ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ(第4期)

2011年12月 3日  数 学  物 理  宇宙地球  生 物  化 学

数学

実習1

Pickの定理の紹介

実習2

Pickの定理の一般化について議論

実習3

5色定理の証明

チューター 

 岩木 耕平(数理解析研究所 博士課程 1回生)
 佐藤 敬志(数学教室 修士課程 1回生)

ボランティア

 佐藤 信夫(数学教室 博士課程 1回生) 

実施場所

 理学部3号館108教室

実習内容

 前半は「格子点を頂点に持つような多角形の面積は、辺の上にある格子点の数と内部にある格子点の数によって計算できる」というPickの定理について議論した。証明の中で線形代数の考え方が現れる難しい部分もあった。

 後半は、「平面グラフを塗り分ける際には、5色あれば十分である」という5色定理についても議論した。

 次回はRiemannのゼータ関数の値を計算する予定である。

受講生の感想

  • ここのところ、主にグラフ理論の章を読んでいます。予備知識を必要としないグラフの話はやりやすいけど、証明を理解する中で線型代数など大学数学の知識も吸収していかなければなりません。それゆえ、ひとつの章を読み終えたときの達成感はなかなかのものです。問題を解き終わると、そこから新たな問題が生じるのは数学らしくて面白いです。
  • 今日は5色定理の証明の発表を担当しました。発表は20分程度で終わりましたが、より難しい4色問題に今回の方法でアプローチできるか考えてみたいと思います。
  • 格子点の個数と図形の面積の関係は面白かった。5色問題は難しかった。先日の合宿で得るものが多かったので、また合宿を開いて欲しい。
  • Pickの定理を一緒に議論した。三角形分割の可能性や、高次元への一般化など、まだまだ興味深い論点があって楽しかった。また、5色定理を越えて4色問題を議論するのは頭を使った。
  • 今回はチューターさんの助けのおかげで発表できた。今後は自力で理解できるようになっていきたいと思う。
  • Pickの定理の証明はが比較的分かりやすいので、友達にも教えたくなった。5色定理の独特な証明を見て不思議な感じがした。
  • 今回の内容も理解できたけどやっぱり難しい。英語のテキストにもやっと慣れてきました。今後もめげずに頑張ります。

物理

実習1

原子核についての講義

実習2

放射線測定装置の説明

実習3

測定データをグラフにプロットする

実習指導

 川畑 貴裕 (原子核ハドロン研究室 准教授)

 新山 雅之 (原子核ハドロン研究室 助教授)

チューター 

 村上 洋平(理学部 4回生)

 中塚 徳継(理学部 4回生)

実施場所

 理学部5号館501号室

実習内容

 まず初めに川畑先生による原子核と放射線の講義が行われた。内容は、原子核とは一体何かということから核融合、核分裂など多岐にわたっていた。

 その後実験の内容に絡めて放射線についての話が行われた。実験ではNaI検出器を用いて放射線計測を行った。検出器から少しずつ線源を離していくことで計測数がどう変化するかをプロットした。そのグラフを見ることで放射線測定において計測数が距離の2乗に反比例することを確かめた。

 遮蔽についての実験は時間が足りなかったため、次回に持ち越された。

受講生の感想

  • 合宿に行きたいです。原子核の世界ということで今日は説明を聞きました。放射線の話や最近の原発についてつながる話だったので結構身近に感じました。実習では最後まですることはできなかったですが、次回できるということなので楽しみです。
  • 原子についての話から、核分裂、核融合の話、放射線に関する話まで詳しく知ることができた。特に放射線に関する話はα線、β+線、β-線、γ線がどんなものか大まかにしか知らなかったので非常に参考になった。合宿に行きたいです。
  • 合宿行きたいです。このままだと去年の半分しか合宿にいけないので、ぜひ行くべきです。実験は、距離によって計測数が全く変わっていたので面白かったです。グラフを描くのが楽しかったです。
  • 原子核については良く分かったと思いますが、実習の時のデータの処理の仕方が意味が分かりませんでした。また、そのデータをグラフ化する際の手順も意味が分かりませんでした。お願いですから高校一年生向けの補講をしてください。高校二年生の物理の内容も知らない私には難しすぎる内容が盛りだくさんなので、本当に本当に補講をしてください。
  • 今回は放射線というタイムリーな話題だったが、実に興味深いないようだった。「遮蔽」というのは今全国の人々が関心を集めていることだが、実に簡単な方法で防げるのだ。 1.金属で放射性物質を覆う 2.逃げる 逃げれば逃げるほど距離の2乗に反比例して放射線量は減る。これは常識だと心に銘じよう。今回は2つの事実を確認する実験をしたが。予想に反した結果がでて「秩序が...」としみじみと感ぜられた。けど、こんな明らかな結果が出るとは思わなかったが面白い事実が分かってよかった。
  • 合宿に行きたいです。合宿のことで頭がいっぱいです。とてもおもしろかった。川畑先生の話はとても面白かった。だから難しい話も理解できてよかった。単位で”せつない”というのはあってよかったです。
  • 合宿に行きたいです。チューターの先生が欲しいです。ELCASで宿題が出るとは信じられないです。楽しかったです。川畑先生のおかげで合宿にいけそうで良かったです。
  • 最近話題になっている放射線についての話で、とても興味深く聞かせていただいた。とくに各々のdecaymp種類の話はあやふやになっていたのでしっかりと頭が整理されてよかったと思う。実験は時間が足りなくて中途半端になってしまって残念だった。オープンコアコースのある日は2時間と実習、時間が少ないので物足りないと思う。実験を熱望している人がいるようなので、するにせよしないにせよ公式のアナウンスをお願いしたいです。もっと課題が欲しいです

宇宙地球

実習1

回折格子による分光の原理の説明

実習2

簡易分光器の作成

実習3

自作した簡易分光器で白熱電球を見る

実習指導

 長田 哲也 (宇宙物理学教室 教授)

ボランティア

 義川 達人(博士課程 1回生)

実施場所

 理学部4号館5F会議室

実習内容

 CD片を回折格子代わりにした、簡易な分光器の自作。

 まず、回折格子による分光の原理の説明をした。

 次いで、型紙から分光器の枠となる部分を切り出して組み立て、その中にCD片を挿入し、簡易な分光器を作成した。

 作成した分光器で蛍光灯・白熱電球・LEDを見、その違いについて議論した。

 実習とは別に質疑応答(主として天文に関するもの)の時間もあった。

受講生の感想

  • 今日は、まず最初に回折格子を作った。紙製のものだったが、蛍光灯、LEDなどの光を分けることが出来た。今度は太陽も見てみようと思う。
    次に、皆の質問に先生が答えてくださった。色々な質問が出たが、先生の回答で、現在の研究で分かっていること、分かっていないことが分かってよかったです。宇宙について考えることができる機会を与えてくださり、感謝しています。
    あと、天文台で天体を皆で観測したいな、と思います。
  • 今日の体験学習コースで実習した内容は、学校で何度もやったことがありました。ですが、自分で分光器を作ったことはなかったので、楽しかったです。それに、最後先生が皆の質問に答えてくださったのも、とても興味深い内容だったので、良かったです。今日のオープンコアコースで聞かせてもらった話とも関連付けることができました。今までイマイチ理解できていなかった相対性理論についても面白いお話を聞かせてもらえました。
  • 宇宙について抱いていた色々な疑問に答えていただいたので、すごく満足感があった。「やっぱり宇宙は面白い!」と思った。今回の体験学習では、回折格子から光についての学習をしたが、今まで同じように見えていた光が、実は発しているものによっていろいろと違うのは驚きだった。
  • 工作は細かい作業でしたが、それでいろんな光を観察できて楽しかった。光によってこんないろいろあるということを知ってとても興味深く思った。最後に宇宙についていろいろな質問をできてよかった。
    その宇宙の話の時に人がわかる範囲は空間と時間の中だけだと聞いて結構納得した。謎が多すぎるなーと思った。
    今日作った光をみるものでいろんな光を観察してみたいと思った。
  • 面白かったです。自分の手で簡単な分光器を作って蛍光灯と白熱灯とLEDライトの光を比べましたが、分光しただけで光の間の黒い線のあるなしなどの異なった点が分かり、光の種類の違いを実感しました。いろんな光を家や外で見比べたいと思います。光の波長については前から知っていましたが、やっぱり生で見ると一番理解できました。小学校でも授業でこういうことをしたら、きっと子供の時から理科を好きになる子が増えるんじゃないのかなーと思います。
    そして、授業の最後に、私たちが紙に書いたたくさんの質問のすべてに細かく素早く答えてくださったことが一番印象に残りました。マニアックな質問でもとことん解説してくださり、いろいろな疑問が解決しました。すごくすっきりしたし楽しかったです。
  • 今回の体験学習コースは、本題である「CDを用いた簡易分光器」の他に、宇宙に関する様々な疑問があって、とても興味深かったです。今まで宇宙に関して自分が持っていた疑問が解決すると思って、ブラックホールや生命の存在について質問をしたのですが、逆にもっとそれらに対しての疑問が深まって、さらに知りたいことが増えたので、やはり宇宙は不思議だなぁと思った

生物

実習1

観察のための試料作製法についての説明

実習2

電子顕微鏡による観察の様子

実習3

マウス大脳シナプスの電子顕微鏡像

実習指導

 藤吉 好則(構造生理学教室 教授)

チューター 

 志甫谷 渉(理学部4回生)

ボランティア

 西川 幸希(共同研究員)、 鈴木 博視(共同研究員)

 下村 拓史(共同研究員)

実施場所

 理学部1号館413号室、構造生理学棟3階

実習内容

 電子顕微鏡を用いたマウス脳組織の超微細構造の観察。

 マウスの灌流固定法、固定後の組織の脱水、樹脂への置換と包埋、そして重合してから超薄切片までの一連の作成方法をスライドで説明した。時間の都合上スタッフ側が用意した切片を用いて、電子顕微鏡での観察を行ってもらった。

 視野移動、倍率の変換や撮影などは実際に高校生達に行ってもらい、電子顕微鏡を用いないと見ることが出来ない細胞内構造(細胞小器官)の観察を行ってもらった。電子顕微鏡についての説明や、細胞の微細構造について説明を行い、生物への興味を高めてもらい、理解を深めてもらえたと思う。

受講生の感想

  • 電子顕微鏡を初めて使ってとても新鮮でした。細胞をあんなに細かく見たことがなかったので、いい経験になりました。シナプスに興味があったので、じっくりと観察できてよかったです。教科書でしか見たことのない、ミトコンドリアや核も本物を見れてよかったです。他にも、知らなかった細胞のことを知れて勉強になってとても楽しかったです。また機会があれば電子顕微鏡を使ってみたいです。このような経験をもっと沢山したいので、また、合宿へ行きたいです。
  • 今日は電子顕微鏡を使うのは初めてだったのですが、うまく細胞の形を見ることができてとても良かったです。始めはよくわからないものが画面に映っているだけだったのですが、詳しい説明をいただいたおかげでなんとなくですが、脳の細胞や血管がどのように並んでいるのか分かったような気がしました。血管の周りを電気が漏れるのを防ぐ膜みたいなものが被っているというのは新たな発見で驚きました。今までの顕微鏡とは比べ物にならない倍率の顕微鏡で見ることができてとても楽しかったです。
  • 今日初めて電子顕微鏡を操作した。今までよく見慣れた細胞や核だけではなく、ミトコンドリアの二重膜や核膜、リボソーム、ゴルジ体など図だけでしか見たことのないもっと小さな世界を実際に見ることができて、とてもよかった。特に、シナプスにあるシナプス小胞が本当に袋状のものが並んでいるものとして見ることができとても印象に残った。電子顕微鏡で見るためには、見る前に非常にたくさんの準備をする必要があることを知ってとても驚いた。
  • 教科書に写真がのっているようなミトコンドリアや核といったものを、実際に電子顕微鏡で探し見ることができた。ミトコンドリアの内部を見れたときは少し感動した。科学の発展した現在でも、まだ細かすぎて見えないところや染色する薬の限界などがあり、ただ、倍率が上げられるようにすればいいわけではないのが不思議だ。もっと時間がかかる作業もあるようなので、そういうのも体験したいので、合宿があればいいと思います。
  • 今日は生まれてはじめての電子顕微鏡を使わせていただきました。電子顕微鏡は今まで名前を聞いたことしかなくて、どんなものだろうと思っていたので、観察することもできて本当に嬉しかったです。教科書で見ていたようなミトコンドリアや書くの内部がよく見えて驚きました。脳のとても細かい毛細血管の壁の構造がわかるくらい見ることができました。電子顕微鏡は構造も高度だけど、試料を作るのも高度な技術が必要だとよくわかりました。合宿に行きたいです。
  • 初めて電子顕微鏡の実物を見たので、とても感動しました。想像よりも大きく、値段も数千万もすると聞き驚きました。学校の生物の授業で細胞の構造を習ったときから、細胞に興味を持っていたので、今回電子顕微鏡で細胞の構造を観察することが出来て何もかも新鮮でとても楽しかったです。実際に電子顕微鏡の操作をやらせてもらえて貴重な体験ができました。また、電子顕微鏡を使って細胞を観察するには、超薄型切片法という方法を用いることを初めて知りました。この方法には何段階も準備が必要で、観察以前に試料を作成することに多くの時間がかかるようなので、とても驚きました。今回も貴重な体験をすることができて楽しかったです。ありがとうございました。今後も様々なことを体験したいので、また合宿に行きたいです。

化学

実習1

実習3

講義中の様子

実習指導

 矢持 秀起(分子性材料研究室 教授)

チューター

 西村 翼(修士課程1回生)

 原口 知之(修士課程1回生)

実施場所

 総合研究5号館302号室

実習内容

 研究室で取り扱っている電気を流す有機物について矢持教授が講義を行った。また再来週に行う実験について説明し、その実験で起こる反応のメカニズムを高校生に知ってもらった。

受講生の感想

  • 有機物はあまり電気を流さないようなイメージをもっていたが、通すものもあり、それを作れるというのがわかり、少し有機物に対するイメージが変わったように感じた。原子の結合や軌道の話は参加日の前日に学校で習ったところだったのでわかりやすかった。次回の実験もしっかり理解したい。
  • やっぱり大学の授業は難しかったです。初めは、原子の解説からで結構簡単だなと油断していました。
  • 今回は「電気を流す有機物」という学問について、次の実験へとつながる講義をしていただきました。順を追って丁寧に説明していただき、わかりやすく教えていただきました。今まで習っていた化学の裏付けができたりと、ためになる体験となりました。
  • まだ学校で習っていない有機の範囲だったが、どうにかして理解できた。今週は講義を聞くだけであったが楽しかった。来週は4時間みっちり実習をしたい。あとできたら合宿をしてほしい。
  • 今日は再来週の実験に備えて、講義を受けました。先生がおっしゃったように、高校生にはまだ理解できないようなムズカシすぎる内容だったんですが、わかった顔をして帰りたいと思います。再来週の実験はTCNQ錯体なので、頑張りたいと思います。
  • 今日の講義の前半は知っている内容が含まれていて、理解できたような気がしました。後半は「錯体」などについてで、少し難しかったです。けれど、先生が「わかった顔で聞け!」という名言を教えて下さったので、今日のことが他のことにも生かせるようにしたいです。
  • 今日は2時間講義で、退屈かなと思いましたが、授業では詳しく教えていただけなかったところなど説明していただき、少しは分かったような気になりました。次回の実験がとても楽しみなので、欠席しないよう体調管理に気をつけようと思います

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