ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ(第4期)

2011年 12月 17日  数 学  物 理  宇宙地球  生 物  化 学

数学

実習1

自然数の平方の逆数の和が π^2/6 になることの
証明の一部を発表する

実習2

グラフに関する問題を解いて、それを解説する

実習3

整数論の問題を考える

チューター

 佐藤 敬志(数学教室 修士課程 1回生)

ボランティア

 佐藤 信夫(数学教室 博士課程 1回生) 

実施場所

 理学部3号館109教室

実習内容

 テキスト「天書の証明(Proofs from THE BOOK)」

 自然数の平方の逆数の和が π^2/6 になることの証明の一部を発表した。

 その公式に関し、Euler が与えた別の証明を受講生が発表した。

 受講生がグラフに関する問題を提示し、それを解いた。

 チューターが整数論の問題を提示した。

 次回はRiemannのゼータ関数の値を計算する予定である。

受講生の感想

  • 力ずくで解いた問題をチューターさんが簡単に解いたので、ちょっとショックだった。
  • 今日は証明する人が少なかったので、問題を解く機会が多かった。しかし、時間内に答えを出すことはできなかったのが悔しい。
  • 今日はチューターさんに手伝ってもらうことが多かったけれども、おかげで何とか理解できて楽しかった。平方数の逆数の総和がπ^2/6となるのは面白いと感じた。
  • 今年は年内最後の活動で、数学の問題を出し合ったりした。来年も頑張っていきたい。
  • 今日はやる事が少なくて退屈だった。
  • 感想

物理

 

実習1

実習2

講義の様子

実習3

放射線測定の実習

実習指導

 川畑 貴裕 (原子核ハドロン研究室 准教授)

 新山 雅之 (   同    助教授)

チューター 

 村上 洋平(理学部 4回生)

 中塚 徳継(理学部 4回生)

実施場所

 理学部5号館501号室

実習内容

 まず川畑先生の指導の下、放射線測定において検出器と線源との間に遮蔽物を入れた時、遮蔽物の厚さや種類を変えることでどのように検出器の応答が変わるかを確かめた。その後なぜそのような応答になるかの講義があり、放射線遮蔽には”重さ”が大切であることを学んだ。

 次に新山先生の原子核の崩壊についての講義によって、原子核の崩壊に伴って出てくる放射線を測ることで原子核の特定をすることを学んだ。実習ではヨウ化ナトリウムとゲルマニウムのシンチレーターを使って実際に線源や茨城県の土などのスペクトルを測定し、中に含まれている原子核を特定した。最後にpp-chainや超新星爆発など宇宙の元素合成や、話題のHiggs粒子についての講義が行われた。

受講生の感想

  • 川畑先生の授業がたのしかったです。オプションコースも楽しかった。
  • 今日も原子核の崩壊について詳しく学んだ。自然放射性物質であるカリウムの放射線が意外にも強いことに驚いた。またコンプトン効果の影響が実際に観測へ現われていて、式の上のみで理解していたことを自分の目で見ることができ、非常に良かったと思う。
  • 合宿行きたいです!ここの研究所にもう一回行きたいです。
  • 近似曲線を求めるのに苦しんだが尽力しました。結局まともな近似直線を得られなかったが、これは秩序の無さによるものだと決め付けると、仕方がないことだなぁ...。
  • 私は途中から参加したのですが、参加しなかった黒板の内容を読むと全く意味が分かりませんでした。私が参加したところで言うと、テレビで一時放送されていたシーベルトとベクレルの違いが分かったことはとても良かったと思います。また、2011年に解決しないといけない11の問題の内容が難しすぎて到底私には及ばないと思いました。冬休みに補講をしてください。
  • 今回は放射線に関する実習、講義があった。前回出来なかった遮蔽物と放射線の関係を調べる実験を行った。実験結果をもとに片対数グラフにデータをプロットしていき、そのグラフをもとに遮蔽物が放射線を防ぐ量には「重さ」が関係していることが分かった。途中式の導出において微分方程式を用いるときに未習であったため少し戸惑ったが最終的に導けたので良かった。また放射線の測定によって元素を分析する実験では、800万円もする機材を使用させてもらい、貴重な体験が出来た。時事的なヒッグス粒子の話も分かりやすく解説してくださり、非常に充実した一日を過ごせた。午前中から特別授業があれば、是非是非参加したいと思う。
  • 前回の続きからでした。今までで一番内容が濃かったと思います。分からないところを細かく教えていただけたので良かったです。対数グラフも初めて描きました。シーベルトとベクレルの違いを知れたので、今回は本当に良かったです。液体窒素も手で触れることが出来てよかったです。

宇宙地球

実習1

実験手順説明中の様子

実習2:  ピンホールでの光の回折の紋様を、部屋の後の壁に投影して確認している様子

実習3

フィゾー干渉計を作る光学素子。立て置きの紙上に干渉縞ができている

実習指導

 岩室 史英 (宇宙物理学教室 准教授)

実施場所

 理学部4号館504号室

チューター

 田中 健嗣 (修士課程 1回生)

実習内容

 レーザポインタ、レンズ、ピンホール、ハーフミラーなどを使用して学校で習う光の屈折・回折・干渉などの現象を、 実際に自分で作り出して体験してもらった。 また、その現象が最先端の天文学で実際どのように応用されているかの紹介も行った。

受講生の感想

  • 今日の体験学習コースは、光の回折・干渉を用いた実験だった。 最初の方は、理論の説明で、実際にそのような現象が起こる場合は、どのような見え方をするのか、あまり想像もつかなかったが、レーザーポインターを使って実際に回折・干渉の像を見ると、光に対しての世界観が変わった。 それは、授業で習ったり、問題で解くのとは違って、貴重な経験だなあと思った。 今後、学校でも光の回折や干渉、屈折等の分野を物理の授業で習うので、その時は、今回の実際に実験したものを思い出して、より深い理解の為に活用したい。
  • 今日は4時間近くずっとみっちり実験をしたので、とても充実した4時間でした。レーザービームを使って光の「回折」と「干渉」について実験しましたが、理論上のことを数式で説明されていて、いまいちピンとこなくても、自分で接眼レンズやしぼりを使って実際にやるとよく分かってよかったです。自分たちで光を通すところの形を変えたり、焦点距離を変えたりして工夫するとより楽しかったです。初めて光の性質について詳しく勉強したのですが、高校の物理ではあまりやらないと聞いて少し悲しかったです。自分でがんばって勉強します!
    分かりやすい説明と面白い実験、ありがとうございました。とても楽しかったです。
  • 今回は回折と干渉についての実験を行いました。レーザーを使う実験でちょっと触れただけで消えちゃったり揺れたり、なかなか細かい作業で苦労しました。またずっとレーザーを見ていると、目がすごいチカチカして大変でした。実験は何個もしたのですが、そのたびの解説が私にとっては難しくなんとなくわかる程度でしたが、それを使って星の直径がたとえほとんど見えないくらい暗いものでもわかるという話を聞いて、ここまで応用できるんだなぁと感じました。実験の時にできる回折や干渉による模様がとてもきれいで思わず写真をとってしまいました。いろんな形の穴・スリットをつくっていろんな模様がみれて楽しかったです。
  • 私は今日の体験学習コースに遅れてしまいましたが、面白い現象をたくさん見ることができました。中学校の頃に少し習った光の屈折や焦点距離を実際に見ることで身近に感じることができました。今まで光は合わせれば合わせるほど明るくなるものだと思っていましたがそうではないということに驚きました。また、これは今日の体験学習コースにあまり関係のないことですが、いつかまた合宿をやってほしいです。去年ELCASに参加されていた先輩が、天文台での合宿がとても良かったとおっしゃっていました。私たち4期生もぜひ合宿をまたやってもらいたいです。お願いします。
  • 「回折」や「干渉」を自分で実験できて、なぜそのようなことが起こるのかということを、図で説明してもらえたのでより深く現象を理解することが出来ました。まだ学校で習っていない単元でしたが、解りやすく説明してもらえたので楽しめました。「この現象は、こうゆうことに役立っている」ということを教えてもらえたので、実際にどんなふうに使われているかを知ることができて嬉しかったです。最後に「まとめ」をしてもらえたので一日の体験をおさらいすることができました。ありがとうございました。夜の星空の観察とかができるとうれしいです。
  • 今日は、光の回折について学んだ。様々な実験をした。
    壁にレーザーを当てて、様々な様子を見た。次に干渉の様子も見た。 干渉とは、回折によって生じた波が重ね合わさってできる現象らしい。これも、不思議な様子が見られた。P.S.今度、天文台で合宿をし、夜通し星空を見たいです。
  • 今日はレーザー光を使って回折や干渉を実際に作った。丁寧に教えていただいたので、最初はよくわからなかったことも最後にはわかるようになった。問題で見ていてよくわからなかったものも、実際にやってみたらよくわかった。机での勉強をすることも大切だけど、実際にやることもとても大切だと思った。P.S.天文台で合宿したいです。

生物

実習1

二人一組のペアで個体追跡をしながら行動観察と瞬間サンプリングによるデータ収集を行う

実習2

観察小屋で形態の観察を行う

実習3

収集したデータの分析を行う

実習指導

 井上 英治(人類進化論研究室 助教)

チューター 

 川添 達朗(博士課程 4回生)

 坪川 桂子(修士課程 1回生)

実施場所

 嵐山モンキーパークいわたやま

実習内容

  京都市西京区の嵐山モンキーパークいわたやまにて、ニホンザルの観察およびデータ解析方法の解説を行った。実習は研究者が実際に行う、データ収集と解析を追体験することを目的として以下のような内容で行った。

 午前中は参加者に二人一組のペアを組んでもらい、ペアごとに決めた特定の個体を1時間追跡して瞬間サンプリングという手法を用いて行動観察とデータ収集を行った。その後、昼食をとりながら、チンパンジーのビデオを、ニホンザルとの類似点や相違点などの解説を加えながら視聴した。午後からはニホンザルの形態に関する理解を深めるために、特に顔と手足に注目してそれぞれの構造の詳細な観察を行った。さらに、講師の指導を受けながら午前中に取ったデータ分析をし、データ解析の手法に触れてもらった。

受講生の感想

  • 近くでニホンザルをよく観察したのは初めてだったので、とても新鮮でした。私は順位が高いおばあちゃんザルを観察しました。1分ごとに行動を記録するのを1時間続けていくのは大変な作業でした。それでも1時間のうちに、ピーナッツやリンゴをもらって食べたり、毛づくろいをしたりされたりしていました。じっとして寝ていたりと、サルも様々な行動をしていることがよく分かりました。オスとメスの性別の違いや、階級の違いによっても、行動に差があることも、データから確認できました。サルをずっと観察してデータを集めていく作業はとても大変なんだなということがよく分かりました。また実際にピーナッツやリンゴをあげましたが、必死にエサをもらおうとしていて驚きました。ピーナッツの中身の無い殻だけをあげてみても、すぐに中身がないことに気づいてポイッと捨てていました。とても賢いいなと感じました。今回、身近にサルを観察できてとても貴重な体験ができました。楽しかったです。ありがとうございました。
  • 今日は嵐山モンキーパークでの体験学習でした。午前中に1時間1匹のサルを追跡して行動分析をするということをしました。私たちが担当した「クビカシゲ」という30歳のオスは、お年寄で孤独が好きなせいか毛づくろいを全くしませんでした。こんなサルもいるのかと驚きました。また、午後に、金網越しにエサをやったのですが、サルにいたずらしようと思って殻だけのピーナッツを渡すと、投げたり怒ったりしてだまされなかったので、賢いんだなと思いました。とても楽しかったです。ありがとうございました。
  • 初めて本格的なサルの行動観察をしました。性別や順位など様々な違いによって行動が異なった。私が観察したのは、順位の高いオスだったのだが、そのサルは、今がちょうど交尾期なのもあって、メスの近くで座っているか、自分のお気に入りのメスや、その他のメスを求めて歩き回っていた。メスのサルや、順位の低いサルでは、エサを食べたり、毛づくろいをしたりすることもあったようだ。サルが足を伸ばして座っているともう着ぐるみを着た人間が座っているとしか思えず、金網の間から器用に手を伸ばしてエサを食べる姿は人間そのものと思えた。やはりサルは人間に近いと改めて実感したが、その反面、思わず笑ってしまうようなところもあり不思議だなと思う。一日実習ができたので、とても楽しかったしいい経験ができました。
  • 今日初めて動物行動学の研究に触れることができた。実際に、ある一つの個体を追いかけてデータを取るという体験ができて、実際の研究がとても大変であるということを感じた。今まで、サルをはじめとする動物は、観察するといっても何となくしか見なかったが、これからは今日学んだことを生かして新しい目線から行動を観察するということをやってみたい。また、今まで知らなかったサルの意外なことを学べてとてもよかった。合宿に行きたいです。
  • 今日はとてもサルが賢いのだなと改めて感じました。池に落ちた子ザルを近く似た人のせいだと思って怒っていたのを見て、常に考えながら動いているのだなと感心しました。また統計による理論的な調査で本当にサルに階級があるということが分かって人間の社会にとても近いなと思ったし、やはり人間の祖先はサルなのだなと人間と比較して思いました。エサをもらおうとしてももらえなかったりすると怒っていて、サルにも感情があるのだなと思いました。今日の科学的な検証の仕方を自分が大学生になった時のためにしっかりと覚えておきます。
  • 初めて決められた1頭のサルを追いかけてその猿がどのサルと一緒にいるのかどのサルが嫌いなのか、どんなことをして過ごしているのか、どんな性格をしているのかなど細かいところまで観察して楽しかった。サルの研究をしている人は100時間くらい追いかけると聞いたとき、すごい精神がいると思った。またサルの手や顔を細かく観察して新たな発見をたくさんした。データを見ても、オスとメス、階級の違いで生活が全く違って小さな社会がサルの間にあることが実感できた。動物園とかでサルを見かけたら1匹をじっと見てみたいです。

化学

実習1

撹拌してTTFをアセトニトリルに溶かす

実習2

(TTF)(QCl4)の温度変化を確認するためにカバーガラスに挟む

実習3

スペクトル吸収測定のための試料調製

実習4

中野助教によるスペクトル測定の解説

実習指導

 矢持 秀起(分子性材料研究室 教授)

 中野 義明(    同     助教)

チューター

 西村 翼(修士課程1回生)

 原口 知之(修士課程1回生)

実施場所

 総合研究5号館302号室

実習内容

 (TTF)(QCl4)錯体を合成し、テスターでの電気抵抗の測定、液体窒素につけて色の変化の観察を行った。

(TTF)(TCNQ)錯体を合成し、テスターでの電気抵抗の測定を行った。

またTTF、TCNQ、(TTF)(TCNQ)について紫外-可視-近赤外スペクトルを測定し、TTFとTCNQの溶液を混ぜることで電荷移動錯体である(TTF)(TCNQ)ができることを確認した。

受講生の感想

  • 今日は4時間実験で終わった時とても疲労感がありましたが実験中はとても楽しかったです。前回の講義ではあまりわからなかったところも測定したデータを見ながら説明を聞くと少しわかった気がしました。細かい作業が苦手なので、辛いところもありましたが実験できてよかったです。実験中カバーガラス2枚も割ってすみませんでした。
  • 今日の実験は細かい作業が多く、大変でした。特に質量を測るときが難しかったです。光の吸収も見ましたが、TTF、TCNQ、錯体を比べて、錯体だけのところもあって、理論は難しかったですが、目に見えてわかりました。
  • 今日は4時間みっちり実験をして、疲れたけど楽しかったです。私は遅れてくる子の代理もさせてもらったので(TTF)(QCl4)も(TTF)(TCNQ)も両方作製させてもらうことができました。作製はドラフトの中で多くの行程を経て行ったので、完成したときは達成感がありました。カバーガラスを2枚も割ってしまってすみませんでした。自分の作った錯体のうち、1つは電気を通さなかったのですが、もう1つの方は無事(?)電気を通したのでよかったです。スペクトルの測定も、細かい作業が多くて大変でしたがグラフが思った通りに出てよかったです!ありがとうございました!
  • 前回の講義を休んでいたので今日の理論や内容は、最初は理解しがたかったが、説明を聞いているうちに、普通は電気を通さない有機物の中にも電気を通す(TTF)(TCNQ)という物質があり、その物質を作ることが目的だとわかった。質量、体積測定など繊細な作業が多かったが、最後は(TTF)(TCNQ)が精製し、それに電気を通せることが確かめられてよかった。また、スペクトル測定によって、その物質の色などを理論づけることができて納得した。
  • 今日の実験はかなり難しかった。有機物に電気を流すという実験を行ったが、何故電気が通るのかというところを理解しにくかった。けれど色の変化や紫外‐可視‐近赤外スペクトルのグラフを見た時は感動した。学校でも有機について習い始めたので、今後はもっと実習の内容について理解しやすくなるだろう。来月は実験ばっかりやりたい。きたような気がしました。後半は「錯体」などについてで、少し難しかったです。けれど、先生が「わかった顔で聞け!」という名言を教えて下さったので、今日のことが他のことにも生かせるようにしたいです。
  • 今回はTTFとTCNQ、クロラニルの3つの溶液をそれぞれ混ぜ、その変化を調べる実験を行いました。低温にすると色が変化する、電気を通すようになるなどの変化が見られました。また、混合する前と後の吸光度を求め、なぜそのように変化するのかということについても詳しく解説していただきました。得られた結果から要因を考えてゆくということを学ばせていただきました。
  • 器用な技術は自分には向いていないなと実感しました。けど、理論説明は実験で見た試料の特徴と、出てくるデータの解釈が一致してすっきりとした気分になれました。けど、前回のプリントの内容は、後半部分がわからなくてモヤモヤしてます。
  • 今日は学校の行事のため途中からの参加となってしまった。実験室に来てすぐに吸収スペクトル測定の操作を行ったが、ある程度学校の授業で練習をしていたものの、あまりよく知らない物質を扱っていると思うと緊張した。光の吸収が電子の移動であるという話は今までほとんど知らなかった光について、原子のレベルで理解できて面白かった。ここで学んだことを学校の授業にも生かしていきたいと思う。

過去の体験コース
2011年

9月17日

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