ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ(第4期)

2011年1月21日  数 学  物 理  宇宙地球  生 物  化 学

数学

実習1

p-進関数の定義をし、その性質の説明をする

実習2

Monskyの定理を証明する

実習指導

 伊藤 哲史(准教授)

チューター

 佐藤 敬志(数学教室 修士課程 2回生) 

実施場所

 理学部3号館109教室

実習内容

 テキスト「天書の証明(Proofs from THE BOOK)」

Chapter 20. にて、学生がp-進関数|・|_pを定義し、その性質を紹介して、Monskyの定理の証明を発表した。

受講生の感想

  • 4時間の体験学習コースはやっぱり大変でした。でも、数学科のペースがやっと分かり始めてきました。けっこう時間が余ったけど、いろいろと話も聞けました。
  • ELCASも残り2回です。とてもさみしいです。ELCAS4期生は自主的に合宿したり、平時に集まったり、とても仲が良いです。あと2回で終わりだなんて信じられません。
  • やっていることは分かるがなぜそんなことをするのだという疑問ばっかりだった。そんな考え方ができるようになりたい。みんなもすごいと思う。ぼくがここにいていいのだろうか(笑)
  • 今回は「正方形を面積が等しい奇数個の三角形に分割できない」という定理の証明をした。証明の方法はこの1通りしか知られていないのが意外だった。
  • 今日やった問題は読み進めるにつれてじわじわ分かってくる感覚が面白かった。
  • 準備不足で発表できず、みんなに迷惑をかけてしまった。次は発表できるよう努力したい。面積をテーマとした問題の証明に色のついた点を使う方法はとても奇抜で興味深かった。

物理

実習1

試料とプローブをはんだ付けしている様子

実習2

YBCOの抵抗の温度依存性を測る

実習3

:ホール素子についての説明

実習4

:YBCOのヒステリシスを観察

実習指導

 芝内 孝禎 (固体電子物性研究室 准教授)

チューター 

 安元 智司(修士課程 1回生)

 渡邊 大樹(修士課程 1回生)

実施場所

 理学部5号館035号室

実習内容

 銅酸化物高温超伝導体YBCOの電気抵抗率の温度依存性測定、ホール素子を用いて超伝導体の磁場に対するヒステリシスの観察を行った。具体的には

・測定手法解説:4端子法の測定

・試料からプローブへのはんだ付け

・YBCOの抵抗温度依存性の測定

・測定手法解説:ホール素子について

・YBCOのヒステリシスの観察

を行った。

 また、実験の合間に様々なものを液体窒素で凍らせてみる実験を行った。

受講生の感想

  • 初めに4端子法について解説をしてもらいました。次にヘリウムを使って超伝導を測定器を通して数字化してみることができました。グループ2つに分かれてグラフ化してあきらかに変化がわかりました。暇なときに液体窒素に色々なものをつけてみました。電流源での測定は楽しかったです。
  • 今回は前回に引き続き、超伝導の実験を行った。まず、超伝導体をはんだごてでくっつける作業から始まった。はんだごてを使ったことがなかったので、うまくできるか心配だったけど、やり方を教えていただいたので、うまくできるようになった。その後、超伝導体を液体窒素で冷やしたが、その過程において、管内を真空にしたのちにヘリウムで充填したりして精密に実験するための工夫をいろいろしていたので、精度の高い実験をするときは、誤差となる要因を省くことが大切なのだと思った。
  • 超伝導の状態になったものの抵抗を測りました。4端子法のことがよく分かって楽しかったです。その傍ら、液体窒素で時計を凍らせたりしました。デジタル時計を凍らせると、画面の部分は止まったのですが常温にもどすと、時計(時間をはかる部分)は死んでなかったので、常温にもどすと、時刻狂わずに復活しました!すごく感動しました!
  • 今日は、超伝導には電気抵抗がないということを示す実験を行った。実験装置の説明のときに「電圧を測る装置は、どこに置くべきか」という問題が出され、深く考え込んだが、予想外にシンプルな答え出たことに驚いた。また、結果を基にして手書きでグラフを書いていた時、「デジタルはなんと便利なことだろう」とつい思ってしまった。ELCASもあと2回になってしまった。あっという間だったが、その2回でもしっかりと学んでいきたいと思う。
  • 本日は超伝導の実験をしましたが、初めて電流が0になった歓びは一入でした。いままでの実験とは違って秩序のある結果に感動しました。そして液体窒素で実験(=遊び)ました。いろんなものが固まっていく光景は世の無常を感じさせてくれました。そうそろそろ卒業ですね。液体窒素は人生の教訓まで教えてくれました。有り難うN2――――。forever…
  • 超伝導という現象を実際に電気抵抗の計測という型で、数字によってみることができたのはとても有意義な体験だった。あと、ホール電圧と試料への電流・コイルへの電流の関係を導き出すのも楽しかった。
  • ・修了学宿は前回より宿泊料金が安く、距離が短くなっているはずなのに、料金が高い。・修了学宿の方が初めの学宿より正直しょぼい。・超伝導についての理解が深まった。・液体窒素でいろんな食べ物を凍らした。

宇宙地球

実習1

私たちの生活に関係ある気象は、宇宙の中で、地球の中でどのくらいの大きさ・長さなのか?宇宙と地球のスケールを感じた。

実習2: 地球の温度や風をどうやって観測するのか?赤外線を使うと、夜でも雲が見える!

実習3

みんなで電卓で実験した結果を見て、カオスの本質に迫る。

実習指導

 余田 成男 (気象学研究室 教授)

実施場所

 理学部1号館642号室

チューター

 竹下 愛実(修士課程2年)

 櫻井 佳世(修士課程2年)

実習内容

 気象学の基礎的な内容に触れ、さらに現在社会的な関心の高い地球温暖化の諸問題について考えた。
まず、スライドによる講義を通して、気象観測の手法や、地球の熱収支、カオス、予測することの難しさなどについて、学習した。
その後、地球の気候において重要な放射過程について、身近な道具を用いた簡単な実験で、赤外放射の性質を実感した。
また、気候予測の難しさをもたらす要因の一つであるカオス理論について、電卓を用いた実習で実際に手を動かしながら理解した。

受講生の感想

  • 今日は、地球温暖化や天気予報の誤差のお話などをしていただきました。温室効果の話では、フライパン・コンロ・透明ガラスを使い、赤外線放射を体感しました。少しは知っていたけど、体感することでその効果をはっきり感じました。また、電卓カオス実験を行い、異なる電卓を使うと、50回目くらいの計算で使用する電卓によって全然違う数字が出ることに驚きました。
  • ボルツマン方程式や黒体放射、そして地球温暖化について、今まで知らなかった様々なことを教えてもらいました。熱したフライパンに手をかざすときに、ガラス板を間に入れると熱さを感じなくなったことに驚きました。また、電卓を使ったカオスの実験で、カオスについてよくわかりました。難しい数学用語もたくさん出てきたので、調べようと思います。残り2回で修了合宿と聞いて淋しいですが、残り2回は今回の内容に関連することらしいので、しっかりと復習して臨もうと思います。カオス実験は、家でもやってみようと思います。
  • 夏休みから始まって、あっという間に修了合宿もまじかになってしまったなぁと思っています。もっともっとELCASで体験したいです。今回の体験学習は、「地球」がテーマでした。「地球」を考えるために、数学や自然災害、惑星の研究者とともに考えないとシミュレーションができないんだなぁと思いました。「カオス」も初めて聞いた話で、電卓で計算して答えがだんだん変わっていくなんて面白かったです。その「カオス」が気候予測にう役立っているというところから、天気予報が当たらない理由がわかった気がします。色々な分野が合わされあないと解明できないのが「気候」の分野なのかなぁと思いました。まだまだわからないことの多い分野なので、どんどん研究が進んでいくとまた新しい大発見があるんだなぁと思いました。
  • 今回の体験学習コースの内容は、今までの体験学習コースにはなかった、地球温暖化についての内容で、面白かったです。地球温暖化といえば、最近いろんなところで耳にします。ですが、今回教わったような、細かい現状は初めて知りました。たとえば、北極の氷が溶けて海面が上方しているという話はよく聞きますが、10年で1割ということは、単純計算で100年ですべての北極の氷が溶けてしまうということです。この事実に、私は驚きと同時に危機感を感じました。地球温暖化問題は、私が思っているよりも大変なことでした。これから、環境問題について、今日教わったことも含めてよく考えていきたいと思います。
  • 今日は地球科学について学びました。気象予報をどうやってするかやその予報が外れる理由などを勉強しました。授業の後半で「カオス」を実証する、ということをしましたが、同じ計算を電卓で50回繰り替えして他の人との誤差を出すのはかなり地道で根気のいる作業でした。でもExcelで最後にその値のグラフを書くと、最初の方のわずかなズレが最後に大きな差をなって表れる「カオス」を自分の目で確かめることができたのでよかったです。私たちの実験でさえ最初の小さい小さいズレが最後に何桁もの大きなズレになってしまうのだから、1週間先の天気を予報する気象予報が外れるのはしょうがないなぁとも思いました。明日から予報が外れても「カオスだから」と温かい目で見ようと思います。
  • 今日の体験学習コースは、知っているつもりで知らなかった地球温暖化についてでした。今までは、その概要は何となく知っていても、その詳しいメカニズムは知りませんでした。よく、テレビ等で、地球温暖化がこのまま進行すると、気候が変動してしまうのではないかという報道がありますが、それについての根拠について理解を深めることができました。また、毎日見ている気象情報も、自ら電卓で計算して他の人と全然違う結果になったように、先の方の天気を予測すればするほど値が違ってくるということがわかりました。

生物

実習1

データベースで取得した遺伝子配列について説明を受けている

実習2

ABO遺伝子とFoxP2遺伝子についてデータベースの情報をもとにディスカッションを行っている

実習3

ディスカッションの結果を発表している

実習指導

 佐藤 ゆたか(発生ゲノム科学研究室 准教授)

チューター 

 松岡(中谷) 輝実(研究員)

 池田 達郎(理学部4回生)

実施場所

 理学部2号館418号室

実習内容

 インターネットを通じてデータベースにアクセスし、ALDH2遺伝子を例に遺伝子配列の取得、プログラムによる翻訳、配列比較など、遺伝子に関するコンピューター上の初歩的な解析を実際に操作してもらいながら説明した。合わせて、遺伝子の発現に関する知識を説明した。その後、ABO遺伝子とFoxP2遺伝子に関してそれぞれ変異型と進化による配列の違いを調べ発表してもらった。

受講生の感想

  • ゲノム配列を初めて見てGとかAとかが目が痛くなるくらい、たくさん並んでいてびっくりした。また、言語に関係するFoxD2というたんぱく質について、人間とメダカ、言語障害が起こりやすい家系と比べて、どういう違いがあるのか調べて、一部データがなくなってしまったのは残念だったけど、ゲノムが少し違うだけで大きな違いになることが分かった。とても小さなことなのに大きいことにつながるということにとても魅力を感じた。
  • 今日はゲノムプロジェクトがどういうものかを知るということでインターネットを利用して、他の動物のゲノム配列とヒトのゲノム配列とを比較して、より人間の本質を知ることができたように思います。インターネットを利用して、自分でもゲノム配列を観覧、比較できるということみたいなので是非一度家でもゲノム配列を見てみたいと思います。FoxP2については人間の言語が生まれたのも紙一重で、人間として生まれてきても言語を話せるかどうかは紙一重なのだなと感じました。A型とO型の子がA型になるというのを聞いて、この調子でいくとO型は世界にはいなくなるのではないかと疑問に思いました。今日はどうもありがとうございました。
  • 人や、動物のゲノム情報を見て、実際に比較してみたりするということをはじめて行った。思っていた以上に、人間と、その他の動物のDNAの塩基配列に違いはなかった。なによりも、最新のゲノム情報が、インターネット上に公開されていて、どこからでも見ることができるということにとても驚き、また今後も、もっと深く調べ、どんどん活用していこうと思った。さらに、学校の友達にも紹介して、もっとこの最新情報を広めていきたい。
  • 今日は、お酒に弱い人と強い人、人間とチンパンジー、A型の人とO型の人などの様々な遺伝子における違いをパソコンを使って調べた。作業は色々とややこしい作業が多くて大変だった。お酒に関しては、たった1つの遺伝子配列が違うだけだったが、A型とO型の人の遺伝子配列を比較してみると、O型はA型の半分ほどしか遺伝子がなかったことに驚いた。それをみて、O型は母親からも父親からもO型の遺伝子を受け継がねばならないということがよく理解できた。自分はO型なので、そういうことを、実際に自分の目で見れてよかった。ありがとうございました。
  • 初めて遺伝子のゲノムについて詳しく勉強しました。たくさんのサイトを使ったので混乱しそうになりましたが、最後は意味をきちんと理解して使えたのでよかったです。タンパク質をつくるためのA、T、G、Cの文字の羅列を見ていると頭がぼんやりしてきましたが、これが人間の体の基礎になっているというのは非常におもしろいことだと思います。発表では予想していた結果と違うものが出てしまったので家でもう一度挑戦したいと思います。
  • 今日は、パソコンでDNAやタンパク質のデータの解析を行って、初めは理解するのが難しくて戸惑いましたが、一番最後にはB型とA型を比べることが出来たので良かったです。B型は4つの塩基が変異していて、それほど大きな違いではありませんでしたが、O型の変異を見た時は驚きました。O型は、1つが欠損しているだけなのに何故こんなにも違いがあるのか驚きましたが、初めから数えていくので、そこから全てずれてしまうということを聞くと、納得しました。これほども大きな差があるんだと分かり、感動しました。また他の遺伝子なども見てみたいと思います。

化学

実習1

本日行う実験の説明

実習2

自作した超臨界流体封入セルでの観察

実習3

超臨界流体封入セル作成の実験の模様

実習指導

 木村 佳文(光物理化学研究室 准教授)

チューター

 須田 佳代(博士課程3回生)

実施場所

 分子工学棟

実習内容

 超臨界流体の観察実験を行った。具体的には、石英のキャピラリー管にトリフルオロメタンを封入して室温付近での変化を観測した。高校生の皆さんには実際に真空ラインを使って封入する実験を、補助の元1人ずつ行った。実験終了後に再度超臨界流体の説明をし、理解を深めてもらった。さらに、超臨界流体を用いた現在行っている実験の概要なども説明した。

受講生の感想

  • 実験は1人ずつ、自分でやったので緊張しました。扱っているのが液体窒素やO2を利用した高温のバーナーだったので、恐々とした気持ちでした。だから、完成して超臨界状態のようなCHF3が見えたとき、純粋に嬉しかったです。もし次やるとしたら、ずっと残り続ける状態で見てみたいです。
  • 今日は超臨界状態のトリフルオロメタンを観察した。液体を少しずつ加熱して沸騰させているのに、途中で液面がなくなっていって、とても不思議だった。密閉したガラス中で行っていたので、それを何度も楽しむことができた。できればトリフルオロメタンだけではなく、水などの超臨界状態も見て、それを使った実験もしてみたいと思った。
  • 今回は超臨界流体の観察実験をしました。ガラスの筒をバーナーで加工して小型の試験管のように加工した後、中をトリフルオロメタンという(気体)で満たし、密閉することで観察しました。最初は液体だったものが、手であたためることでどんどん液面が上昇していき、最後はその液面が見えなくなり、もやのような状態になりました。とても不思議な状態が観察できて、楽しむことが出来ました。
  • 今日やったことはすべて面白かった。キャピラリー管をバーナーであぶり封をする時も、キャピラリー管にトリフルオロメタンを入れる作業の時も興奮した。自分の作ったやつはうまく白いもやもやが出ず、少ししか出来なかったが、この実験をすることができただけで満足できた。次のELCASのオープンコアコースではやっと化学に関する話をしてくれるらしいので楽しみだ。
  • 今日は先週の説明を受けての実験だったので、実験の理論を理解しやすかった。だが、いつ真空ポンプを閉めたり、ガスの出入りを調節したらいいのか時々戸惑ってしまった。大学の器具は普段見慣れない目新しいものが多いので使い方を覚えるので精一杯だ。けれど教授さんのアシスタントもあって何とか実験を成功させ、白いもやもや(=超臨界状態?)が確認できたので良かった。普段考えたこともないような気体でも液体でもない、その間をさまよう物質を見ることができ、非常に嬉しかったです。
  • 今日は先々週説明していただいた超臨界流体を生成しました。1つ間違えば大ケガをする実験だったので緊張しましたが、先生に手伝っていただいたので、何とか成功しました。持って帰りたかったのですが、帰りの道中で爆発音が鳴っても困るので我慢します。今日はありがとうございました。
  • 今日は超臨界流体の実験をしました。実験の手順が少しややこしくて、難しかったです。完成して、気体にしたり、液体にしたりするのがおもしろかったです。ガラスの扱い方が難しかったですが、とても達成感がありました。楽しかったです。
  • 今日は待ちに待った実験でした。手順が多くなかなか大変でしたが、手伝っていただきなんとかできました。私のものは上手くできませんでしたが、友達ので超臨界流体だろうというものを見ることができました。その後もう一度説明していただき、少し理解できた気がします。少し遅れてしまいましたが、参加できてよかったです。

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2011年

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