造が見ることもでき、よかった。遺伝させたメダカが光ることや、生後たった数日のうちに心臓やヒレが動き出すこと等から、改めて生物の面白さを感じることができた。
  • 今日はELCAS初の植物ではなく動物!!を扱いました。メダカが大量にいる部屋に行き、メダカに交尾をさせて卵を産ませて、その卵に遺伝子を注入するというものです。メスを水槽から網ですくい出し、実際に卵を手で触ってとりました。卵のつぶつぶ感が手に伝わってきて面白かったです。遺伝子を注入する作業の前に、卵に付いている糸をとる作業があり、ピンセットでつまんでぐるぐる回してとるのですが、とても細かい作業でした。針を卵に入れるのも細かい作業で緊張しました。今までが植物を扱うものばかりで動くことはなかったのですが、動物なので動きがあって、また違う感覚を受けました。細かい作業が続くことに変わりはないので、器用になりたいと思います。
  • メダカが光るのはとても綺麗でした。その光がGFPを改良させて作られた物質であると聞いたので、人間にはこんなこともできるのかと驚きました。そして、その光で小さい生物の体を部分的に観察することができたり、どの部分でその物質が多く使われているのかがわかったりしてとても実用的だということに感心しました。他の生物とは違い人間は自らの知恵によって進化していることがとてもよく伝わってくる体験でとてもためになりました!

化学

実習1

:実験に関する講義

実習2

乳鉢と乳棒で原料を混合

実習3

試料を電気炉にセット

実習指導

 道岡 千城 (金相学研究室 助教)

チューター

 田口 篤史(修士課程 1回生)
 山東 浩明(理学部 4回生)

ボランティア

 今井 正樹(博士課程 1回生)

実施場所

 理学研究科 6号館 369号室

実習内容

 YBCOという超伝導体の合成を行った。

 Y2O3, BaCO3, CuOをモル比1:4:6で精確に秤量し乳鉢と乳棒を使って混合した。試料を2つに分け、それぞれモールドとプレス機を使ってペレット状に押し固め、アルミナるつぼに入れて電気炉に入れた。二つの試料をそれぞれ異なる温度プログラムにて焼成し、次回、それらの試料の物性の違いを見る予定である。

受講生の感想

  • 今回は「金相学」というものをしました。はじめ聞いたときは「菌藻学・・・?生物やん!」と思っていましたが、実際は全然違っていて超電導など金属についての学問でした。意外ということだったので難しい話はありませんでした。 有機の時のような合成と違って乳鉢で粉末を混ぜて押し固め、加熱しました。意外と単純だなと感じました。次回の時には、もう加熱し終えているということなのでどのようになっているか見るのが楽しみです。
  • 今日は金相学研究室でYBa2Cu3O6-7の合成実験のペレット作りまでを行った。YBa2Cu3O6-7は比較的高温で(液体窒素を用いて)超伝導体になる物質である。“金相学の研究室”とはじめ聞いたときは何の研究をしているのかと少し気になっているが、超伝導体などの無機物質について研究をしているということを教えていただいた。超電導について簡単な講義があった後は早速実験にとりかかったが、正確に原料を量りとることは非常に大変だった。わずかな風の影響も受けるほど精密な電子天秤で有効数字4ケタまで量るというのは初めての体験だった。量りとった原料を今度はメノウの乳鉢でしっかりまぜたが、この作業は非常に大変なものだった。反応をしっかり起こさせるために30分近く混ぜ続けできたものをペレットにし、電気炉に入れる所までを今日行った。次回うまく超伝導体ができていることを願う。主に実験で今日の体験コースは終わったが、超電導についての様々な資料をいただいたので早速読んでみたい。超電導という現象は昔、実験ショーのようなもので見て以来どのような原理なのか知りたいと思っていたので、次回に向けて資料の内容をがんばって理解し、次回を有意義なものにしたい。
 

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