ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

 

第6期

2013年 11月 16  数 学  物 理  宇宙地球  生 物  化 学

数学

実習1

セミナー風景

実習指導

 吉川 謙一(数学教室 教授)
 川口 周(数学教室 准教授)

チューター

 石川 勲(数学教室 修士課程 2回生)

ボランティア

 横田 真帆(数学教室 博士課程 1回生)

実施場所

 理学研究科3号館109号室

実習内容

 カントール・ベルンシュタインの定理を中心に、集合論に関するセミナーを行った。

 無限集合を扱う際に留意すべき点などを補足。

 また、実習日が高木レクチャーの日であったので、1時間ほどそちらに参加した。おそらくもっとも簡単であろうものを選んだが、それでも相当難しかったようである。

受講生の感想

  • 集合の話は厳密性に欠けていないか特に気を遣うので大変です。TAKAGI LECTURESは英語を理解するのに手間取ったので勉強せねばと思いました。
  • 今日はひたすら集合について学びました。本に書いていないことも多く学ぶことができて、とても充実していました。集合はもっと勉強すると面白そうな気がするので、来週までに自分で勉強してこようと思います。大学の方に聞きに行った講義は冒頭の一部分しか理解できませんでした。そもそも英語がまったく理解できなかったのがつらかったです。次回は幾何の分野に入るのが楽しみです。
  • 今日は途中1時間程数理研の高木レクチャーを聴きに行きました。アポロニウスの球の内容で、こちらも良かったです。体験コースは濃度の議論が面白かったです。ただ自分の無知を感じるばかりで世界は広いし自分が井戸に溺れた蛙であることを反省させられました。今後も期待しています。
  • 今日は対角線論法やベルンシュタインの定理など集合論をさらに学んだ。直観を裏切る集合の理論は奥深く楽しかった。また途中で高木レクチャーを聴きにいった。たいへん難しかったが雰囲気を楽しめた。
  • 今日は自分の発表がありましたが、それなりに終わらせることができたと思います。今日も院生や教授の方々からとても興味深い話を聞くことができ、よかったです。また、今日行った高木レクチャーも、全て英語でほとんど分かりませんでしたが、なんとなくすごいな、と思いました。
  • やっと無限とかが分かってきた気がします。話が分かると聞いていて楽しいです。途中で高木レクチャーをききにいってみて、数学界の雰囲気をまた一つ知ることができたような気がします。(内容は全然分からなかったけど(泣))数学って『難しい!無理だ!」ってなるのに「でも楽しい!やめられない!!」となるからおそろしいです…。Hee Ohさん、素敵な講演ありがとうございました。次は証明まわってくるので準備完ペキにせねば。

物理

実習1

実習2

実習3

実験の様子

実習指導

 山本 潤(ソフトマター物理学研究室 教授)
 高西 陽一(ソフトマター物理学研究室 准教授)
 石井 陽子(ソフトマター物理学研究室 助教)

チューター

 森田 智之(修士課程 1回生)
 畑 加奈子(修士課程 1回生)

 

実施場所

 理学研究科5号館 ソフトマター物理学研究室 

実習内容

 30分程液晶の電場応答、ならびに様々な色の起源の基礎的な座学講義を行った後、以下の2つの実験を行った。

1)ネマチック液晶のフレデリクス転移のしきい値測定と応答速度の印加電圧依存性

 二種類のセル厚のネマチック液晶セルにおけるフレデリクス転移のしきい値測定を行い、しきい値電圧はセル厚によらないことを確認した。また階段波波形を印加して、液晶の応答速度を測定し、印加電圧が高くなると応答速度が速くなることを見出した。

2)カラーフィルター、コレステリック液晶、偏光子に挟んだセロハンテープの透過スペクトル測定

 3種類の物質をまず目視でほぼ同じ緑色に見えることを確認した後、分光器を使ってその透過スペクトル測定を行った。同じように見えてもスペクトルは大きく異なることを観測し、どうしてこうしたスペクトルになるか、考察後解説を受けた。

受講生の感想

  • 今回は前回様々な性質や種類を知った液晶に、実際に電圧をかけてみたり、分光器を用いて光の分析を行ったりしました。電圧をかける実験では、10mmの液晶セルと25mmの液晶セルに電圧をかけた時の違いを、私は25mmの方が小さい電圧で変化が起こり、さらに色の変化の幅が大きくなるのではと予測しましたが、実際は変化する時の電圧が同じだとわかり、びっくりしました。またその後にその結果の理由を教えてもらい、納得するとともに液晶の電気的な性質がよくわかった気がしました。また、分光器を用いた実験では、特にセロハンテープを使ったものがが非常におもしろくて、パラレルニコルの時とクロスニコルの時で波の凸凹が逆になったのが、私たちには“ピンク”と“緑”という抽象的な色とでしか見ることのできない“色の変化”が具体的な"波の変化”として見ることができ、すごく興味深かったです。また、その実験の後に、円偏光の仕組みを式として教えていただき、さらに様々な計算からもとめた透過光強度の式を見ると右円偏光での式と左円偏光での式をたしたら1になるということがわかり、すごく言葉で表せないほど感動しました。この感動をわすれないうちに、自分でも教えて頂いた様々な実験を家でやってみたいと思いました。
  • 今回は、液晶セルの電気光学効果測定と分光器を用いた光の分析を行った。液晶セルの電気光学効果測定では、2種類の液晶セルに電圧をかけ、応答時間などを測定した。分光器を用いた光の分析ではGreenfilter、液晶セル、セロハンテープ(各々目では緑色に見える)の透過光を各々測定した。それぞれ透過率が異なっており、興味深い結果だった。このような貴重な体験の場を下さったELCASには感謝しています。
  • 今回は4時間の実習だったので、少し講義を聞いたあとは実験をしました。同じように緑色に見えているモノでも、その緑色の光の性質がそれぞれ全然違うことを知りました。普段何も意識してない“光”というものの多様さを知ることができてとても興味深い内容でした。してくださる説明もわかりやすく、より理解が深まったと思います。頂いたプリントに載っていないことまで教えて頂いて、本当に楽しい実習でした。
  • 前回休んだので、全く最初は内容が分からなかった。意味不明な数式と謎の概念の説明、実験も何を明らかにする実験なのか、それすら分からなかった。ただ機械的にこなし続けた。しかし、ある時、急に全てが分かった。全体を見通し、それまでやってきた説明、実験を一貫して解説して下さった。快感というか爽快だった。様々な現象や複雑な事柄はこれほどまでに単純明快なのかと。そして、先生の一言「我々人間は複雑でややこしく考えてしまうが、自然は結構素直なもの」。今回はプラズマに関する体験学習以上の、今後、科学をやっていく上で大きな糧となった。このような機会を与えて下さったELCASの方々、有難うございました。
  • 初めの方は液晶というものが余りどういったものか分からず、少し化学チックなところもあり分かりづ
  • らかったのですが、実習を受けることでどういった原理で明るくなったり暗くなったりするか理解でき、少し分かったような気持ちになれました。また小さい頃とは違い、この色の光はこの波長というのがきちんと確かめられるというのも実は凄いことなのかなあと思わせてもらいました。そして他にもたくさんのことを教えて頂きましたが、その中でも特にセロハンテープを偏光野向が異なる2枚の偏光板をπ/2回し挟むと色がついて見える、と言う事象がただただ単純に凄いなと思いました。それになぜ色がついて見えるのか?パラニコルとクロスニコルでは波長が対称になるのはなぜか?ということを丁寧に教えていただけ、理解できたのをうれしく思いました。最後に回折格子を使わず、身近なもので分光器を作る方法を教えて頂いたので是非色々作ってみたいと思います。

宇宙地球

実習1

海の温度を測るための転倒温度計について説明を受けた。

実習2

地球の回転が地球流体に与える影響に関する数値実験についての説明を受けた。

実習3

質疑応答の後、スケールの概念について説明を受けた。

実習指導

 余田 成男(気象学研究室 教授)

チューター

 新原  快(修士課程1回生)
 佐々木 拓也(理学部 4回生) 

実施場所

 理学研究科4号館3階講義室

実習内容

  本日は、京都大学総合博物館企画展「海」の展示を見学した。この展示は5部構成になっており、今回は主に海の観測を目的とする第2部、海の温度や動きについての理解を目的とする第3部を見学した。

 第2部では海の温度や塩分、海流の速さを測る観測機が紹介されていた。展示では実際にそれらの観測機を見て、それぞれどのような工夫が施され、今日に至るまでどのような進化・発展を遂げてきたのかということについて学んだ。

 第3部では海の流れや温度に関するシミュレーションの結果などが紹介されており、海水の流れや温度が決まる仕組みについて、それがどのように理解されているか、またどのようにして理解をするのかについて学んだ。

 その後は理学研究科1号館に移動し、ホワイトボードやスライドを用いて今回見学して得られた知識を深めるとともに、地球科学に欠かせないスケールという概念について学んだ。

受講生の感想

  • 今日は、京大の総合博物館で「海」の展示を見に行きました。海と地球が関係していて、面白い展示ばかりでした。海を測り技術はとても興味深かったです。アルゴフロートという推進の温度を測る観測機器の模型を見ました。温度計を深い所で測れても上に引き上げると、結局測れていなくて、浅いところの温度しか測れないのですが、その機器は人工衛星を経由して沈んだり浮いたりして測ることができてすごく感動しました。いかにコンピュータのおかげでたくさんのことを知ることができたんだと思いました。
  • 今日行った博物館は非常にわかりやすく展示してありよかった。スパコンでの対流などのシミュレーションは非常に興味がわいた。また、水温の観測技術の初歩的な展示のところはこのような技術を思いついた人が100年前以上にいたというのは驚かざるを得なかった。
  • 海展には、様々な岩石や化石があり、とても美しいものもあり、興味深かったです。また、観測機器も進歩しているという事がよくわかりました。そして、海の広さを基準に考えると、海はとても浅いもの(薄いもの?)という事が分かり、驚きを感じました。今回の講座では、いろいろな雲の写真を見せていただきました。今までふと空を見たくなるのは夕方の空の色や月、夜が多かったのですが、これからは昼の空にも注目したいと思いました。
  • 海展で見た、水中グライダーは人の手を加えなくても海に入れたら一人で温度を測定するという仕組みがとても興味深かったです。鉱石の一つ一つが美しくて、これが地球で採取できるというのはすごいと思いました。中でも中沸石はとても折れそうな細い石であったのも関わらず、綺麗に保存されていたのがすごいと思いました。海の奥深い話を聞くことができて、とても貴重な体験ができたので良かったです。
  • 今日は、京都大学の博物館を見学させていただいて思ったことは、世界中の国々が海へ大きな関心を持っているのだなという事です。海は私達の生活に大きな利益を与えてくれますが津波などの天災で被害をもたらしたりと、非常に密接な関係があります。海を知ることにより、利益は今よりも多く、被害は今より少なくすることができると思います。ですから、海に関する知識を多く持ち様々な分野へ発展させていって欲しいと強く感じました。
  • 今回は「海」の博物館に行きました。特に心に残っていることは、植物の化石がくっきり残っていることと砂漠のバラと呼ばれる結晶と、トゲアリです。植物の化石は、他の動物の化石よりもくっきりと凹凸がしっかりとしていてとてもびっくりしました。また砂漠のバラと呼ばれる結晶は、頂いた本を見ても、どうやってできたかはわからないと書かれていたのでぜひ調べてみたいと思いました。更にトゲアリは本当に普通のアリによろいを着たようなアリで生きているトゲアリには絶対に会いたくないなと思いました。意外にも地球でもわかっていないことがあるのだなと思い、今まで宇宙によく目をむけていましたが、地球のことも面白いなと思い興味がわきました。
  • 今日は海や地球気象について、京都大学総合博物館へ行かせていただいたり、気象などについての疑問を解消できる非常に良い機会になりました。特に、博物館で見ることのできたウミユリの化石は非常に細かく模様が見ることができ、とても印象的でした。また、すべてを通じて私達が暮らしている地球というものに対して理解を深めた一日でした。

生物

実習1

顕微鏡の使い方の説明

実習2

プラナリアについての説明

実習3

プラナリアの切断実験

実習指導

 井上 武(発生生物特別講座 助教)
 船山 典子(分子発生学講座 准教授)

チューター

 前田 祐伽(修士課程 1回生)
 佐藤 勇輝(修士課程 1回生)

実施場所

 理学研究科1号館 214号室

実習内容

1.発生・再生・プラナリアの再生について講義

2.実体顕微鏡の使い方の説明

3.プラナリアの観察(どの様に泳いでいるか、眼の構造の解説)

4.プラナリアを切断してみる

5.準備していた再生1−3日目をそれぞれ観察

6.通常個体、再生中の個体それぞれで、神経、咽頭、尾、幹細胞マーカーの発現を可視化した個体を観察、講義で説明した再編再生かどうかを確認、また再生に関して考えてもらう。実験方法について、また発生原理に関して適宜、補足の講義を行った。

7. βカテニンBのRNAiをした頭部からの再生個体の観察を行い、

  以下の点を各自考えて発表し、考え合った。

  ○ βカテニンBは xxxxxxに必要である ここに入る事柄は何か?

  ○ それを確認するためにどの様な実験を組めばよいか?

  ○ このβカテニンBのRNAi個体をそのまま育てたらどうなるか?

    受講生の感想

    • プラナリアを切ったのは2度目だったけど、どうして切っても再生するのか共食いするのはなぜか、何を考えて見ればよいかなど深く深くほりさげて実験できて、いい経験でした。学校での化学や生物の実験もわーすごい!とかきれい!とかで終わってしまっているので実験の前に何か自分の中で疑問をもってとりくんでゆきたい。答えは1通りじゃないといわれた問題を考えるのがすごくワクワクした。プラナリアの再生機能を他の生き物にどう活かすか、何に使えるのかもっと知りたいと思った。私は顕微鏡も動物も正直あまり好きではなかったのに実験がすごくすごく楽しくて再生機能の分野に興味をもてた。植物がもともと大好きで生物のコースを体験しているけれど、新しい分野のことも知らないだけで以外と自分の興味とあっていて新鮮!機会も実験機器もここでしかないものだからすごく貴重だし、私は来ている回数が今少ないけれどもっと参加したいと思いました。共食いおもしろい!!
    • 今回の講習は非常に頭を使ったのでとてもしんどかったです。しかし、それ以上に興味深く、今後研究をしていったり、決めていく上でとても大切なことを学ぶことが出来たと思います。自ら開拓し、自分なりの切り口を作り、自分で考える。これは、口に出すのは簡単ですが、実行するのはとても難しいと思います。しかし、それをやり遂げた結果、大きなものを得るはずだと感じました。正直、自分の器の大きさではやり遂げることは出来ないだろうと思います。しかし、出来るところまで全力で挑戦してみたいです!また、プラナリアは以前から聞いたり見たりしたことはありましたが、触ったことは初めてで、とても新鮮で、興味深かったです。以前から、せめて一度はプラナリアについての実験をしてみたいと思っていたので、今回の講習とその実験はとても楽しく、実になるものでした。また、遺伝子等に関するお話や、講演を聞くことが出来て本当に良かったです。
    • 今回の体験ではプラナリアについての実習だった、切っても切っても再生するプラナリアは一般的に知られているが仕方を知ることはあまりなかった。しかし、この体験で再生する仕方でプラナリアの構造などたくさんのことを知ることが出来た。人間やサルにできない再生を私達の身近にいるプラナリアは再生することができるが、高度な技術も持っている人間に再生ができないということなので、人間の作った再生細胞であるiPS細胞もさらに開発、研究し、プラナリアの様な再生ができるようにまでなり、医療などで役立つようにしたい。とても興味深いものだった。
    • 今回、一度やってみたかったプラナリアの実験をしました。私は学校でプラナリアの体を半分の所まで切断してみたら二つ頭がでてくるということはならいましたが、前後に頭が生えたり頭がいろんな所から複数生えてきたりすることがあったりすることを知って驚きました。機会があればそれも一回みてみたいと思います。今回自分で一回しっかり考えてみて、一人一人答えをだし、本当の結果を聞くというスタイルだったので、いつも以上に考えて観察や実験をしたのですが、そうしてみるといつもは気づかないだろうと思うことも気になって、とても身についたと思いました。その授業もとてもわかりやすかったので、自分の考えを出すことが出来ました。再生について単純にしか考えていなかったのですが、説明をきいてみるといろいろな種類の再生があり、それに関係するiPS細胞の説明をきいたのですが、完璧だと思っていたiPS細胞が問題点をもっているということを知って、もっとしっかり知りたいと思いました。プラナリアは学校にもおいているので出来たら地元でもそういう実験ができたらと思います。
    • きょうは4時間オールプラナリアでした!!プラナリアを今日ほど、目が痛くなるほど見た日があったでしょうか!!いやありません!プラナリアは学校でも育てていて見たことはありましたが、切ったのは初めてでした!切るときにメスを持ってやって、こんなに小さなものを切るだけなのに顕微鏡も使ってシャーレも使って氷までつくって、やはり実験・観察には準備が多くいるのだと思いました。また、実験・観察には時間がかかるのでどのようにすれば効率良くよくできるのか考えることも大切だと思いました。尾も頭になって頭と頭になってしまうプラナリアを観察し、それだけでなく、その後の考察まで話し合ってできたのは、とても内容が濃くてよかったです。大ざっぱにまとめると、尾をつくり、前後を決める為にβcatBというものがあるのですが、そのはたらきを導き出すためにはそれがはたらいている状態とそれが働いていない状態、さらに他の物質の働く様子も観察する必要があります。1つ疑問をもって、それの答えをみつけようと思ったら、多くの過程を経る必要があるので、自分が今度何か研究しようとするときの、よい勉強になりました。プラナリアかわいいです!
    • 今日のプラナリアを用いての観察ではすごいと思いました。今まで僕は付加再生だと思っていたのですが、たしかによく思ってみるとじょじょに出来るのではなく、まず先端からできていたので、ヒドラと同じ再生の仕方と分かり良かったです。ΒcatBは牧笛に分化する細胞の位置を決めるのに必要だと思いました。機会があれば調べてみたいです。プラナリアは全身の25%が幹細胞でできているというのはすばらしいと思います。人間にはそいういう幹細胞はないけれど、あったらどうなっているのかなと思ったりしました。今日はありがとうございます。

化学

実習1

浮上実験①

実習2

浮上実験②

実習3

電気抵抗測定

 

実習指導

 道岡 千城 (金相学研究室 助教)

チューター

 田口 篤史(修士課程 1回生)
 山東 浩明(理学部 4回生)

ボランティア

 今井 正樹(博士課程 1回生)

 

実施場所

 理学研究科 6号館 369号室

実習内容

 前回合成した2つの試料を取り出した。一方は徐冷、もう一方は液体窒素を使って急冷し、浮上実験、X線回折測定、電気抵抗測定によって物性や結晶構造の違いを確認した。

 徐冷したサンプルのみでマイスナー効果と電気抵抗ゼロがみられ、超伝導体であることを確認した。

受講生の感想

  • 今回は作ったYBa2Cu3O6-7の物性を評価する実験を行い、また超電導の原理についての講義を受けた。YBCOについては加熱プログラムをうまく調節したり、熱いペレットを急に冷やすといった作業を行うことで酸素量をコントロールし、酸素量が6もしくは7に近くなるようにしていた。実際に液体窒素で冷やしてマイスナー効果を確認したり、電気抵抗を測定したり、X線回折装置で分析したりすることによってYBCO7が超電導体、YBCO6が絶縁体であることがわかった。含まれる酸素量によって物性が多く変わったことは非常に嬉しかった。
     また、自分たちで合成した(学生の方々のサポートが大きかった)ものが超電導体となったことにとても驚いた。超電導の理論については本当に難しかったけれど超電導についてとても興味を持ったし、もっと知りたいと思った。これから自分でさらに理解を深めていきたい。
  • 超電導について教わる中で、固体の3次元の構造からe-p-相互作用など新しく知ることばかりで大変、充実した学習になりました。ボゾンとフェルミオンなどの粒子の説明に入ってからは難しく、家に帰ってからいただいた冊子をしっかり読んでみようと思っています。
      電気抵抗とX線の実験の結果は、特に電気抵抗を調べる実験は、結果が綺麗に出て、集中して準備の細かい準備をしたかいがあったなと思いました。
      電気抵抗の結果はきれいに出たのにX線はピークがずれていた理由が気になっています。 ありがとうございました。
  • 前回は文化祭の準備のため抜けていて、今回の講義が前回の続きであったため、今回のことに追い付くことで必死だった。今回は前回作ったらしい超電導の物質が本当に超伝導性を示すかどうかについて確認するというものだった。Y(イットリウム)とBa(バリウム)Cu(銅)の酸化物によってできたものであり、酸素の量によって性質が異なってくるらしい。ただ、前回のことを知らなかった上に、今回の説明についていくので精一杯であったため、詳しいことはよくわからない。電子の相互作用云々を言われても一つ一つを理解していかなければならなかった。 ただ、YBCOの結晶というものが黒くて脆い物質だったということが今回わかったことだ。
  • 今回は超電導について解説がありました。量子について無知でありましたが、なんとなく理解することが出来ました。途中の作業でちょっとしたミスを起こしてしまいましたが、(サンプルが割れて、小さくなったサンプルに現ペーストをつけるという苦行がありました。)なんとか無事に乗り切ることができてホッとしました。
    又、今回の実験までずっと、本当に超電導体ができているかどうか心配でしたが、無事制作することができて(しかもかなり理想に近い形で)良かったです。今日もありがとうございました。
  • 2週間前に「これがどうなるんだろう」と思いながらYBCOを生成していましたが、今回の講義を通して超電導の歴史から、さらにどういった性質を持っているのかよくわかりました。量子力学、数学の知識の面で、まだまだ充分ではないため、全てを理解したというと間違いなくできてないのだと思いますが、配布資料を読みながら少しずつ理解できればいいです。
    生成した物質AとBについて液体窒素77Kで冷やした後、マイスナー効果がどうなったかを調べました。YBCO6の方は冷やしても浮かばず、YBCO7の方は冷やしたら浮きました。そのため77KにおいてYBCO7にはマイスナー効果があり、YBCO6にはないと判断できます。また、電気抵抗のグラフから、YBCO7についてはきれいに有限温度で抵抗が0になったのでよかったなと思います。
  • 今回は前回合成したYBCOを使い色々な実験をしました。異なる冷やし方で2種類のYBCOを作ったのですが、冷やし方だけですべての実験の結果が2種類で異なり面白いなと感じました。
    一番最初にした「マイスナー効果」実験ではちゃんと合成できていれば磁石の上で浮く、ということで「合成できているかな・・・。」と心配でしたが、自分たちが合成したペレットが浮いた瞬間はとても興奮しました。
    説明は難しくてよく分かりませんでしたがざっくりと雰囲気だけつかむことが出来ました。ありがとうございました。
  • 今回は非常に面白かった。自分たちが作っていたものが限りなく最先端のものに近かったので驚いた。原理などは非常に難しいものであったがなかなか興味深かった。 特定の分野の知識を必要とせずともわかるように説明もしてくれたので理解することができた。大体の雰囲気はつかむことができたのでよかったと思う。 多くの資料も配布されたのでそれらを読みできることならば、理解を深めていきたいと思う。次からなんの分野のことをやっていくのだろうか?非常に楽しみだ。
  • 今回は、前に作った超電導体で実際に測定を行ったりマイスナー効果を確認したりをしました。実際に超電導体が磁石に浮くところを見たのですが、自分で作ったものが超電導になっているということで、少し感動してしまいました。
      また、抵抗の測定なども行い、実際にある温度から電気抵抗が0になっているのをグラフで確認できて良かったです。
      この2回は、理論的な部分も含めて詳しく教えていただき、それぞれの部分で理解が深まりました。少々難解で、理解できないところもありましたが、また調べたりしていきたいと思います。

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