
2011年11月5日 数 学 物 理 宇宙地球 生 物 化 学


オイラーの定理の証明を発表

:みんなで証明の見直し

みんなで公式について議論しています |
チューター
岩木 耕平(数理解析研究所 博士課程 1回生)
実施場所
数理解析研究所204号室
実習内容
今回は、教科書の「多面体に関するオイラーの定理」の部分を学習した。
この定理は与えられた多面体の頂点、辺、面の個数に関する公式であり、公式そのものは素朴で分かりやすいが、その証明は簡単ではない。教科書に載っていた証明は「双対グラフ」を用いた、かなりテクニカルなものであった。発表してくれた学生は、教科書に載っている証明の他に、全く別の証明も調べて来て紹介してくれた。 このように、1つの問題を色々な角度から理解しようという姿勢は、将来研究に携わる上で生きてくるだろう。
受講生の感想
- 今日も楽しかったです。だんだん慣れてきて、疲れを感じなくなってきました。
- グラフの話はあまり触れる機会がなかったので、新鮮で楽しかった。
- 今日はオイラーの多面体定理について学んだ。証明の中で出てきたグラフは、少し知っていたので何とか話についていけた。
- 有名な(平面グラフについての)オイラーの定理を一緒に考えたが、証明が意外にあっさりしていて面白かった。
- ずっと発表していて疲れた。発表に対するチューターさんのツッコミが恐ろしい。しかし、ためになる。合宿を経て何かが変わった。
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実習前半、講義の様子

実習後半、デモ実験の様子

実習後半、デモ実験の様子 |
実習指導
山本 潤 (ソフトマター物理学研究室 教授)
石井 陽子( 同 助教)
チューター
吉岡 潤(博士課程2回生)
実施場所
理学部5号館413, 219, 221号室
実習内容
2時間の実習時間のうち、最初の40分は山本教授による講義で、光の散乱、吸収、発光、及び伝播と色の関係についての講義を行った。
残りの80分は2つのグループに分かれて、それぞれ石井助教及び大学院生の吉岡による簡単なデモ実験を行った。内容は、分光器を用いて液晶を始めとする様々な物質の光の透過スペクトルを測定する実験であり、高校生にも実際に実験の作業の一部を行ってもらった。
受講生の感想
- 合宿行きたいです。チューター欲しいです。これでソフトマターとお別れになるのは、すごく寂しいです。ソフトマター物理学も他の物理分野と接点がすごくあって、ミクロとマクロの間の分野として楽しめた。
- かねてからとても興味があった色の物理学について学ぶことができて良かった。あやふやだった吸収、干渉、また励起と基底状態の行き来による色の違いがしっかりと正確に理解出来、また学校で学んだ光の性質について理解を深められたと思う。実験では液晶の不可思議な性質をまた一つ学べたように思う。チューターとさらなる合宿の実施を強く希望している方がおられるので、どうかご検討お願いします。
- オープンコアでソフトマター、今回の講義もソフトマター・・今日はソフトマターの日か!と突っ込みたくなる日でした。今回は第1回講座の続きで話も簡単に入り込めたし、セロハンテープ パラメティクとクロスメティクにおける見える色の構造を解析するということをしたが、セロハンテープの重ねる枚数によって見方が全く違うのに驚いたが、途中から不規則に変化して、一緒にそれについて考察したりと非常に充実した実習だったと思う。しかし、セロハンテープの厚さにのみ依存するはず光強度の不規則性を考えると、秩序の無さに呆れてしまうが、その秩序の無さに惚れ込んでいる自分がいたこともまた然り。 俺って物理屋かなぁ[照。
- 緑色の中でも透過スペクトルの違いによっていろいろな緑色があると思いました。また、セロハンテープにも色があって全ては透過光スペクトルによるものだということを実験でしみじみと感じたと思います。今回の内容もだいぶ難しかったのですが、めげずにがんばっていこうと思います。高1を対象にした補講みたいなものをぜひやっていただきたいと思います。(平日以外でお願いします。日曜の朝など、2時間ぐらい)
- 〇セロハンテープを重ねて偏光板でみるといろいろ色がついてきれいでした。 ○↑重ねる回数を1回変えるだけでいろんな色に変わって、ふしぎでした。光の反射(?)や色の関係がよくわかって楽しかったです。 ○合宿いきたいです。 ○チューターほしいです。
- セロハンテープと偏光板による色の変化の仕方が非常に興味深かった。スライドガラスとセロハンテープを90°に貼り付けた場合において、セロハンテープを重ねていくと赤(紫)→緑→赤(紫)→緑→・・・のように変化していったが、それを調べて行く過程がおもしろかった。
- 今回は分光器を使ってまず緑色の光をみたデータをとりました。セロハンテープを重ねていき色の変化を見ていきました。一枚増やすだけでだいぶ色がかわっていって楽しかったです。今回はやってないですがネマティックの模様をみるのもやってみたいです。複屈折についてもっと知りたいです。
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星のスペクトルと今回の実習に関する簡単な講義

発光ダイオードの回路を自作

赤外線域で光る発光ダイオードを携帯電話のカメラで見る
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実習指導
長田 哲也 (宇宙物理学教室 教授)
ボランティア
義川 達人(博士課程1回生)
実施場所
理学部4号館5F会議室
実習内容
まず、星のスペクトルから星の成分に関して情報が得られることと、光と電流を繋ぐ光電効果について学んだ。光を電気信号に変換することは天文学の基本である。
次に、光と電流の関係について実感するため、発光ダイオードの回路を自作し、各色の発光ダイオードが光る電圧を測定した。その結果を発表し、色(波長)と発光に必要なエネルギーについて議論を行った。
また、赤外線域で光る発光ダイオードが携帯電話のカメラで”見える”ことを確認し、赤外線についての議論も行った。
受講生の感想
- 今日の体験学習コースは、一見宇宙地球分野とは関係なくて、物理分野のようですが、とても面白かったです。小学校の時にやったような電線の配置で頭を使わないとちゃんとLEDがつかなかったりしました。自分の班の実験結果は、波長が短くてエネルギーの高い青光から、波長が長くてエネルギーの低い赤光までのそれぞれの測定数値がそろったので、興味を持って実験することが出来ました。
- 最初は何をするのかよく分からなかったのですが、自分たちで配線を組み立ててLEDを光らせるという作業をすると聞いてとてもわくわくしました。でも実際にし始めてみると部品は細かいし、つなげる穴はものすごく小さいしでてんてこまいでした。大きな回り道を通ってやっとLEDを光らせることに成功したのですが、配線がこれほど大変だとは思ってもみませんでした。でもその代わり、成功した時の感動は大きくて本当に嬉しかったです。またこんな実験、勉強をしたいです。ありがとうございました。
- LEDを使っての実験を今回はしました。どれくらいの電圧からつきはじめるかというものを調べる実験で光電効果のLEDバージョンです。器具が見たこともないようなものばかりでけっこうおーって思いました。LEDを見たのも初めてできれいだなと思いました。実験は久々でたのしかったです。
- 学校の知り合いが使っていたブレッドボードを初めて使えたので感激でした。なかなか面白かったです。あと、今日は光のエネルギーについての授業でしたが、波長が短い青の光の方が、エネルギーを要するというのを知って、今までイマイチ実体を掴めていなかった光を少し分かった感じがして良かったです。
- 今回の体験学習は、自分で色々と実験をできて、面白くもあり、難しくもありました。難しかったところは、回路を作り上げるところです。発行ダイオードにかかる電圧を変えるために、つなぎ方を変えるのがややこしくて、何度も間違えてしまいました。青色発光ダイオードを光らせるのにたくさんの電圧が必要であることは知っていましたが、自分で実際に証明できたみたいで楽しかったです。
- 今回の実験でLEDに電圧がある程度かかると光ることが分かった。最初は何をしたらよいか分からなかったが、少しずつ分かってきて、各色のLEDの光る最低電圧を、0.3V単位で定めることができた。アインシュタインの「光電効果」について知ることができた。次回の天文台ですることも、これの応用らしいので、しっかり復習して臨みたい。
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カルシウムイメージングによる神経活動記録

グルタミン酸受容体阻害剤を投与

野野生型(左2匹)とグルタミン酸受容体欠損マウス(右2匹)の運動能力の比較
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実習指導
川口 真也(神経生物学研究室 助教)
チューター
坂東 勇輝(博士課程3回生)
田中 進介(博士課程2回生)
実施場所
理学部1号館302号室
実習内容
分散培養した海馬神経細胞にグルタミン酸を投与し、カルシウムイメージング法により神経活動を記録した。グルタミン酸受容体、カルシウムチャネルの阻害剤を投与し、グルタミン酸に対する応答の変化を調べた。途中、麻薬や神経毒の神経系に対する作用の講義を受け、その毒性について学習した。最後に、グルタミン酸受容体を欠損させた遺伝子改変マウスの運動能力を、ロタロッドテストで測定し、シナプス伝達の障害が個体の行動に与える影響について学習した。
受講生の感想
- 学校の授業で神経系を習ったばかりだったので、とても分かりやすかったです。カルシウムイメージングで神経が興奮する様子を観察するというのは、驚きもあり、楽しかったです。グルタミン酸をかけて、神経が興奮しているのを見たときは、とても感動しました。また、カドミウムをかけると、カドミウムがイオンチャネルを通ろうとしてつまってしまい、神経がほとんど興奮しなくなってしまうと知って驚きました。イタイイタイ病の原因がカドミウムだとは知っていましたが、カルシウムイメージングで実際に見てみることで、カドミウムがカルシウムを阻害してしまうことが良くわかりました。ふぐ毒にあたってしまった場合でも、呼吸ができる状態にすれば、いずれ毒は消えるということも初めて知りました。遺伝子組み換えマウスを用いた行動実験も印象的でした。たった一つの遺伝子が違うだけで、マウスの運動能力に差が出てしまうことに驚きました。もともと神経系に興味があったので、とても楽しかったです!ありがとうございました!
- シナプスの伝達での様々な反応を見て、驚きました。グルタミン酸をかけるととても興奮していたのに、カドミウムをかけるとほとんど興奮しなくなり、カドミウムが猛毒であることが目で見てよく感じられました。イオンチャネルにカドミウムがはまってしまって、カルシウムが通れなくなってしまうということがとても興味深く感じました。原始の価数や大きさが関係していることに面白いと思いました。遺伝子を1つだけ失ったマウスを見て、失ったのは1つだけなのにこんなにも動きがにぶくなってしまうんだと、とても驚きました。いろいろなシナプスによる現象を見て、私たちはこのシナプスの活動によって行動しているんだということが非常に良く分かりました。
- シナプスについての講義を、このELCASの一時選抜のときにうけて、非常に興味があったので、今回はとても嬉しかったです。ニューロンにいろんな薬をかけたらどうなるかを観察する実験で、フグ毒やカドミウムをかけると、見事にニューロンのはたらきがなくなったので、薬物の怖さを実感しました。最後に遺伝子組みかえを行った、小脳への伝達ができないねずみを見て、こんなにはっきり成果が表れるのかと驚きました。
- 遺伝子組み換えマウスと通常のマウスでは、運動能力に圧倒的な違いがあった。遺伝子をほんの少しいじっただけで、手にのせてすぐにわかるぐらい、様子に違いが生まれるのは驚いた。人間にも、病気の一種として、そういうことがあるらしい。神経は、生きていく上で絶対に必要な大切なものなのだが、カドミウムなどをほんの少し入れただけで、その働きがにぶくなったり、働かなくなったりするので、同様のことを起こしてしまう麻薬には絶対に手を出さないでおこうと思った。また、そのような働きをする毒は、毒と一言でいっても、作用する場所や仕方が異なると知り、おどろいた。
- 神経伝達の様子や、神経伝達を活性化したりおさえたりする薬品をかけたときの反応を実際に観察することができて、とてもわかりやすかった。イタイイタイ病で有名なカドミウムをかけたときの反応も見れて、いかにカドミウムが危険であるか感じた。さまざまな神経伝達の仕組みを知ることができて、とても複雑なことがわかり、さらに興味を持った。
- 神経のいろいろな薬からの反応を見て、薬が効いている具体的なイメージができました。猛毒といっても、反応が興奮か沈静か違いが有ることも初めて知りました。ねずみを見て、遺伝子を1つ抜いただけで、運動神経がこんなにも悪くなってしまうのかと驚きました。神経について、以前から興味があったので、今回の体験はとても楽しかったです。
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PCでGaussianを用いた計算を行っている


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実習指導
馬場 正昭(電子スピン化学研究室 准教授)
チューター
小若 泰之(博士課程3回生)
実施場所
理学部2号館学生実験室
実習内容
次回のスペクトル解析の準備として、量子化学計算ソフトGaussian09による分子構造および振動計算を行い、スペクトルのシミュレーションを行った。
受講生の感想
- 今日はずっとコンピューターの前に座っていました。GaussViewで振動の様子を見ました。分子などは目に見えないので、動いているのを初めてみて、すごいなと思いました。次は実験なので楽しみです。
- 今回は、GaussViewを使って、様々な振動について調べました。ただのベンゼンでも、色々な振動の仕方があったり、二酸化炭素でも温暖化になる振動とそうでない振動があると初めて知りました。いろいろ試すことができて面白かったです。
- 分子の振動が面白かった。放射性原子を適当に組み合わせた分子のスペクトルを出そうとしたがエラーで計算してくれなかった。放射性物質は分子を作らないのだろうか。
- 今日は実習ができなくて残念だったが、GaussViewという分子の振動を見るソフトを使うことができたので良かった。来週は8人全員がそろうと思うので、4時間みっちり実習がしたい!!
- 今回、僕たちは今まで化学の授業で習った分子の振動などを、モデル化して見せていただきました。自分で自由にモデルを作る時間もあり、楽しく講義していただきました。
- 分子は物質によってとても多様な動きをするのが分かった。分子全体で振動するものと、分子の中の一部分だけ振動するものがあった。大きな分子になると計算に時間がかかって大変だった。作った分子の中ではオクタンが一番面白かった。
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