ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

 

第6期

2014年 2月 1  数 学  物 理  宇宙地球  生 物  化 学

数学

実習1

発表の様子。

実習指導

 吉川 謙一(数学教室 教授)
 川口 周 (数学教室 准教授)

チューター

 石川 勲(修士課程 2回生)

ボランティア

 横田 真秀(博士課程 1回生)

実施場所

 理学研究科3号館109号室

実習内容

 今日はChapter 25, Section 2をやった。Section 2の定理は主張としては非常に素朴なものであり、鳩ノ巣原理によって証明されるが、その方法はとても興味深いものであった。鳩ノ巣原理自体はとても当たり前と思えるようなことであるが、多くの非自明な結果が導かれるのでとても面白い。最後は合宿で行う発表の準備を行った。

受講生の感想

  • 今日はチャプター13のコーシーの剛性定理の証明が終わりました。今日はおもしろい話が多く、勉強になりました。次回の担当の範囲をがんばりたいです。
  • ~最初化学の安藤先生のお話~化学は身の回りの物質についての分野だと思っていたけれど、今では光合成や呼吸など生きた分野の中にも入っているのだなあと驚きました。原子や分子の粒子性や波動性についても大分わかってるんですね…!~数学~次回の発表に向けての役割分担がスムーズにできてよかったです。他の分野の人に向けて発表って緊張する…。前発表した時よりしっかりと発表できるように復習しておこう…!!
  • 最終回までずっと楽しくて普通なコメントになりました。
  • 鳩の巣原理の章をやった。次回合宿なのでテーマを決めた。しっかり準備して本番のプレゼンに備えたい。
  • 今日の前半は鳩の巣原理についてだった。ELCASの試験問題の話も出てきてなつかしかった。合宿でやる内容がようやく決定した。発表を担当したChapterではないので、次回辛い思いをしないために2週間で勉強し直そうと思う。
  • 今日は実質最後の実習で、自分が発表することがなっていたのでよかったです。次の発表に向けて読み直す必要がありそうで頑張ります。

物理

実習2

実習1

実習3

受講生の発表の様子

実習指導

 小林 達夫(素粒子論 准教授)

実施場所

 理学研究科5号館 511号室

実習内容

 特殊相対性理論へつながる入門的な内容をゼミ形式で行った。具体的には、光速不変を仮定した場合に、同時性が相対的であること、運動している時計はゆっくり進み、長さが縮むことなどを議論した。

受講生の感想

  • テーマが相対性理論ということで予習段階からかなり難しい内容だったが、皆の説明も具体的な例など挙げてもらえて少しは理解できたと思う。光の速さは約秒速30万km、想像もつかないような高速での出来事を理論や数式を使って思考実験するというのが面白かったです。理論だけでここまでのことが提案できるということに驚きました。次回でELCASも最後となってしまいましたが、しっかり頑張ってしめくくりたいと思います。
  • 相対論のはしりについて議論をした。資料をもらった日に欠席していたので、発表はできなかったが、皆の発表を聞くだけでもかなりの勉強になった。根本的な概念が私には難解なものに感じられて、理解に苦しむこともあったが、大まかには把握することができたし、何よりも数式によって、空間や時間を操っていることに対して感動を覚えた。相対性理論は小学生の頃から興味を持っているので、、今回の経験を生かして、こつこつ勉強できたらと思う。本日もありがとうございました。
  • 今日は特殊相対論をテーマに輪講を行いました。事前に自分で読んでいき分からない所を解消していったつもりでも人に説明するのは非常に難しく、結局何を言うべきだったのか、よく分からなくなってしまいました。分かったつもりになっているところも多く、輪講ないし人に話すのは非常に難しいことを改めて実感しました。ですが、私は勉強したことを人に分かりやすく話せるような人になりたいと思っているので、今回のことでどういったところを改善すべきだったのかということを学べればいいなと思います。
  • 相対性原理の基礎をゼミ形式で行いました。響きがカッコイイので前々から触れてみたいと考えていた相対性原理ですが、今回初めて触れ、最初は計算が煩わしいなぁと思っていましたが、だんだん慣れてくると新たな発見の連続で、とてもためになりました。とはいえ、本番はここからであると思うので、少しずつ、たまの機会に触れていきたいと思います。
  • 今日はゼミ形式で相対性理論について発表・交流をしました。前回のゼミ発表に比べたらまだマシなものにできましたが、それでもまだまだ勉強が足りなかったなぁと感じています。光速不変の原理や、それに伴って時間や長さが伸び縮みするということは知識としては知っていましたが、こうして計算して導出したことによって、より親近感がわきました。大学にいっても必ず勉強しないといけないし、また勉強したい分野でもあるので、今日のELCASはとても面白かったです。ありがとうございました。
  • 今回はゼミ形式の講義でした。発表が予想以上に難しくて、理解しているつもりのことでもほとんど説明できませんでした。それでも、相対性理論のことは少しは理解できたかな、と思います。興味のある分野だったのですが、分かっているのと、分かっているつもりというのは全然違うのだな、と実感しました。
  • 今回はゼミ形式で、岩波書店の物理入門コース「相対性理論」という本を用いて、相対性原理と光速普遍の原理について議論をしました。ゼミ形式とは、それぞれが発表する部分を決めて、事前に準備をしてきて、発表をして、皆で議論をするという形式の事で、皆様々な意見を出し合い、とても面白い演習になりました。今回はとても有意義な時間を過ごせたと思いました。このような貴重な体験ができる場を用意して下さったELCASにはとても感謝しています。

宇宙地球

実習1

分析した試料が隕石なら、試薬を加えると溶液が赤色になる。今回の実験では全員が赤色の溶液となり、試料が隕石であることを示した。

実習指導

 平田 岳史(地球惑星科学専攻 教授)

実施場所

 理学研究科1号館 151号室

実習内容

 前回の実習では、「隕石」を化学的に鑑定する実験(2回分の1回目)を行い、隕石試料の分解と、溶媒抽出法を用いて妨害元素(鉄)の除去を行った。今回の実習では、実際の実験にさきがけ、前回の実験の復習を兼ねて、溶媒抽出法の原理を講義した。試験管を振る(振とう)することで、溶媒抽出速度をどの程度改善できるか(約10万倍)を計算により見積もった。1時間弱の講義に続き、クリーンルーム(無塵室)内で、隕石の化学鑑定実験を再開した(2回分の2回目)。実験では溶液の液性を確認した後(アルカリ性)、ジメチルグリオキシムを添加し、ニッケルの存在を確認した。鉄の除去が完全ではなかったため、鉄の色が残っていたものの、全員が赤い色となり、試料が隕石であることがわかった。

 実験終了後、研究室内の分析装置を見学した。今回はデジタル顕微鏡を用いて固体試料を観察し、様々な画像処理、特に三次元撮像を行った。簡単な操作で固体試料の立体構造が解析できるなど、最新の顕微鏡の進歩を解説した。今回も休憩なしで実習を行ったが、参加者の集中力は途絶えることはなく、熱心に実習を行っていた。

受講生の感想

  • 今回は、前回までやってきた実験を無事、成功させました。実験が終わると黄色い液体の上に膜の様に赤いニッケルが浮いていて、時間がたつとそれが下へ沈むそうです。初めに隕石をとかしたときは、本当に反応するか心配でしたが、無事に成功して良かったです。また、高性能の顕微鏡を見ました。10円の鳳凰の形がくっきりと見る事ができたので、とても感動しました。また、ほしいと思いました。
  • 今日は、前回とっておいた試験管に薬品を入れてニッケルを検出し、前回溶かした隕石が隕石であることを確かめるということを行いました。実際に薬品を入れてニッケルが検出できたのはとても印象的でした。また、実験そのものも、長い間(1週間)をかけて結果が出たというのも初めてだったので、とても記憶に残るものになったと思います。
  • 今日は、前の実験のつづきでした。ジチチルグリオキシムを加えて、ニッケルが試験管にあれば赤くなるというのをやりました。最初はあまり赤くならなかったけど、振ると赤くなって沈殿しはじめました。ちゃんと沈殿したやつもみたいです。ELCASもあと1回でさみしいですが、最後も楽しみです。
  • 実験では、赤いもやがちゃんと見え、嬉しかったです。また、顕微鏡は、画像の処理が簡単にできるだけでなく、体積なども分かるということがすごいと思いました。混ぜることがどれだけ反応を速めるか、ということは、感覚的には分かっていましたが、実際に計算したことはなかったため、数万倍になるということに驚きました。
  • 実験の結果、上手く赤い沈殿ができ、成功したので、とてもうれしかったです。最近の顕微鏡はとても進化していて、前にピントを合わせたら後ろのピントがズレるという問題も画像を合成して解消し、3D映像まで映し出すことができたり、今まで一部しか見られなかったものも、全体像を見れるようになったりして、本当にすごいと思いました。
  • 今日は、前回の続きで隕石鑑定を行った。アンモニアで弱アルカリ性にしたニッケル塩酸溶液ヘジメチルグリオキシムアルコールを加えたとき、赤色へなかなか変色しなかったが、振とうさせて反応させると色がきちんと変わったので良かった。また、最新の顕微鏡を使って色々なものを見せていただいて、大変よかった。前回、今回と、普通では体験できないような貴重な経験をさせて頂き、京都大学への憧れが強くなった。

生物

実習1

スライドを使ってのトカゲ類の説明

実習2

シナトカゲ3亜種の標本観察

実習3

シナトカゲの鱗の観察と頭部のスケッチ

実習4

シナトカゲの頭部のスケッチ

実習指導

 疋田 努(動物系統学研究室 教授)
 岡本 卓(動物系統学研究室 助教)

チューター

 森山 純(修士課程 1回生)
 谷戸 崇(修士課程 1回生)

実施場所

 理学研究科2号館 217号室

実習内容

 トカゲ類の標本を観察し、鑑別形質となる鱗の特徴を説明した後、シナトカゲの3亜種の標本を観察し、頭部の鱗のスケッチを行った。その後、どれがどの亜種になるかについて、解説した。トカゲ属では、幼時の体色が重要だが、成体では、模様が消失するために体色では成体の同定が難しく、鱗の特徴から見分けることが可能だが、変異が重なるので、同定が難しいことを説明した。

受講生の感想

  • 今日は部屋に入ったときに大きなインパクトを受けました。こんな風にビンにトカゲが入れられているのを見るのは初めてでした。魔女の部屋に置いてありそうです。観察では,トカゲのウロコに注目して,鼻の横にPNと呼ばれているウロコがあるか,胴まわりのウロコの数はいくつか、腹のふくらみ、顔の大きさはどうか、あごの辺りの特定のウロコが接しているかどうか、をよく見て種類を識別しました。初めは,エタノール漬けにされたトカゲを触ることにびびっていましたが、スケッチをしたり、ひっくり返したりしていくうちに抵抗が全くなくなりました。ウロコの見方も、目がなれるまではどこがどうくっついているのか、離れているのかがわかりませんでしたが、他の種類のものと比べるうちに、それもわかるようになってきて良かったです。
      今回でオープンコアコースも最後となってしまいましたが、半年間貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

  • 今回はは虫類のトカゲやヤモリを標本を用いて観察しました。その時実感したことは、中学校や小学校にいたときによくつかまえて眺めていた生物が実はこんなにもしっかり分類されていて、とても調べるうえで貴重な存在だということです。また、生物学は最先端だけを見つめていくのではなく、行きづまったら過去をふり返ってみるのも大切なことなのだとあらためて感じさせられました。

  • 初めてトカゲを真剣に観察しました。トカゲの種類は基本的にウロコで見分けがつくと知りました。トカゲのアルコール漬けを見たときはとても驚きました。もちろん見たことがなかったからです。普段、たまに道端で見ることのできるニホントカゲは実は一種だということも知れて良かったです。青に黒のたてすじが子供で茶色の個体が大人、また頭の大きいほうがオス、というのを聞くことができたので、もし見かけることがあったら、ぜひ観察してみたいと思いました。トカゲのことを知れて良かったです。本日はありがとうございました。

  • 入ってすぐトカゲがいっぱい入ったビンを見てびっくりした。トカゲの分類でうろこの数や形を見るなんて初めて知っておもしろいなあと思った。私は発見できなかったけれどポストネザルがあるかないかでも種類が変わってきてトカゲは全何種類いるのか興味がわいた。私は植物が好きで、動物にはあまり関心がなかったけれどトカゲって近くで見るとこんな動物なんだ!と分かって動物もおもしろそうだと感じた。トゲがすごかったりつめがとんがっていたりすごくかっこいいと思った。うろこを数えるのやスケッチは難しかったけれどトカゲの標本を見てしかも触れるという貴重な体験ができてよかったです!!!

  • 今回の実習は少しグロテスクで、トカゲ等の標本を漬けているアルコールの臭いで頭がとても痛かったです。また、日本にいるトカゲは大きくわけると三種類しかいないことに驚きました。先生が、世界中を巡って直接サンプルを採取したということを聞いて、いつかは自分もサンプル探しの旅に出てみたいと思いましたが、そのためにはまず外国語も大切だと思いました。また、自分はアルコールや生臭いものが苦手なので、それらの耐性を身につけなければならないと思いました。このオープンコアコースも残すところあと一回なので、気を引きしめて一生懸命集中して取り組んでいきたいと思います!

  • 今回は、実物のトカゲを観察した。トカゲの種類を見分けたり、ウロコなど細部にまで注目して絵を書いたりした。教室に入りビンに入った何匹ものホルマリン漬けのトカゲを見た瞬間はびっくりしたが、観察などを続けていくうちに違和感もなくなり、かわいくも見えてきた。トカゲを見分ける時に見なければならない部分も、違いがわかりにくく見分けるのに苦労した。日常で時々見るトカゲにも注意して見ていればおもしろい点がたくさんあることがわかった。

  • 今回はかなり刺激的な実習でした。最初、においがあまりよくなくて苦戦しましたが、すぐになれることができて安心しました。学校にも、ヘビのホルマリンづけはあるのですが、アルコールにつけているのは今回はじめてみました。カメレオンやとかげは、日常生活で見慣れている大きさよりもかなり大きなものを観察できたので、とてもいい体験になりました。私は今までとかげをさわったことがなくて、はじめてさわるのがアルコールにつけられたとかげというのは少し考え深いものがありました。とかげの顔をかいていて、かなりの顔のうろこにおおわれていることに気づきました。最後になったらとかげを平気でさわれるようになったのでとてもいい体験になりました。

  • 見た目と臭いのインパクトが強く、正直、最初は今回の実習はどうなるんだろう・・・という不安ばかりでしたが、終了間際には不思議なくらい自分の観察したトカゲに愛着がわいてきました。生物って不思議です。地域によって、見た目は全く同じに見えるトカゲにも遺伝子レベルの差があるのはとても面白いと思いました。“動物”の分野の生物にも興味がわいてきました。

化学

実習1

実習2

講義の風景

実習指導

 松本 吉泰 (分子分光学研究室 教授)

チューター

 足立 裕之(修士課程 1回生)

実施場所

 理学研究科6号館 272号室

実習内容

 以下に関しての講義を行った。

 ・光をエネルギーに変換するものについて

 ・光をエネルギーに変換する過程

 ・光について

 ・太陽電池について

 ・光触媒について

受講生の感想

  • 最後の分野は分光学でした。光を電気エネルギーに変換する過程と物質変換に用いる例などのお話を聞かせていただきました。はじめて聞くホールやバンドなどに戸惑いましたが丁寧に教えてもらいました。太陽光発電や光触媒は私たちの生活にも深くかかわっているので理解しやすかったです。次回の実習が楽しみです。
  • 今日は光をエネルギーに変換するというタイトルで色々な講義をしていただきました。講義ではバンド構造やギプスの自由エネルギーなどの話をしてもらい次回の実験で必要となる知識を習得することが出来ました。講義で分からないところがあったけど丁寧に教えてもらったので上手く次回の実験に入れそうです。また新たな疑問が生まれてきたので自分で調べて実験に挑みたいです。実験で光をエネルギーに変換する光触媒を扱うらしいのでとても楽しみです。
  • 太陽エネルギーを電気としてではなく物質中に蓄えておくという話がとても新鮮だった。難しい用語が出てきたが、光をエネルギーに変換する方法が分かった。可視光を光触媒にあてることによって水を分解できることに驚いた。特に色素と波長の調節によって発電が出来ることに心ひかれた。
  • 光触媒が今回の講義のテーマであり光触媒の詳細が分かった。光触媒と太陽電池は仕組み的にほとんど同じらしく、光によってエネルギー準位に電子が励起しそれに応じてホールが出来るらしい。そこで電子が電流として流れるものが太陽電池で電子を奪うことで汚れやカビを分解できるものが光触媒といわれるらしい。次回のELCASが最後らしいので少し物悲しい。
  • 太陽電池と光触媒の基礎の部分がすべて同じ原理であることに驚きを感じた。ICとしての半導体は知っていたのですが、その性質や応用についてはあまり知りませんでした。しかし半導体がバンドギャップを持っており電子が低エネルギーに戻ってくるのを防ぐという特徴を持っているのは興味深かったです。また触媒を使うことによって反応のバリアの軽減により、実用の面で生かせるという話は面白かったです。私もエネルギー問題解決に貢献したいと考えているのですが、自然エネルギーやそのほかのエネルギーの特徴を理解してこうした研究・開発をおこなっていきたいと思いました。

過去の体験コース
2013年

9月7日

  9月21日
  10月 5日
  10月19日
  11月 2日
  11月16日
  12月 7日
  12月21日
2014年
1月 11日
  1月 25日
  2月 1日
  2月15日
第5期の体験学習コース
第4期の体験学習コース
第3期以前の体験学習コース