ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ(第4期)

2011年11月19日  数 学  物 理  宇宙地球  生 物  化 学

数学

実習1

4m+1 型の素数が2つの整数の和で表せることの証明を行う

実習2

:平面グラフに関する主張の証明を行う

実習3

平面上の点に関する主張を球面上の円に関する同値な主張に言い換える

チューター 

 岩木 耕平(数理解析研究所 博士課程 1回生)
 佐藤 敬志(数学教室 修士課程 1回生)

ボランティア

 佐藤 信夫(博士課程1回生

実施場所

 理学部3号館109教室

実習内容

テキスト「天書の証明(Proofs from THE BOOK)」

 4m+1 型の素数が2つの整数の2乗の和で表せることの証明を発表した。

 平面グラフについて、Euler の定理をもとに様々な定理の証明を発表した。

 また、それをもとに直接にはグラフに関係しない定理の証明を発表した。

受講生の感想

  • 4時間は長いかなと思ったけど、すぐに過ぎていきました。高校レベルをどんどん超えはじめている気がする。けど、けっこう面白いです。
  • 今日は発表がなかったので、気楽だった。生徒7人に対し、チューター3人では勢力の均衡がくずれていると思った。
  • 「4で割って1余る素数は2つの平方数の和で表せる」という証明ができて良かったが、復習をしっかりしたい。図形では平面を球面に射影して考えるのがとても新鮮だった。チューターもりあがりすぎ←(笑)
  • 平面グラフに関する定理の証明をいろいろと考えたが、どれも鮮やかで、感動するものだった。
  • 人の前で説明するのは難しいと感じた。もう少ししっかり読み込んでおくべきだと思う。次回もう一度やるので、今度はしっかり説明できるようにしたい。
  • グラフの証明は見ていて楽しかった。やはり自分で発表して証明するのは難しい。相手に理解してもらえるように説明するのが、まだまだ未熟だと感じた。
  • 難しい問題を理解するのはとても楽しいです。予習するのは大変だけど。

物理

実習1

懸濁液の実験

実習指導

 市川 正敏 (時空間秩序・生命物理学研究室 講師)

チューター 

 久保 義嗣(修士課程1回生)

 川井 大輔(理学部 3回生)

ボランティア

 稲垣 紫緒(研究員)

 江端 宏之(博士課程 2回生)

実施場所

 理学部5号館235号室

実習内容

前半 講義

 砂の様々な性質について学んでもらった。

後半 実験

1.加振機を用いて物体の自発的な運動を観察

 物体の対称性の破れにともなう一方向の運動を簡単な 実験によって確かめてもらった。
この実験に関しては初めにデモ実験を行うのではなく、高校生に実際に対称性の破れた物体を作ってもらい運動との関係を考察してもらった。

2.加振機を用いて砂の自発的なパターン形成(heaping)を観察

 水を加振した時に起きるファラデー波と対比することで砂の奇異な性質を実感してもらった。

3.懸濁液の性質

 ダイラタント流体を用いることで、砂とは違うパターン形成を観察してもらった。

受講生の感想

  • 今回は、粉粒体について学んだ。いっけん、粒系のみが粉粒体と思われていたのだが、自然災害や交通渋滞なども粉粒体であることには驚いた。また、後半は実験をした。この実験では「非対称性」が重要で、もう少し奥深く数学を生んでおけば今回の実験はもっとおもしろくなったのではないかと思った。でも、今回の実験はストローや粘土などどこでも買えるものを使ったので、もしかしたら家ですることもできるのではないかと思った。
  • いろんなものを振動させるだけで、波がおきたり六角形が見えたりして、意外でおもしろかったです。振動数やふり幅でまったくちがう反応だったので、びっくりでした。合宿をふやしてください。
  • なかなか気にすることのなかった「粉」についての物理学に触れられたことがとてもよかった。物理学科で粉の物性を詳しく研究しているということ自体を初めて知り、また予想以上に未発見の部分があり、奥の深い分野だと知って驚いた。
  • 簡潔にいうと粘土遊び。不器用な私にとっては酷であった。レポートを発表したが、分散の式が間違えていたか二人のチューターさんが易しく訂正してくれたが、まだまだ統計力学を勉強したりないなぁと自分を省みた。今回の目的は、粉粒体の移動についてだったが、実に興味深いものであった。けれど、理論の大半は未解決のものも多く、よりによって非線形物理ていう分野であり、考えるには難しいが、考えても面白さに引き(惹き)込まれている私は物理屋だなぁ(照。しかれども、その粒子の運動を見てると、世の中に秩序ってやつはないのだなぁとひしひしと感じる次第であった。
  • 今日は「つぶつぶの物理」ということで粉粒体についてしました。結構身近なものがあっておもしろかったです。いろいろなものを用意してくださって液状化現象をペットボトルでみたり、ブラジルナッツ効果はよくあることだと思いました。実験では片栗粉と水を加えて加振器という機械で動きをみました。そのあとガラスの粒をみました。3日前に3回生の方がみつけたものをみせてもらいとても嬉しいです。はやく発表できる段階になってほしいと思います。最後にストローと粘土で自分たちで作ってどうしたら左向きに回るかを考えました。
  • 粉粒について今回学んだが、すごく奥深い分野だと思った。粉粒の独特の性質のひとつひとつが興味深かった。特に100µm, 50µmのガラス玉を振動させたとき、振動数、振幅を変化させると様々な姿を見せ、非常に驚いた。前回のソフトマターに引き続き、自分の考えていた物理というフレームがまた1ついい意味で崩れたので、有意義な体験ができたと思う。
  • チューターさんがホットな研究について教えてくれた。今日の分野は身近な世界についてのもので楽しかった。身近に当たり前のように存在している物質にもいろいろな知られてない性質があっておもしろかった。
  • 今日の実験は今までで1番面白かったです。

宇宙地球

実習1

太陽画像を並べかえた各自の結果を確認

実習2

正解との比較検討

実習3

各自の結果とまとめの議論

実習指導

 石井 貴子 (附属天文台 派遣職員)

実施場所

 理学部4号館

実習内容

 太陽自転速度の測定をテーマの二回目の実習で、天候が良ければ花山天文台で観測予定であったが、あいにく、雨であったため、4号館で、飛騨天文台SMART望遠鏡のデータを用いた自転速度の測定を行った。

 初めに、前回の復習として、分光データからの自転速度の測定を行った。

 その後、SMART望遠鏡で得られた毎日の太陽画像を用いた自転速度の測定を行った。太陽画像については、ばらばらの状態の画像を配布し、黒点やフィラメントなどの太陽面上の構造をもとに、画像を並べかえることから太陽の自転の様子を確認した。各自の結果を見比べ、グループとしての結論を出して、実際のデータと見比べて結果があっているか、それぞれが、いつのデータかを確認した。並べ替えに利用した黒点について、緯度と経度を測定し、自転速度を求めた。各自の結果を見比べ、 これらから、誤差を考え、グループとしての結果の発表をすることを考えた。

受講生の感想

  • 今日は、太陽の自転速度の測定をさせていただいた。人によって、読み取る値も異なり、その読み取った値を使って計算するので、計算によって出された数値は、人それぞれで、おもしろかった。最後は、全員で、1つの黒点を用いて読み取った値を平均して太陽の自転速度を出した。その値は、実際のものよりも半日ほど、ずれてしまっていた。もう一度このような機会があれば、正確な値が出せるように工夫して測定したい。
  • 今回は、雨だったので、4号館で、太陽の自転速求めた。最初は、5週間前に行った、H-alpha線による吸収線を使う方法で行った。結構忘れていたこと、改めてやって気付いたこともあったので、いい勉強になった。次に、黒点の移動を使って自転速度を求めた。最初に、飛騨天文台が9月にH-alpha線で撮影した画像が7枚配られた。順番に並び替える過程で、太陽が自転していることが分かった。最後に黒点の移動を使って自転速度を求めた。誤差が大きかったが、最後にはまとまった。 今回は楽しかったし、みんなでまとまってできてよかったです。
  • 今日は、自分で計算した値から皆との誤差を考えたりしたので、研究の雰囲気が味わえたなぁと思いました。学校では実験しても結果からさらに考えたりすることはなかったので、意見を出して表を書いていくのはとても楽しかったです。内容が難しくて解りずらい所も先生や友達が教えてくれたので、自分で理解しながらできました。2回連続で雨になってしまってどうなるのかと思いましたが、自分で太陽の自転速度を出すことができたので、良かったを思いました。今日やったことをもう一度家でやてみようと思います。
  • 今日はまたしても生憎の雨で、太陽の観測をできませんでした。花山天文台の設備を使って観測するのを楽しみにしていたので、とても残念でした。ですが、与えられたデータから、皆で相談をしてできるだけ正しい値を導き出すというのも楽しかったです。他の人の考え方などから、良い刺激を受けられました。解法も自分たちで1から見つけないといけなかったので、大変でしたが、頭を悩ませた分だけ答えを導き出せた時の達成感は大きかったです。次に花山天文台で実習をする時は晴れるといいです。
  • 今日は、太陽の自転周期を前とは異なった方法で、太陽の表面の黒点やフィラメントを観測し、その時間差による経度の差から測りました。わずか1度のズレで半日変わるというシビアさで、緊張しました。結局上手くは測定できずでした…。残念!。でも、面白かったです。
  • 前回の実習で苦手だなぁと感じた太陽の自転速度の計算は、方法を変えてもやっぱり苦手でした。やる気もあるし真面目に取り組んではいるのですが、どうも計算と相性が悪いようで。結果最後まで周りの人に手伝ってもらうことになり、少し落ちこみました。でも、自分で写真から黒点の位置を割り出して計算することはとても面白かったし、最後に正しい範囲の値が電卓に表示された時はものすごく嬉しかったです。何回やっても上手くいかない、ということもいい経験になったと思いました。次回はみんなについて行けるようにしたいです。そして、今日行くはずだった天文台にもいつか行って、望遠鏡を見たいです。
  • 今回のELCASは、太陽のスペクトルを観測する予定が、雨天のせいで次の天文台に行く日に延期され、少し残念です。代わりとして黒点の位置変化を使った太陽の自転速度の計算を行いましたが、それはとても興味深かったです。皆同じ場所を定規で測定して、同じ値を求めている筈なのに、その測定の仕方や計算の順序、有効数字の解釈に因って、求めた結果の精度が大きく違ってくるのがとても不思議に思いました。自分では一生懸命精確な値を出したすもりでも、皆違っていたりするので、実験結果の計算において、サンプル数を増やすことはとても重要なことだなぁと思いました。

生物

実習1

生物由来の色素。左から、ヘモグロビン、葉緑体、バクテリオロドプシン、PYP

実習2

測定・観察データをPowerPointで解析

実習3

分光光度計で測定した色々な色素の吸収スペクトル

実習指導

 今元 泰(分子生体情報学研究室 准教授)

チューター 

 前田 亮(博士課程1回生)
 澤登 悠子(修士課程1回生)

実施場所

 理学部6号館4F実習室

実習内容

  小型分光器を用いて様々な波長の光を投影し、その色を観察してPowerPointでカラーバーを作成した。

 葉緑体、バクテリオロドプシン、ヘモグロビン、PYPなど生物由来の色素の吸収スペクトルを分光光度計で測定した。それらの吸収スペクトルをPowerPointでグラフにし、物質がよく吸収する色と目で見える色を比較した。

 バクテリオロドプシンの吸収スペクトルを用いて、ヒトの三原色に対応する赤、緑、青の視物質の吸収スペクトルを作成した。

 蛍光灯や白色LED、緑色や赤色のレーザーポインタから出る光を光ファイバーで検出し、実際にどの波長の光が目に届いているかを調べた。また、それらのスペクトルをPowerPointでグラフにした。

受講生の感想

  • 今日は、物質がどの波長をよく吸収するのかを見て、様々なグラフが出て面白かったです。授業でも目について習ったところだったので、よく分かりました。緑に見える物質が赤い光を吸収していて補色になっている事にも興味深かったです。パワーポイントでグラフにするのも、初めは難しかったですが慣れると楽しく、グラフにする事によって違いがとてもよく分かりました。波長の違う光を見て作った色の棒を並べると、綺麗な虹色の赤橙黄緑青藍紫となりました。赤外線も初めて見て、感動しました。
  • 初めて光について詳しく勉強しました。白い光がモノクロメータによって様々な色に分かれていくのは不思議でした。LEDライトや蛍光灯も、見た目は白い光ですが、コンピュータで分析してみるといろんな色の光を発していて驚きました。分光器で吸光度を計ったのですが、そのデータを私たちのパソコンに移すのに大変苦労しました。パソコンは高度で使うのが大変だと実感しました。
  • 今日は、様々な光の波長を調べ、それをグラフで表した。白色光を50nmごとに調べていくと、きれいにグラデーションになったけれど、虹に含まれている色のうち、黄色だけが560nmぐらいでの狭い波長でしか出なかったので驚いた。レーザー光線や白色光の波長をもっと細かくグラフでみてみるとレーザー光線は予想通りある限られた範囲でのみ値がでた。けれども白色光は色々な色が混じっているので、全ての範囲で値が出ると思ったが、グラフは山あり谷ありのギザギザのグラフになり値の出ない波長が多くあったので驚いた。
  • 生物由来の色素がどんな波長を吸収するのか測定した。実際に吸光度を測定する実験は初めてで、とても新鮮な体験ができた。その測定データをもとにグラフを作って、それぞれ比較してみるのが特に印象的だった。又、自分はどの波長からどの波長がみえるのかも分かって、とても面白かった。又、LEDや蛍光灯の光が、ある特定の波長が数種類しか出ていない事が実感できて興味深かった。

化学

実習1

実習2

スペクトルの測定をしている様子

実習3

ガラス細工をしている様子

実習指導

 馬場 正昭(電子スピン化学分科 准教授)

チューター 

 小若 泰之(博士課程3回生)

ボランティア

 丸山 晃弘(修士課程1回生)

実施場所

 理学部6号館学生実験室

実習内容

 最初に赤外分光法や分子の振動についての講義を受けた後、炭酸飲料、人間の呼気を試料としてそれぞれの赤外吸収スペクトルの測定を行った。同時に、量子化学計算ソフトGaussian09により試料に含まれる物質(水や二酸化炭素、エタノール)のスペクトルの計算を行い、実験結果と比較、検討した。

 また、ガラス細工を行い、ピペットなどを作製した。

受講生の感想

  • 今回は分子の振動の話だったが、メインはガラス細工だったように感じた。分子の振動はとても複雑で、細かい振動はよくわからなかったが、大まかな特徴はつかむことができた。ガラス細工は初めてだったが、いろんな形が作れておもしろかった。
  • ガラス管を曲げて、ピペットを作りました。最初のうち、思い切り悪くてあんまし、上手くできませんでした。有機に高校の授業も入って、だんだん分かるようになってきて嬉しいです。
  • 今回は炭酸ガスとエタノールの検出を行いました。実験で測定した値と、理論値を見比べて存在を確かめました。大きくズレた時には、その原因を確かめる作業を行い、しっかりとした計測について学ぶことができました。
  • 今日はCO2・H2O・エタノールなどの赤外吸収スペクトルを計算し、実際の測定結果とどれくらい一致するかを調べた。また、ガラスからスポイトを作ったり、マドラーを作ることもでき、学校でできない体験もすることができた。次の研究所はどこか分からないが、また面白い実験ができたならと思う。
  • 今日は赤外スペクトル計測、ガラス細工をしたが、両方面白くて良かった。赤外スペクトルは自分の息を提供したが、CO2のスペクトルもうまく出て感動した。ガラス細工は、熱かったが楽しくて良かった。今までで一番楽しかった。
  • 今日は色々な物質を、赤外線で吸収量を測って、スペクトルを出しました。きちんと分子の値に応じてスペクトルが出るので、凄かったです。あと、ガラス細工をさせていただきました。売っている実験器具がどうして高いのかが良くわかりました。作るのはとても難しかったですが、楽しかったです。

過去の体験コース
2011年

9月17日

  10月 1日
  10月15日
  11月 5日
  11月19日
  12月 3日
  12月17日
2012年
1月 7日
  1月 21日
  2月 4日
  2月18日
第3期以前の体験学習コース